Leap Motionは、2016年12月5日の同社ブログにおいて、「Leap Motion Mobile Platform」を発表した。



VR空間内のハンドジェスチャーを制御するテクノロジーを提供している同社は、運営している自社ブログにおいて、Gear VRのようなモバイル型VRヘッドセットに実装可能なハンドジェスチャートラッキングシステム「Leap Motion Mobile Platform」を発表した。


同システムは、モバイル型VRヘッドセットに物理的に組み込むトラッキングセンサーが付いたハードウェアと、そのハードウェアを制御するソフトウェアから構成されている。


ハードウェア部分はバッテリーで駆動し、ハードウェア/ソフトウェアはともに既存のスマホに使われているCPUとGPUに適合するように設計されている。


Leap Motion Mobile Platformのハードウェア


同システムを開発するにあたり、同社はトラッキングセンサーのパフォーマンス向上と消費電力の節約の両立を追求し、ソフトウェアに関しては従来のそれに比べて10倍の処理速度を実現した。


同システムのもっとも大きな特徴は、トラッキングセンサーの範囲だ。既存のPC周辺機器のトラッキング範囲は、カメラレンズに対して横方向に140°、縦方向に120°なのだが、ハンドジェスチャーをトラッキングしてVR空間に反映する同システムの実現のためには、既存機器のトラッキング範囲では不十分なことが判明した。


同システムのトラッキング範囲は、トラッキングセンサーに対して縦横180°となっており、ちょうどVRヘッドセット前面の半球上の空間におけるハンドジェスチャーが認識可能ということになる(下の図参照)


Leap Motion Mobile Platformのトラッキング範囲


同社ブログによると同システムはまずはGear VRに実装されるとのことだが、今月からメジャーなVRイベントでデモを行い、同システムの普及を図るつもりだ。


同システムは、VRヘッドセットにトラッキングセンサーを内蔵する「Inside-out」型のトラッキングシステムとして、初めて実用レベルで普及する可能性を秘めている。


「Inside-out」と対立するのが、VIVEが採用しているようなトラッキングセンサーがVRヘッドセットとは別個にある「Outside-in」型だ。


もしも同システムがさらに進化して、ユーザーの移動をもトラッキングできるようになったら(つまりはルームスケール・トラッキングを実現したら)、現時点ではモバイル型VRヘッドセットとPC接続型のそれにあいだにある壁を壊すかも知れない。


来年にはVIVEのアクセサリーとして、VRヘッドセットとPCを無線で接続するワイヤレスキットもリリースされることを思い返すと、モバイル型VRヘッドセットの進化も案外早いのではなかろうか。


参照元URL:http://blog.leapmotion.com/mobile-platform/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 Leap Motion、モバイルVRヘッドセット向けのハンドトラッキングシステムを発表