12月12~16日は第六十二候「熊穴に蟄る(くまあなにこもる)」。熊が冬眠に入る時季といわれています。寒さもだんだん厳しくなり、家で過ごす時間が自然と長くなりますよね。



今日は、みなさんの冬ごもりを充実させる”お茶とアロマ”についてご紹介します。毎日の生活に取り入れれば、気持ちがほっと安らぐことでしょう。



 

七十二候とは?

時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。



季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。



「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。







 

和のアロマで安らぐ





冬ごもりの時間にぜひ取り入れていただきたいのが、リラックス効果をもたらしてくれる“香りアイテム”。アロマもいいですが、日本で古くから愛されてきた和のアロマ、“お香(おこう)”はいかがですか?



日本で”お香”が用いられるようになったのは仏教伝来の頃。平安時代になると、貴族たちは自ら調合した香りを部屋や衣服へたきしめ楽しんでいたそうです。



戦国時代では香りを兜にたきしめ戦地へ赴いた武将もいたといいますから、一口に“お香”といっても、さまざまな意味合い、思いを持って、愛用されていたのですね。あなたもいにしえの人のように自分好みのお香を探してみてはいかがでしょうか。



おすすめは、早春に咲く「沈丁花」の香り。沈丁花の香りは、なにかいいことありそう、そんな気分にさせてくれる華やかな香りです。また、能舞台などの木材としても利用されている「ひのき」は、どこか神秘的で落ち着いた香りが魅力。女性らしい艶やかな「バラ」の香りも私のお気に入り。実はバラは、「さうび」という名で古今和歌集にも登場する、長い歴史を持つ花なんですよ。



あたたかな部屋でお香に火を灯し、スーッと立ち上る煙をながめて深呼吸しましょう。



 

オトナのお茶の時間



Photo by 三浦奈々依



和の香りで心を整えたら、ぜひ、美味しい日本茶を用意しましょう。茶葉にこだわるのもいいですが、味を左右する“急須”にこだわってみて。



自家栽培したお茶を販売している「まるさ佐京園」によると、陶器の急須は保湿性に優れ、お茶の渋みと旨みを引き出してくれるのだそう。ただし、急須自体にお茶の香りや味が移るので、毎回決まった茶葉を使うのがよいようです。反対に磁器の急須は保湿性は落ちますが、お茶の香りなどが移ることはないので、複数のお茶を淹れて楽しむことができるそうですよ。



私が10年以上にわたり愛用しているのは、400年の歴史を誇る岩手・盛岡の伝統工芸品「南部鉄器」の急須。南部鉄器は保温性に優れ、陶器や磁器に比べ割れにくいという利点があり、なんとフランスでも大人気なんですよ。



鉄器といえば黒色がベーシックですが、最近では写真のような鮮やかな色やユニークな形のものもあります。テーブル上の飾りにもなり、茶を煎れるたびに、心が華やぎます。



日本茶に含まれるカテキンには、深い癒し効果があるといわれています。さまざまなタイプの急須で日本茶をいただいて、あたたかい部屋で、ふーっと安堵のため息をつきませんか?



オトナ女子の冬ごもりで、心を整え、安らぎのひとときを過ごしましょう。

【参考】『くらしを楽しむ七十二候』広田千悦子/泰文堂、アンシャンテ、株式会社長川仁三郎商店



情報提供元: ANGIE
記事名:「 気持ちが安らぐ”冬ごもり”の方法とは【12月12〜16日】