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今月3日より公開されている「たんけんひろば コンパスVR」は、国立科学博物館の親子向けの展示室「親と子のたんけんひろば コンパス」をモチーフに制作されたVR体験空間で、『仮想の「展示空間」を新たに設け、実際の標本や資料に基づく3Dデータを「展示」し、インターネットを通して、いつでもどこからでも自由に観察や体験ができるようにする』ことを目的としています。
株式会社NTTデータNJKが提供する「STYLY.biz」を活用したプラットフォームとなっており、
・一人称視点でバーチャル空間を自由に移動できる
・同時に複数の参加者が参加できるイベントが実施できる
・スマホ等のカメラ機能を使用しARとしての表現もできる
ことから、メタバースとしての展開も可能な仕様となっています。
また、VRゴーグルだけでなく、PCブラウザやスマートフォン、タブレットとマルチデバイスに対応したことで、より幅広いユーザーを対象に体験機会を提供することに成功しています。
国立科学博物館では”研究成果”や”標本”、”資料”を活用した『展示』や『イベント』を積極的に展開していますが、リアルな空間での展示手法には
・様々な理由で実際に訪問することが難しい方もいる
・収蔵庫からの移動が困難な標本や資料がある
・上下や背面、内部構造など自由な視点や距離からの観察ができない
といった課題がありました。
そこで、所蔵する標本や資料の更なる活用を推進するために、近年著しく普及が進むVRやARといった技術を活用した新しい体験をより多くの人に届ける試みが模索され、2020年には「おうちで体験!かはくVR」が公開されました。
「おうちで体験!かはくVR」は、上野本館の常設展示や過去に開催した一部の企画展示を3Dビュー+VR映像で体験できるサービスとなっており、実空間の展示をインターネットで楽しむことができます。
さらに、実施した展示のデジタルアーカイブという側面も担っています。
今回、新たな取り組みとして制作されたプラットフォームが「たんけんひろば コンパスVR」で、仮想の「展示空間」を新たに設け、実際の標本・資料に基づく3Dデータを「展示」し、インターネットを通して、いつでもどこからでも自由に観察や体験ができるようになっています。
「たんけんひろば コンパスVR」の入り口はVR空間上に再現された『日本館』で、この建物は国立科学博物館のシンボルであり、国指定の重要文化財にも指定されています。
内部には”ティラノサウルスの全身骨格”や”ニホンカモシカのはく製”といった『「親と子のたんけんひろば コンパス」に展示してある標本』だけでなく、通常は公開されていない『収蔵庫に保管されている標本』が展示されており、様々な角度から観察したり、手に取るように間近で見たりすることができる仕様となっています。
さらに、それらの展示物を用いて
・間内に隠された標本を見つけて並べ替える「動物ならべ」
・ウシやシカの仲間のツノと体を正しく組み合わせて展示を完成させる「このツノだれの?」
といった体験メニューも用意されています。
そのほか、ユーザーが自身のスマホやタブレットのカメラ機能を操作することで、はく製やツノをARコンテンツとして撮影して楽しむこともできます。
国立科学博物館では今回の取り組みを通じ、所蔵する実物標本や資料に基づく2D/3DのデジタルデータをVR空間で積極的に活用することで、どのように新たな体験や学びを提供できるか、また様々な創作へのインスピレーションなどといったこれまでにない活動を生み出すことができるかということを、実践を通して検証し、標本や資料の新たな活用ならびに価値の創造を目指したいとしています。
国立科学博物館の親子向け展示室「親と子のたんけんひろば コンパス」がVR空間に再現され、”ティラノサウルスの全身骨格”や”ニホンカモシカのはく製”を観察したり、ARで撮影したりすることができるプラットフォーム「たんけんひろば コンパスVR」が3月3日より公開されています。
もうすぐ始まる春休み、お家に居ながら国立科学博物館の展示品を観察できるなんて、子供を持つ親の救世主となりそうな予感を感じるニュースですね。
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