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2016年にはGear VRが売れており、ハイエンドヘッドセットに限ればPSVRが人気だったようだ。体験者数も増えているので、2016年に初めてVRを体験したという読者も多いのではないだろうか。しかし、いずれにしてもVRヘッドセット全体の売上は当初の予測を下回った。
思ったほど売上が伸びなかった理由としては、値段の高さやコンテンツ不足、様子見をしている潜在的なユーザが多い、そもそも(PSVRが)売り切れていて買えないといったものが考えられる。加えて、家庭用VRが逃れられない事情もある。
VR体験にはスペースが必要だ。VR空間は無限に広がっているが、リビングの面積は有限である。家具があって正方形のスペースが取れないこともあるだろう。日本の住宅事情では深刻な問題である。
こうした状況では、ヘッドセットが持つ能力を引き出しきれない。バーチャルリアリティを全力で楽しむためには、リアルで十分な空間を確保しなければならないのだ。一般家庭では、掃除や模様替えをして環境を整えるのがせいぜいである。VRのために引っ越すようなユーザはそう居ないはずだ。
家庭用の制限を取り払って、いっそ専用の空間でVRを体験するという方法もある。テーマパークやゲームセンターならば、周囲を気にすることなく体験に集中できる。そういった場所であれば、椅子や乗り物も含めたアトラクションの設置も考えられる。
MMOneは自由に稼働するアームが着いたライドだ。ジェットコースターを体験する映像やレースゲーム、フライトシミュレータといった「椅子に座る」コンテンツとの相性は抜群である。自宅には置けなくとも、巨大ショッピングモールに設置するには良さそうだ。
価格については不明である。商業施設・娯楽施設向けの設備なので、見積もりが必要なのかもしれない。
フィットネスマシンのIcarosも、VR体験と身体の感覚を一致させるアイデアだ。このマシンは、VR映像を見ながら運動ができる仕組みになっている。メーカー在庫は昨年完売し、その大部分がトレーニングジムに販売されたという。
VRInsideでも過去に紹介したが、日本からの購入だと100万円を超えてしまう。残念ながら国内で体験できる場所はなさそうだ。
ショッピングモールやジムのように複数の人がお金を払って使う場であれば、多少高価な機器を導入してもそれに見合う収益を得られる可能性がある。家庭用ではなく、こういったところからVRが普及していくのかもしれない。
インタビュー記事も人気な体験型のアトラクション『The Void』は、現段階で考えられるVRの応用としては最高の形かもしれない。コンテンツに合わせて舞台が作られているため、汎用のライドよりもさらに上のリアルな体験ができる。
9メートル四方のスペースでもサービスの提供は可能らしいので、郊外の巨大なテーマパークに行かなくても楽しめるだろう。まだ日本上陸の情報はないが、引き続き注目のアトラクションだ。
商業施設・娯楽施設に大型のVR設備が導入されれば、体験したユーザがVRに親しみを持つようになるだろう。そして、そういった施設向けに技術の開発が進めば家庭用ヘッドセットも高性能・低価格化が進むはずだ。
一般家庭にVRが普及するためには、まずパブリックなVRが広がることが必要かもしれない。
参照元サイト名:Venture Beat
URL:http://venturebeat.com/2017/02/04/why-public-vr-experiences-could-beat-at-home-headsets/
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