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「Microsoft Mesh」とはマイクロソフトが2021年3月に発表した、「Azure」を活用した開発者向けのMRフレームワークです。
Meshを利用することによって、複合現実(MR)の中で遠く離れたユーザー同士がミーティングをしたり、3Dコンテンツを共有できるようになります。
また利用できるデバイスも、マイクロソフトのHoloLens2だけでなく、PC、スマホやHTC VIVEをはじめとした他社のVRゴーグルとマルチに対応しているのが特徴です。
今回のMesh for Microsoft Teamsは、Microsoft Meshの複合現実機能と、Teamsの生産性ツールを組み合わせたものになります。
これまでのビデオ会議では自身のプライバシー保護などのためにWebカメラをオフにするスタッフが多くいましたが、会議への積極性を高めるにはカメラをオンにして顔出し参加することが有効です。
この問題を解消するために、新しいTeamsでは3Dアバターを使ってビデオ会議に参加することができるようになります。
カメラをオンにする代わりに3Dアバターとして参加することによって、プライバシーを保ったまま積極的なコミュニケーションが可能です。
このほか、仮想空間上の会議スペースで3Dアバター同士でミーティングを行うこともできるようになります。
このミーティングでは。共有ドキュメントで共同作業したりできるTeamsの機能を活かして、空間上にPower Pointなどの資料を表示したプレゼンテーションやブレインストーミングが可能です。
マイクロソフトはMeshを利用することによって企業や団体がメタバースを導入できるようになると訴えます。
仮想空間上でユーザー同士が関わり合うメタバースは90年代初めから考えられており、決して最新の概念というわけではありません。
しかし、VRやMRといった技術が一般消費者でも利用できるようになってきた昨今、具体的な取り組みとして急速に勢いをつけているのが現状です。
マイクロソフトのMR部門を率いてきたAlex Kipman氏は、MeshとTeamsの融合を「メタバースの入り口」と表現しています。
さらに、「Teamsの2億5,000万のユーザーに、リモートワークやハイブリッドワークの新たなアプローチを提示できる」とビジョンを語りました。
マイクロソフトが、同社にとって「メタバースの入り口」と位置付けられるMesh for Microsoft Teamsを発表しました。
ビデオ会議のほかMicrosoft 365製品の互換性があるTeamsはすでに大企業のユーザーを抱えています。
そのため、Mesh for Microsoft Teamsは企業向けメタバースの有力な担い手となると考えられます。
メタバースに積極的な企業といえばMeta(旧:Facebook)です。
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Metaの志向するメタバースは一般ユーザーに向けたものであり、企業向け中心にメタバースを展開するマイクロソフトとは競合しないように思われます。
しかし、Metaもすでにビジネス向けに、ZoomとFacebookの両方のビデオチャットが利用できる仮想コラボレーションプラットフォーム「Horizon Workrooms」を発表しました。
ビジネス向けメタバースで生じた大企業同士の競合がどのように向かうのか、今後のメタバース分野の動向を見ていく中で大きく注目されるところです。
ソース:マイクロソフト ニュースリリース
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