ValveはVR体験をスムーズなものにするOculusのAsynchronous Timewarpへの回答として、新しいSteamVRベータ版をローンチした。


ValveはSteamVRの非同期描画に対応する更新を発表した。このバージョンはAMDのGPUに対応しておらず、NVIDIAでも新しいドライバが必要となる。


VR体験をスムーズなものにする、Oculusに使用される技術へのValveへの対応はここにある。


FacebookのOculusは、「Asynchronous Timewarp(ATW)」と呼ばれる技術を使用している。この技術は、ハードウェアがスムーズなVR体験を感じさせるために必要な描画速度を維持できない状況を補うものである。PCでは、秒間90フレームが必要となり、このレートを割り込むとVRは快適でなくなる。そのため、再描画として知られる技術が使用され、秒間90フレームを維持しようとしてきた。


Oculusは最近「Asynchronous Spacewarp(ASW)」と呼ばれる第二の技術を発表した。このアプローチにより、同社はRiftでの最小要件を公表できた。言い換えれば、これまでOculusはRiftを快適に動かすための「推奨スペック」を発表してきた。今回、ASWを利用するための「最小スペック」を追加した形だ。一例として、NVIDIAは140ドルで新たに発表したグラフィックカード「GTX1050 Ti」がこの最小要件を満たすかどうかを見積もっている。


グラフィックカードは、一般的にVR用コンピュータの最も高価なパーツである。ちょうど2年前、Oculus Riftの開発キット第二版を最大フレームレートで動かすために愛好家や開発者はグラフィックカードに700ドルを費やした。しかし、OculusによるASWの進歩によって最小要件を500ドル以下のPCで満たすことができると期待される。この低価格PCによって、VR導入のハードルが劇的に低くなるが、様々なソフトウェアがある中でどのようなの体験が提供されるかはいまだに不明である。


Valveは、その点で異なるアプローチをした。ViveヘッドセットによるSteamVRのために、同社のパートナーであるHTCはOculusがRiftのために推奨しているのと非常によく似た要件を推奨している。ValveがATWの代わりに実装した「Interleaved Reprojection」は、MacやLinuxで使われているものも含めてあらゆる最近のGPUで動作するとグラフィックプログラマであるAlex VlachosはUploadVRに対して語った。これはRiftがWindowsでのみ動作するのと対照的である。


OculusがATWと呼ぶ技術は数少ないGPUでしか動作せず、ASWはさらにその動作環境が厳しいものだ。我々は、ATWとよく似たAsynchronous Reprojection技術をまもなくリリースする」とメールに書いている。


Valveはまた、GPUベンダーと共同で「ハードウェア生成されたモーションベクトルを使用する」ASWのような計画を進めている。Valveから最低要件が打ち出されるということではない。


「現在、再描画に基づく最低要件を発表する計画はない。我々の目標は、高品質なVRを顧客に提供することであり、再描画技術は『コマ落ち』に対するセイフティネットである。最低要件はソフトウェアに依存するものであり、最低限のGPUがどの程度かはフレームレートに依存する」とVlachosは書いている。


OculusとValveの双方が認めるように、これらの技術には異なる欠点がある。不快感を与えてしまうかもしれない視覚要素がある。これが、Vlachosが書いている理由である。「ほとんどのVRソフトウェアは、再描画なしにネイティブ90fpsを顧客に届けるために推奨スペックを提案し続けている。我々は、フレームレートを高めるためにデベロッパーとともにエンジンの改善を続けていく」


参照元サイト名:uploadvr

URL:http://uploadvr.com/valve-oculus-atw-reprojection/


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 Valve、Asynchronous Timewarpに対する回答として新しいSteamVRベータ版をローンチ