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まずは、柔軟性を高めることでどんなメリットが得られるのかについて触れておきましょう。
柔軟性が向上すると、血液の流れが促進されるようになります。すると酸素や栄養素が組織にスムーズに運搬できるようになるので、疲れにくくなると言えます。
また、血液と共にリンパ液の流れも促進され、代謝の結果生じた老廃物や不要な水分を体外へ排出することができるようになります。
そのため、これらが蓄積することで生じる「むくみ」や「冷え」を防ぐことができると言えます。
硬くなったゴムを瞬間的に強く引っ張ると断裂してしまいます。これは筋肉にも当てはまります。
硬くなった筋肉に突発的に大きな負荷が加わると、思わぬケガを起こしやすくなってしまいます。そこで柔軟性を高めることにより、筋肉に突発的に大きな負荷が加わっても、ケガを避けることができるようになります。
柔軟性を高めようと硬くなった筋肉をムリに強く伸ばしてしまうと、却ってカラダを硬くしてしまうばかりか、筋肉を痛めてしまう危険性もあります。
硬いカラダを柔らかくする方法については、以前にも【カラダが硬い人必見!「カラダを柔らかくする方法」を教えます!】でお伝えしましたが、「カラダが硬すぎてリラックスしてポーズがとれない…」という声も耳にします。
ではそのような場合は、どのようにして柔軟性を高めたらよいのか。
このような場合には、動きを伴うストレッチである「動的ストレッチ」を活用するとよいでしょう。具体的には、関節を回したり曲げ伸ばししたりすることで関節可動域を広げていきます。
筋肉には「一方の筋肉が収縮すると、その反対側にある、もう一方の筋肉は弛緩する」という性質がありますが、動的ストレッチはこの性質を用いることで可動域を広げることが可能となります。
ここでは硬すぎてストレッチできない3つのケースと、その対処法を取り上げたいと思います。
まずは両脚を開いて内ももの筋肉(股関節内転筋群)をストレッチする、いわゆる「開脚ストレッチ」が硬すぎてできない場合の対処法をご紹介しましょう。
下の写真のように、両脚をできるだけ大きく開き、骨盤を立てて起こした上体を前に倒すことで、内ももの筋肉がストレッチされます。
しかし、硬すぎてどうしてもこの体勢を作るのが難しい場合は、次の2つのストレッチを行ってみましょう。
横向きに寝て、上の脚を股関節を支点にして外に開く動作を、左右それぞれ10回繰り返します。
動かす範囲は、ムリなく動かせる範囲で構いません。骨盤が動かないように注意しましょう。
両脚を軽く開脚させて、股関節を内側から外側へねじる動作を10回繰り返します。
太ももの付け根からねじるようにしましょう。
お尻の筋肉である大殿筋へのストレッチは、仰向けに寝て脚で「4の字」を作り下の膝を立てて、その膝裏に両手を回して脚を胸に引き寄せていきます(写真下参照)。
しかし、硬すぎてこのストレッチができない場合や、伸ばしやすくしたい場合には、次の2つの動的ストレッチを行います。
仰向けに寝た体勢で、太ももをお腹に引き寄せる動作を、左右それぞれ10回行います。
ストレッチ中は、足首を曲げておくようにします(写真赤丸参照)。
片脚を前に伸ばして座り、股関節を外側から内側にねじる動作を繰り返します。
太ももの付け根からねじるようにしましょう。左右それぞれ10回行います。
もも裏の筋肉であるハムストリングスへのストレッチは、下の写真のように両膝を立てて仰向けになり、ストレッチする方の脚を上げてもも裏に両手を回し、ももを引き付けた上で膝を軽く伸ばすようにします。
この体勢でのストレッチが難しい場合や、ストレッチをしやすくするには「脚上げストレッチ」がお勧めです。
立位もしくは仰向けの体勢で、片脚を上に上げる動作を10回繰り返します。膝は軽く曲げて、足首は曲げておくようにしましょう(写真赤丸参照)。
骨盤が動いてしまうと、もも裏ではなく別の筋肉へのストレッチとなってしまいますので、骨盤は動かさないようにします。
勢いや反動をつけて脚を上げないようにしましょう。
これらのストレッチで可動域を広げるポイントが2つあります。
1つは、少しずつ動きを大きくしていくようにすることです。始めは確実に動かすことができるところまで動かし、徐々に動きを大きくしていくようにします。そうすることで、ムリなく可動域を広げることができます。
もう1つは、高めたい動きで終わるようにすることです。例えば股関節を外に開く動きを高めたい場合ならば、内側に閉じているところから外に開く動きで終わるようにします。
この2つのポイントを頭に入れた上で、ご紹介したストレッチを行ってみてくださいね!