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同メディアは、VR・ARの統一規格であるOpenXRを推進するクロノス・グループのプレジデントであるNeil Trevettに対して行ったインタビューの内容を報じた。
先日開催されたGDC2017において、CG技術の統一規格化を進めてきた同グループが、VR・ARの仕様に関する統一規格「OpenXR」について発表したのは記憶に新しい。
同規格が目指しているのは、プラットフォームあるいは開発スタジオごとに規格がバラバラで、コンテンツの移植に多くの金銭的・人的リソースを投入しなければならない現状のVR・AR業界に、統一規格を確立することでコンテンツの移植を容易にすることである。コンテンツの移植が容易になれば、VR・AR市場の持続的成長が望めることは想像に難くない。
以上のような試みに関して、同メディアは、Trevett氏に統一規格を確立するまでの具体的なプランがあるかどうか尋ねると、同氏は以下のように答えた。
規格の分裂は、VR業界において緊急に解決すべき問題であり、私たちはこの問題を12ヶ月程度で解決する予定です。
同氏は、クロノス・グループとしては来年のGDCにおいて統一的なAPI(Application Program Interface:開発されたプログラムを活用するための規約)を発表したいと考えていることも述べた。
また、その名称からもわかる通り「OpenXR」はVRに限定されたわけではなく、AR等の規格統一も視野に入れていることもふまえたうえ、VR以外のテクノロジーに関するプランを質問したところ、同氏から以下のようなコメントをえた。
わたしたちが気にかけていることは、自分たちをVR界隈に閉じ込めてしまうことです。
わたしたちは、VRの統一規格を確立することと同様なことを、(ARは当然として)未来においてはMR(Mixed Reality)デバイスでも行いたいと思っています。
以上のようにコメントしたうえで、同氏はARやMRの統一規格策定は、VRの統一規格が確定された後の「セカンド・プラン」として実施する、とも言った。
OpenXRはその構想が発表された当初から、主としてVR業界のビック・ネームがパートナーシップ企業として参画を表明していた(上の画像参照)。
パートナーシップ企業には、VIVEを開発するHTCは名を連ねていないものも、GDC2017においてOpenXRに関して好意的なコメントを残している。
だが、未だOpenXRに参画を表明していないビック・ネームが存在する。それはMicrosoftだ。同社はXRテクノロジーに関して、少なくとも2つのビジネスを展開している。ひとつはWindows 10に対応したMRヘッドセットのビジネス、もうひとつはHololensだ。
同メディアは、MicrosoftがOpenXRに参画するかどうかに関して、Trevett氏に質問したところ、以下のような答えが返ってきた。
Microsoftもいずれ、Windows Mixed Reality プラットフォームの急速な台頭に伴いOpenXRに参画するでしょう。
また、(MicrosoftがHololensに関係した)ARに関する専門知識をOpenXRにもたらすのは、(VRの統一規格が整備された後の)APIを整備する第二波(のプラン)の時になるでしょう。
以上の発言から、クロノス・グループがMicrosoftもOpenXRに参画するであろうと楽観視していることがうかがえる。
まとめると、同グループはXRテクノロジーが技術的にも市場的にも成長を続ける限り、参画する企業の利益を最大化するためにOpenXRを推進することを考えている、とみて間違いないだろう。
OpenXRに関するクロノス・グループ・プレジデントNeil Trevettのコメントを報じたUploadVRの記事
https://uploadvr.com/khronos-group-welcome-input-microsoft-vrar-api-standard/
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