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彼がモデレーターとして、本サミットの最後を飾る公演が開始されました。
Moderator
國光 宏尚
株式会社gumi 代表取締役社長
Panelists
青柳 直樹
グリー株式会社 取締役 執行役員常務
山上 愼太郎
株式会社コロプラネクスト 代表取締役社長
Amitt Mahajan
Presence Capital Founder and Managing partner
ご存じgumi代表、國光氏はAR/VRに早い段階から着手してきた一人。シリコンバレーをベースにVRファンドの設立をしています。
フジテレビとの業務提携をイベント当日にリリースしたグリー取締役の青柳氏は、「VR熱が高いアメリカに比べ、日本はまだまだ足踏みしているファウンダーも多いため、先行して投資をするにはいい時期」と語っています。
コロプラネクスト代表の山上氏は、ゲーム以外にも様々な産業に順応できるVRに対して、自社で開発・製造できないジャンルは投資という形で注力していくと話します。
そしてアメリカのファウンダー、アミット氏は、サンフランシスコを拠点に総額1600万ドルもの投資を達成しています。Zynga等を経て、十分なキャリアと先見性を持った人物です。
—-AR/VRって実際どうなの?
國光氏:「世界中の企業が参入中であるし、まだまだこの巨大なマーケットに参入してくる企業はある。そんななか、マジックリープという会社は、ARとVRを複合したMR(Mix Reality)に未来を描いている。」
—-マジックリープはほんとに実現できてるの?という以前にそもそもARの現状はどうなの?
アミット氏:「当然ARも大きな市場になり得るとは思う。リアルグラスでの実現が可能になれば。BtoBベースでは18ヶ月以内、消費者向けには3年~5年ほどの工数はかかるだろう。」
山上氏:「コロプラ内では「ARときたら詐欺と思え!」という教えがある。(笑) 将来的には可能かもしれないが、現状はまだまだ遠いと予想。とはいえ、本体では着手しなくとも、ファンド側ではウォッチ&マークはする。」
青柳氏:「優劣は特にないと思うが、単純にVRの方がエコシステムができつつある。スタートアップもVRの方がひとが集まっている。が、ARはまだ見えない部分が多いのが現状。」
—-ポートフォリオ式に見た今の投資概況
國光氏:下のレイヤーから、①インフラ②ツール/プラットフォーム③アプリケーション/コンテンツとなりますが、どうでしょうか。
アミット氏:「多くがプラットフォームに投資されている。デベロッパーがコンテンツを作らず、プラットフォームを作っている。私たちは生産性向上のアプリケーションに投資をしているが、3Dエンジンを作らないとまず広がらないのも確実。」
青柳氏:「下(のレイヤー)が埋まらないと上(のレイヤー)がなにもできない。標準ツール、ガイドラインがないので、ゲーム作るための投資金額がとても高い。なのにそれに対する出荷台数がまだ満たないため、躊躇する会社も少なくない。また海外ではコンテンツはお金にならないという意識が強い気がする。」
山上氏:「コンテンツを作る会社に必要なツール、コンテンツを作るツールがないと始まらない。よって、今はツール系に投資をしやすい状況。またエンタープライズ系にAR/VRの活用があり、日本ではもともとの産業があるので、他国より先を走れるかもしれない。」
—-投資先で素晴らしいところってどこ?してないところでもよい
アミット氏:「バオバブには投資しています。あそこは素晴らしい。ARのスコーピアにも投資している。インダストリアル向けのエデュケーションコンテンツを作ってる企業。マシンの上にレンチを表示するような技術を開発している。」
青柳氏:「VR CHATに投資している。没入感ある体験ができる。VR CHATでコミュニケーションができると、かなり興奮するし、使い続けていて楽しい、友達と使いたいと思ったコンテンツ。そのほかだと、投資はしていないけどNext VRは良い。スポーツ観戦の体験が全然違うもの。フジとの提携でNext VRを超えたい。」
國光氏:「Jauntが素晴らしい。ハイエンドな360コンテンツを出してる。」
—-大きな企業で決裁者に「Go」と言わせるにはどうしたらいい?
