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バーゼル大学は、SpectoViveと呼ばれる技術を開発した。この技術は、CT画像から三次元の人体構造をVRの中にリアルタイムで再現するものだ。
医師は、骨、筋肉、血管の位置を把握して手術方法や切開場所を計画しなくてはならない。そのためにSpectoViveが活用できるという。
SpectoViveでは、患者本人のCT画像を元に3Dモデルを生成することができる。これは医学書で一般的な人体構造を確認する場合とは異なる。治療する患者本人の状態を知ることができるので、執刀前に予め手術を体験するようなものである。SpectViveを使えば、大量のCT画像を見比べながら想像するよりも容易かつ直感的にイメージを掴める。
これまでの技術でもCT画像を元にスクリーン上で3Dモデルを作成できた。しかし、従来のハードウェアではリアルタイムレンダリングができなかった。処理能力の不足によってフレームレートが低下し、結果的に利用者は吐き気やめまいといった画面酔いの症状を経験することがあった。
SpectoViveではHTC Viveでリアルタイムに3Dモデルをレンダリングすることができる。フレームレートの低下を防ぎ、不快に感じることなく3Dモデルを拡大・回転させて見たい場所を見られる。
医療への利用以外でも、この技術に興味を持つ博物館がある。ミイラのような脆い展示物の内部を来館者に見せる方法として使えるのではないか、と考えているようだ。
他の分野への応用も可能かもしれないが、このSpectoViveは元々MIRACLEプロジェクトの一環である。MIRACLE(Minimally Invasive Robot-Assisted Computer-guided LaserosteotomE)は、大規模な切開を回避してレーザーと内視鏡を用いた手術を行う可能性を追うプロジェクトである。MIRACLEは、1,520万スイスフラン(約17億5,000万円)の資金を調達した一大プロジェクトだ。
参照元サイト名:University of Basel
URL:https://www.unibas.ch/en/News-Events/News/Uni-Research/Virtual-Reality-in-Medicine.html
参照元サイト名:Department of Biomedical Engineering(バーゼル大学生体医工学部)
URL:http://dbe.unibas.ch:8080/magnoliaPublic/dbe/research/FlagshipProject/MIRACLEproject.html
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