VRの導入がいち早く進んでいる業界のひとつが、不動産・建築業界だ。


そもそも不動産・建築業界は、設計の際にCADを使用したり、パース画を作成するために3DCGソフトを使用したり…と、3Dソフトとの親和性が高い業界


なので、VRの導入がいち早く進んでいるということも頷ける。


既に、不動産・建築業界に向けたBtoBのサービスも複数登場しているという状況だ。


この記事では、そんな不動産・建築業界に向けBtoBサービスについて事例をご紹介しよう。


VRによって不動産内覧のシミュレーション品質と手間が大きく改善!




現在、不動産建築業界に向けられたサービスは、VRによって不動産の内覧体験を変える…というもの。


内覧とは、住宅やマンションなどの物件を、下見してもらう行為。


通常、内覧はモデルルームを訪問したり、あるいは賃貸物件などなら、不動産屋と一緒に現地へ連れて行ってもらったり…といった形で行う。


しかし、VRを使えば、現地へ行かずとも、不動産屋で、あるいは自宅で内覧が可能となる。


さらに技術的には、壁紙を変えたり、晴や雨、曇りといった天候を変えたりといった状況のシミュレーションも可能


物件を買ったり、借りたりするエンドユーザーにとっては、住環境をよりリアルに事前シミュレーションできるだけでなく、そこにかかる手間まで少ない


不動産を提供したり建築したりする業者側にとっても、短い時間で様々なパターンのプレゼンテーションが可能になるので、成約率を高めることが可能だ。


それでは、具体的な事例を見て行こう。


 


ハイクオリティな映像でVRモデルルームを作成可能!株式会社 積木製作「VROX」



株式会社 積木製作が提供する「VROX」は、VRで体感可能なモデルルームを、3DCGで実現するというサービス。


3DCGなので、家具を配置してみたり、窓から見える景色を変化させたりといったことが可能


ハイクオリティな3DCGによって実物同様の環境を体験できる点がポイントとなっている。


対応するVRデバイスはOculusRift、HTC Vive、GearVRであるため、現在のところはモデルルーム内などに配置し、営業マンの販促用ツールとして使うことが想定されているようだ。


 


カンタン・お手軽・リーズナブルにVR内覧を実現できる!株式会社 イー・ビジョン「miraie360」



株式会社 イー・ビジョンの「miraie360」は、360°カメラ「RICOH THETA」で撮影した360°画像を、スマホサイトとPCサイト上で閲覧可能にするというサービスだ。


エンドユーザーは、間取りから部屋を選ぶことで、その部屋の360°画像を閲覧できる。


対応するVRデバイスはスマホVRゴーグル。


このため、WEBに公開しておき、エンドユーザーに自由に見てもらうという使い方が可能だ。


また、「miraie360」は業者が利用するにあたって必要な点が少なく、カンタンでお手軽な点が押し出されている。


値段もリーズナブルで、無料の30日間お試し期間が用意されているほか、エントリープランであれば初期導入費用5,000円、月額費用5,000円という低コストで利用可能だ。


 


360°カメラの画像でよりハイクオリティなVR内覧が作成可能!VRbouz株式会社「houseVR」



VRbouz株式会社の「houseVR」は、360°カメラ「RICOH THETA」を使いつつ、よりハイクオリティな表現を実現しているのが特徴だ。


360°カメラは、360°撮影可能な魚眼レンズを用いて撮影するため、どうしても映像に歪みが発生してしまう。


この歪みを独自の画像処理技術で解消


さらに、映像内に移動用インターフェースを実装して360°画像をリンクしているため、部屋から部屋に移動する表現が、疑似的ではあるものの実現されている


このためより自然な、没入感の高い内覧が可能だ。


対応するVRデバイスはスマホVRゴーグルとなっている。


 


実寸大の表現強みとする株式会社コンピュータシステム研究所「ALTA」



株式会社コンピュータシステム研究所の「ALTA for VR」は、新築住宅やリフォームの提案をVRでプレゼンテーション可能なツール。


スマホVRゴーグルを使ったVR提案も可能な上、さらに3Dプロジェクターを使って実寸大のVR住宅を表現することも可能


VRだけでなく、パース画や提案書の作成、見積書の作成まで可能になっており、統合された営業ツールとして使うことができる


 


ゆくゆくは暮らしを事前にシミュレートできるようになるかも!?


エンドユーザーとしては事前にできる限り綿密なシミュレーションができるのはありがたい。


不動産は安い買い物ではない上、失敗したとしても気軽に修正できる…というタイプのものではないからだ。


たとえ賃貸だとしても、新たな家を探して契約し、引っ越すという金額と手間は相当なもの。


このため、今後VRやMR技術の発展に伴い、こうしたVR内覧サービスは、不動産の周囲の状況を再現したり、自分の所有する家具を置いた状況を再現したり…など、より豊かなシミュレーションができるように進化していきそうだ。


これによって成約率が高まり、契約後や購入後のクレーム減少に繋がれば、不動産・建築業界にとっても喜ばしい話だろう。


今後のVR内覧サービスの進化に期待したい。


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 VRを本格的にビジネスで活用!不動産・建築業界向けサービスで内覧はこう変わった