成功者に共通している素質として、心理学者のアンジェラ・リー・ダックワース氏が注目しているのがGRIT。TEDのスピーチが話題となり、今年の秋に日本でも出版された著書『やり抜く力 GRIT(グリット)』も注目されています。



日本語では「やり抜く力」と訳されてるGRITとは、いったいどんな能力なのでしょうか?



 

TEDスピーチ再生回数970万回以上の「GRIT」とは?





27歳のときに経営コンサルタントの仕事を辞めて教師になったダックワース氏。たくさんの生徒を見ていて、IQの高い生徒が必ずしも成績がいいわけではないことに気づいたそうです。



ダックワース氏は学習にとって必要なのは心理学的なアプローチによる動機付けであると確信し、教師を辞め大学院で心理学の研究を始めます。そこでの研究内容は、学生や軍の訓練生、販売員などを対象に、「誰が成功しているか」と「それはなぜか」を調べることでした。



研究の結果、成功している人に共通している特徴が明らかとなります。それはIQや容姿などではなく、「やり抜く力」でした。成功しているのは、数日や数週間で諦めることなく、数年間という長い期間にわたって努力を続けられる能力がある人たちだったのです。



 

成功に必要なのは、才能よりも「粘り強くやり抜く力」





どんなに才能や高い能力があっても、このやり抜く力がないために成功できないでいる人がたくさんいるとダックワース氏は語っています。才能とやり抜く力に関連性はなく、むしろ反比例するそうです。そして、このやり抜く力を伸ばすのに大切なのが「成長志向」だそう。



スタンフォード大学のキャロル・ドウェック氏の研究では、脳の仕組みを学んだ生徒は、失敗したときにより辛抱強く物事を続けられるようになったそうです。それはつまり、彼らは「失敗は永遠には続かない、自分の頑張りや努力次第で変えられる」ということを知り、信じられたからです。



 

GRITの能力を高めるには?





GRITの研究はまだ始まったばかりで、この能力を伸ばすための具体的な方法はまだ確立されていないそうです。しかし、ダックワース氏もこの能力は先天性のものでなく、目標に粘り強く取り組む経験を重ねることで伸ばすことのできる後天性能力であると語っています。



毎日15分だけでも本を読む、毎日お弁当を作る、週に3回は運動をするなど、どんな小さなことでもいいので、一つのことを粘り強く長く続けてみましょう。小さなことでも成功体験を重ねることで自分に自信がつき、GRITの能力を伸ばすことができます。



さらに、興味を持てることや情熱を持って取り組めることを続けることでも、やり抜く力は伸ばすことができるそうです。目的意識を持つと、やる気が出て継続しやすくなりますよね。ボランティアや社会貢献など意義のあることを始めてみるのもいいですし、仕事をする上で業務の意義や意味を意識することも大事です。



成功者の新しい条件「GRIT」の能力を伸ばすために、何かに粘り強く取り組んでみるといいかもしれません。
情報提供元: ANGIE
記事名:「 世界が注目!成功者に共通する能力【GRIT】とは?