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同メディアは、このほど調査会社Greenlightが発表した2016年のアメリカAR市場における投資動向について報じた。
同発表によると、2016年におけるアメリカでのAR企業への投資は総額10億7,000万ドル(約1,190億円)であった。
AR企業への投資においてトップ6企業となったのは、Magic Leap、ODG、blippar、Meta、LUMUS、uSens Inc.(本記事トップ画像参照)である。トップ6企業への投資額を合わせると、アメリカAR市場全体の投資額の90%を占める。そのなかでも、Magic Leapは文字通りの桁外れの7億9,300万ドル(約880億円)と2位のODGの10倍以上の資金を集めている。
もっとも、2017年2月に報じた本メディアの記事によると、Magic Leapは同社に寄せられる大きな期待とは裏腹に、プロダクトの開発は大きく遅れているようだ。
また、2位のODGはARグラス「R-7」を開発しているのだが、同プロダクトは工業現場向けARグラスの50%のシェアを占めている人気製品であり、最近では同プロダクトを危険地域の使用に耐えられるようにした「R-7HL」の予約受付を開始した。
以上の投資先トップ6企業を除いた残りのスタートアップへの投資は、小額に留まっている。
Greenlightの発表によれば、多くのARスタートアップへの投資額は100万ドル(約1億1,000万円)未満である(上の画像参照)。この結果は、裏を返せば、AR市場は多数のスタートアップが誕生しているチャンスの新興市場であることを意味している。
100万ドルに満たない資金を調達した企業から、「明日のMagic Leap」が生まれるかも知れないのである。
AR市場への投資を、ハードウェアとソフトウェアという分野別に分けてみると、90%にあたる9億6,000万ドル(約100億円)がハードウェア事業に投資されていた。
この結果は、AR市場がハードウェアが普及する前段階にあたるデバイスを開発する時期にあることを示している。ハードウェアが普及していないので、当然ながらそのハードウェアを必要とするソフトウェアへの投資はごくわずかに留まっているのだ。
アメリカAR市場への投資の10%にすぎないソフトウェアへの投資を、ソフトウェア・カテゴリー別に見ると、ゲームを含まないノン・エンターテインメント分野への投資が86%にあたる850万ドル(約9億4,500万円)であった。この結果は、ゲームコンテンツへの投資が市場を牽引しているVRと対照的である。
もっとも、ARコンテンツ市場ではビジネスユースの方が先に成長するであろうことは、Microsoftの推進するHololensが企業を対象としてARコンテンツを開発していることから、ある程度は予想できたことである。事実、本メディアで以前に報じたAR市場予測でも、「ビジネスユース先行」の市場動向を指摘している。
以上の発表結果から言えるのは、AR市場はまだ勃興したばかりの新興市場でありARデバイスの普及はこれからなので、多くのスタートアップにチャンスがある、ということであろう。
2016年のアメリカAR市場動向について報じたUploadVRの記事
https://uploadvr.com/ar-smashed-funding-records-2016/
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