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世界規模の求人サイトを運営するindeedは、同社ブログにおいて、2014年から現在までのアメリカゲーム市場における求人数の変化についての分析を発表した。同発表から分かることは、VR・ARゲームの急速な台頭と伝統的ゲーム市場の硬直化である。
以下に具体的な統計値をあげながら、同発表の要点をまとめる。
海外メディアVentureBeatが発表したところによると、アメリカのゲーム市場は2010年から現在にいたるまで拡大しており、その成長は2019年までは続くと予想され、2019年には196億ドル(1兆9,600億円)に達するとされている。
ゲーム市場が成長しているにもかかわらず、2016年のアメリカのゲーム開発者の求人数は2014年に比べて65%も減少している。
その一方で、ゲーム開発者の求職数(ゲーム開発者になりたい求職者の数)は、50%増加しているため、アメリカのゲーム開発者市場は、圧倒的に「買い手」市場。
indeedの分析によると、アメリカ・ゲーム開発者市場で生じているミスマッチの原因は、アメリカゲーム市場の構造変化に原因があると述べている。
PCゲームやPlaystationに代表されるような家庭用ゲーム市場が勃興し成長した前世紀末から2000年代、アメリカゲーム市場を牽引したのは大手ゲーム配給会社だった。
Electronic Arts、Activisionといった大手ゲーム配給会社は、ゲームを配給するために多数のゲーム開発スタジオを誕生させ、その結果として、多量のゲーム求人が発生したのだった。
しかし、2010年代に入りアメリカ・ゲーム市場においてリストラが起こる。具体的には、ゲーム市場拡大に伴い制作されたゲームのうち「ボリュームはあるが質が低いゲーム」が消費者から敬遠されるようになった。
そこで大手ゲーム配給会社は、開発するゲームを絞り込むようになり、同時にゲーム開発者の求人数も減少したのだった。
ただ、大手ゲーム開発スタジオが狭き門となっても、ゲーム開発を諦めない人材はインディーズゲームを開発し始めた。この動向が、今日のインディーズゲーム・プラットフォームであるSteamの隆盛につながるのであった。
近年になって、全く新しい動向がアメリカ・ゲーム市場で起こった。それがVR・ARゲーム市場の勃興である。突如として生まれた同市場は瞬く間に成長し、2014年比でVR・ARアプリ開発者求人は400%、VR・ARゲーム開発者求人にいたっては1,500%も増加したの。
さらにFacebookがOculus社を買収したのをうけ、多くのテクノロジー・スタートアップがVR・ARの研究・開発を始めた。
VR・ARのほかに注目すべき市場動向として、eSportsの隆盛があげられる。ゲーム開発者全体の求人数が減少するなか、eSportsに関連する求人数は、2015年比で40%の増加となっている。
以上のようにアメリカ・ゲーム市場はその主役が古典的コンソールゲームから、VR・ARゲームおよびeSportsという新世代のゲームに移ろうとしている。
日本では、かつてゲーム市場の主役が家庭用ゲームからスマホゲームに移行するという交代劇を経験した。eSportsが海外ほど盛り上がっているとは言い難い日本において、VR・ARが新たなゲーム市場の主役となるかは、予断を許さない。
国内ゲームVR・AR市場に関する統計データの発表が、待たれるところである。
アメリカのゲーム求人市場について分析したindeedのブログ記事
http://blog.indeed.com/2017/01/10/video-game-labor-snapshot/
アメリカゲーム市場の成長を予測したVentureBeatの記事
http://venturebeat.com/2015/06/02/u-s-games-industry-forecast-to-grow-30-to-19-6b-by-2019/
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