青柳氏:「シンプルに、キーパーソンにうんと言わせることが重要。なんだかんだ、体験させることが大切、GREE田中もそれで首を縦にふった。早くに高品質なものを体験してもらえることが大切だと思う。」
山上氏:「いま諸々そろってきたので、これからは動き出すんじゃないかなと思う。そうすれば大企業の偉い人も動き出すはず。」
—-アミットは、どうすれば投資してくれるの?
アミット氏:「素晴らしいチームであること。グリッドなこと。緊急対応ができること。グリッドとは、どんどん変わる市場に順応できること。そして忍耐力も必要。技術的なコンピテンシー(単なる技術ではなく、何ができるかを考える)どういったプロダクトを作るかを考えることも重要視している。」
—-日本のスタートアップが海外で成功するためにはどうしたらいい?
山上氏:「特に変わったことをする必要はないが、資金調達面でアメリカをうまく使ったほうがいい。」
青柳氏:「ファンドはアメリカのほうが圧倒的に多いが、アメリカ行かなければ勝てないということはない。ただしサンフランシスコ、LAにAR/VRの会社が集まっているので、日本だけにいてはシンプルに情報力では及ばないとも思う。」
—-モバイルVR ハイエンドVRはどっちが大きくなる?
アミット氏:「モバイルだと思う。リーチという意味でポータブルはとても強い。カジュアルな使い方ができるから。」
山上氏:「『ハイエンドのモバイル』だと思う。」
青柳氏:「2択でいえば、モバイルVRの方が使うひとは多い。ただモバイルVRができるためにはハイエンドVRが成功する必要がある。」
—-ゲームの開発は、ハイエンドともモバイルを分けた方がいい?それともハイエンド・モバイル両対応のほうがよい?
アミット氏:「一貫性ができれば、2017年あたりにはクロスプラットフォームができるのではないか。」
山上氏:「ハイエンドが先行し、そこからモバイルに移植されると考えている。」
青柳氏:「ハイエンド、モバイル療法を見据えてでクオリティが担保されたものが必要だと思う。」
國光氏:「それぞれ別々で作るべきだと思う。」
—-VRゲームをやるとしたら、何から始める?
アミット氏:「ポーカー。絶対カードゲームから始める。」
青柳氏:「VR ZONEみたいなイベント系。大変だとは思うけど。(笑」
山上氏:「クリアだけではなく失敗も体験として積み重ねられるものをやってみたい。」
—-どんな企業がユニコーンであると思う?
アミット氏:「VR adobe」
山上氏:「ゲームのプラットフォーム」
青柳氏:「VRソーシャルがくるのではないか。」
—-VR業界が乗り越えなくてはいけない壁
アミット氏:「ハードウェアが貧弱。アップルの施策がカギになるのではないか。」
山上氏:「絶対的にヒットコンテンツが必要。」
青柳氏:「パッションがあり、信じてる人が足りてない。うんと言わせる影響力のある人がいないので、創る人、出資する人がいまいち結びつかない。」
—-VRを担う、日本デベロッパーに言いたいこと
アミット氏:「私としてはインタラクションに至ってない。VRで今使ってる様々なものがどうなるかが明らかになってないので、それぞれが不十分だと感じている。」
山上氏:「どの産業にも必要なテクノロジーを実現したい。コロプラが全産業を取りに行きたい。」
国光氏:「話題になる2年前から動くことが必要。信じてやったかやらないか。サードウェーブを信じてすすむことが大切。」
青柳氏:「グリーとしては今後ともVRのムーブメントを大きくしていきたいと考えている。デベロッパー、ファウンダー全員が協力することがまだまだ重要だ。」
本セッションを通じて上がった主題は、日本と海外のVRに対する温度感でしたが、アメリカではプラットフォームやツールのレイヤー層が厚い分、アプリケーションがいまいちパワー不足という点、そして日本はVR参入に二の足を踏んでいる会社も多いがアプリケーション技術はアメリカには負けない技術がある点、これらはとても興味深いと感じ得ることができました。
一つ前に踏み出す人が少し増えるだけで、日本のVRマーケットは一気に膨らむのではないかと思うと、これからのVRに期待をせずにはいられません。
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