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ナイアンティック社の発表によると、今回の資金は仮想通貨およびブロックチェーン業界を中心に活動する大手投資会社Coatueから調達したものです。
また、ナイアンティック社の評価額は90億ドル(約1兆円)に到達したことも明らかにされました。
発表の中で、同社はまた、既存のタイトル全体で月間アクティブユーザーが「数千万人」いるとしています。
しかし、この巨額の資金調達に成功した要因としては、ナイアンティック社の実力の他に、Meta(旧Facebook)がきっかけによるメタバースへの注目度の急上昇が挙げられます。
CoatueのゼネラルパートナーであるMatt Mazzeo氏は、次のようなコメントを発表しました。
ナイアンティック社は、コンピューティングの次世代において重要な役割を果たすと思われる世界の3Dマッピングに基づいてARのプラットフォームを構築しています。
このインフラストラクチャが現実世界のメタバースを後押しし、インターネットの次の進化を促進するのに役立つと考えているため、ナイアンティック社と提携できることに興奮しています。
ナイアンティック社は位置情報ゲームを超えて、豊かな拡張現実に満ちた未来にとって重要であると信じている世界規模のフレームワークの実現を目指してきました。
「ポケモンGO」と「ピクミン・ブルーム」のような位置情報ゲームプレイに主に焦点を当てる一方で、完全なAR体験を提供するためのツールと技術を長年構築しています。
11月初め、同社はLightshipプラットフォームをリリースしました。
これはAR開発者に世界規模のARアプリケーションを構築するための基盤となります。
同時に、Metaやマイクロソフトとも異なる、「バーチャルな世界がフィジカルな世界につながる」ことができる「現実世界のメタバース」という構想も明らかにされました。
関連記事:「ポケモンGO」のNiantic社がAR開発プラットフォームを世界展開へ!約23億円の投資も
今回の資金調達にあたり同社の創設者兼CEOジョン・ハンケ氏は、次のように述べています。
これには才能、テクノロジー、想像力の多大な投資が必要です。Coatueが私たちと一緒にこの旅をしていることに興奮しています。
これらの他にもナイアンティック社には、独自のARデバイス開発をするという野心があることが見て取れます。
以前同社が披露したHoloLens2でプレイする「ポケモンGO」のプロトタイプのデモンストレーションにおいて、独自のシースルーヘッドセット開発のビジョンを垣間見ることができました。
メタバースというとMetaばかりが注目されていますが、ナイアンティック社もメタバース実現に向けて活発に動いています。
現時点でNFTや仮想通貨がナイアンテック社のメタバースに関係することは明らかではありませんが、メタバース内の経済圏構築にこの2つは欠かすことのできない要素です。
その意味で、今回の資金調達が仮想通貨およびブロックチェーン業界に影響力のあるCoatueによるものであることは注目に値するのではないでしょうか。
VR企業のメタバースが現実と隔絶したものであるのに対し、ナイアンティック社のメタバースは現実世界とつながり「より現実の経験を向上させる」ものであることから大きな独自性が見られます。
とはいえ、より楽しい徒歩移動がコンセプトの「ピクミン・ブルーム」が高齢者や障がい者など歩行困難者を置き去りにしているとの声があるように、ARベースのメタバースにもまだ改善点があるようです。
現時点においてもナイアンティック社のメタバース構想は十分に魅力的なことは間違いないので、より多くの人が快適に楽しく利用できるメタバースの実現に向けて注力して欲しいですね。
ソース:ニュースリリース
参考:Niantic Raises $300M Investment at $9 Billion Valuation to build “real-world metaverse”[Road to VR]
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