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MIT Technology Reviewが『Sansar』を取り上げている。
Sansarについては、VRInsideでも以前紹介したことがある。セカンドライフを開発したLinden Labが手がける、VRプラットフォームだ。
セカンドライフは2003年に登場し、最大で月に100万人が利用する規模まで成長した。一時は大きな話題となったものの、その後は月間80万人にまで利用者が減少している。
プラットフォームというコンテンツの性質上、Sansarの可能性は無限大だ。理論上、やりたいことはなんでも実現できる。もしもそれに適した空間がないのであれば、新たなVRワールドを自分で構築してしまえばよい。
Linden Labは、セカンドライフでの経験をSnasarに活かそうとしている。セカンドライフには多くのユーザがログインしたが、広大なバーチャルワールドを前にして途方に暮れてしまうユーザも多かった。そこで、Sansarはウェブに近い仕組みを採用している。
オープンワールドゲームのように広い世界を歩き回って、自分に合った地域を探し出す必要はない。代わりに、サムネイルをクリックして地図上から好みの世界を選べばよい。
セカンドライフでは利益を得る方法も大きな課題だった。無料コンテンツに多くのユーザが集まっただけでは、売上にはならない。そこで、Sansarではセカンドライフと異なる収益化モデルを採用している。
セカンドライフでLinden Labが収入を得る方法は、主に架空の不動産を貸し出すことだった。企業にオフィスや看板といった広告用のスペースを提供して、その賃貸料金を受け取る方法だ。ユーザが多いからこそ可能なモデルでもある。
Sansarでもこうしたシステムは残るものの、セカンドライフよりも安く土地が提供されるという。企業からの収入を減らす代わりに、アバターの衣服や家具といったアイテムの販売に力を入れていく方針だ。これならば、一般ユーザの多さをそのまま利益の大きさに繋げることができる。
これは、一部のソーシャルゲームやで採用されている方法だ。友人や他プレイヤーとの交流があれば、アバターや部屋をデコレーションして自分をアピールしたいという欲求が起きるのは自然だ。それを収入に繋げることが期待されている。
このように過去の経験を活かしているものの、Sansarがセカンドライフと同様の不安を抱えていることもまた事実だ。セカンドライフが登場したとき、多くのユーザがその目新しさに夢中になった。しかし、彼らはやがて飽きてしまった。
Sansarに使われている技術は優れているが、いかにしてユーザを繋ぎ止めるかが課題である。
現在のところ、Sansarはクリエイター向けにプレビューが提供されている段階だ。一般公開に向けて、長く楽しめる魅力的なコンテンツへと進化できるだろうか。
VR技術による体験の新しさそのものが注目される段階は、徐々に終わりに近づいている。VRにもソーシャルが必要だという意見も出てきた。この状況で上手くソーシャルを取り入れることができれば、SansarがVRのキラーコンテンツとなることも考えられる。
参照元サイト名:MIT Technology Review
URL:https://www.technologyreview.com/s/603422/second-life-is-back-for-a-third-life-this-time-in-virtual-reality/
参照元サイト名:Sansar
URL:https://www.sansar.com/
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