海外メディアUploadVRは、2017年4月6日の記事において、DisneyのARシステムの特許について報じた。



Disneyが特許申請中のARシステムとは?


同メディアは、2017年4月6日、Disneyが申請したARシステムについての特許文書を紹介している。


本メディアで以前に報じたように、Disneyは同社のテーマパークにVRテクノロジーを導入することには否定的である。しかし、ARを活用することに関しては、真剣に検討しているようだ。


UploadVRが紹介しているDisneyの特許文書は、「ユーザーと仮想世界の相互作用のための拡張現実制御」というタイトルが付けられている。その文書によると、同社が考えるARシステムは、テーブルのようなフラットな表面に対して、特定の場所(おそらくは天井)に設置されたプロジェクターから画像を投影することを基本構成としている(下の図1を参照)。


図1:Disneyが特許申請中のARシステムの基本構成図


プロジェクターのほかには、画像を投影している表面をトラッキングするセンサーも設置されており、そのセンサーを使ってユーザーの挙動をトラッキングする。そして、ユーザーの挙動に合わせてプロジェクターから投影する画像を変化させることで、ユーザーと投影画像が相互作用するような体験を可能とする(下の図2を参照)。


図2:Disneyが特許申請中のARシステムにおいて、ユーザーと投影画像が相互作用する様子


以上のようなARシステムを、家庭ではなくテーマパークのような商業施設で活用するメリットが少なくともひとつある。そのメリットとは、商業施設であれば多少大きいプロジェクターであっても、内装を工夫することによってユーザーに意識させないことができることだ。また、同ARシステムは、ARデバイスを装着しなくてもよいという点から見ても、不特定多数の訪問客が来訪する商業施設での活用に適している。


プロジェクターを活用したARシステム事例


実のところ、同ARシステムに類似したアイデアは容易に挙げることができる。例えば、本メディアで以前に報じたプロジェクターを活用したARデバイス「Lightform」は、同ARシステムに酷似している。


そのほかには、2014年11月29日から2015年5月10日まで日本科学未来館で開催されていた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」で展示された作品「つながる!積み木列車」も、活用されているテクノロジー構成が類似している(下の動画参照)。



チームラボが制作した同作品は、発表されたのが「VR元年」あるいはポケモンGO登場以前なので、「VR」「AR」という言葉は使われていない。しかし、同作品で使われているオブジェクトを、例えばボードゲームのコマに置き換えると、「ARボードゲーム」として通用するだろう。


「プロジェクター型ARシステム」の最大の「売り」は、手ぶらでAR体験が可能なことである。最近注目されるようになったこのARシステムには、多くの可能性が眠っていそうだ。


DisneyのARシステムの特許について報じたUploadVRの記事

https://uploadvr.com/disney-ar-patent-application/


DisneyのARシステムについて特許文書ページ

http://appft1.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PG01&p=1&u=/netahtml/PTO/srchnum.html&r=1&f=G&l=50&s1=20170097676.PGNR.


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 ディズニー、プロジェクターを使ったARシステムの特許を申請