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なぜ人間の腕は二本しかなく、三本ではないのだろうか?
スタンフォード大学の研究者は、VRの中で三本目の腕があればより効率的な(バーチャル)人間になれると考えている。彼らは、通常よりも多い手足を上手くコントロールするための方法を研究し始めた。
高品質なVRモーションコントローラによって、ユーザはデジタルな世界に全く新しい、目に見える形で到達しつつある。それでも、これは仮想現実でしかない。現実ではないので、やりたいと思うことは何でも実現できる。それならば……二本の腕に縛られる必要があるのだろうか? スタンフォード大学バーチャルヒューマンインタラクションラボの研究者は、とうとう「もう二本の腕に束縛されるのは十分だ」と結論づけた。彼らは、三番目の腕を最も効果的にコントロールする方法を探っている。
人間の腕は二本しかないので、バーチャルな三本目の腕で何かをする方法は簡単に学べなくてはならない。雑誌で発表された論文「Presence: Teleoperators and Virtual Environment」の中で、ビセスワール・ラー、ジェレミー・N・バーリンソン、アンドレア・スティーブンソン・ウォン、ジャッキー・O・ベイリーはバーチャルなユーザの胸から外側に伸びる三本目の腕をコントロールする三つのメソッドを定義した。
第一の方法は、ユーザの頭によって第三の腕を操作するものである。頭を回転させたり傾けたりすることで、直感的に腕を動かせる。研究者が「Bimanual」と呼ぶ第二の方法は、一つのコントローラーの水平回転と、別のコントローラーの垂直回転を組み合わせて腕の動作を入力する。そして「Unimanual」と呼ぶ第三の方法は、三本目の腕を動かすために一つのコントローラーを使う。
アバターの第三の腕を制御する方式の考察と呼ばれる論文で、各方式の有効性を示すために用意された実験の詳細が示されている。設定されたタスクは、マス目の中でランダムに変化する白い部分をタップすることだ。左腕は一つ、右腕は一つ、そして第三の腕によって離れたところにある一つのマスをタップすることになる。以下、論文のアブストラクトである。
没入可能な仮想環境に関する最近の研究では、ユーザは人間の身体を拡張したアバターを自分の身体として認識することができると分かっている。それだけでなく、新たな身体の部位を十分に機能させることさえできる。しかし、制御方式の違いによって追加された部位を使う作業の効率や身体感覚がどのように変化するかはまだ研究されていない。本稿では、新しいアバターの身体に適用される3Dインタラクションの理論と実践に基づき、制御方式の設計について論じる。三つの異なる制御方式(頭部による制御、Bimanual、Unimanual)について、タスクの処理効率、シミュレータ酔い、第三の腕の存在感、ユーザの好みの観点から第三の腕のコントロール効率を比較する。頭部制御とUnimanualが有意に速く、有意に高い身体所有感を引き出せ、Bimanualよりも好まれた。被験者はBimanualをUnimanualに比べてはっきりと困難だと感じ、また頭部制御に比べ扱いにくいと感じている。シミュレータ酔いに差はなかった。これらの結果について論じる。
結局のところ、VRの第三の腕というアイデアはある種のメタファーのようなものである。詳細に見れば、入力をどのようにコントロールに変換するかという問題だ。第三の腕という概念は、抽象的でありながら理解しやすいものだ。私たちは既に腕を持っており、それがどのように機能し、どのような点で優れているかを知っているからである。この研究はそれだけでなく、VR空間で既に利用されているレーザーポインターや視線に基づく入力にも容易に適用できるものだ。
参照元サイト名:roadtovr
URL:http://www.roadtovr.com/why-have-2-arms-when-you-could-have-3-stanford-studies-control-schemes-for-three-armed-avatars-in-vr/
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