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ViveCon2021では大方の予想通り、HTCの2つの新しいVRヘッドセットVivePro2とViveFocus3が発表されました。
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VivePro 2はNVIDIAおよびAMDと緊密に連携することによってVRヘッドセットとしては初めてのディスプレイストリーム圧縮を利用しています。
そのため、
・5Kの解像度
・120Hzのリフレッシュレート
・120度の超広角FOV
など最高品質のビジュアル性能を実現しています。
また、ViveFocus3も120度の超広角FOVを備え、57mmから72mmで利用可能な最大のIPD範囲を誇るほかにも、
・従来より20%軽量化
・ヘッドセットの強度が500%向上
・周囲の環境音を維持しつつ音漏れを防ぐデュアルドライバースピーカーを搭載
などエンタープライズ向けに最適化されている一体型ヘッドセットです。
このように2つのVRヘッドセットにはそれぞれ多くの技術が組み込まれています。
画像:VR Focus
しかし、どちらのヘッドセットにもアイトラッキングはデフォルトの機能として搭載されているわけではありません。
この事実はテック系メディアに困惑をもって受け止められました。
2019年には中国のスタートアップ7invensun社が開発したDroolonF1視線追跡モジュールがViveCosmosに対応しており、また、VivePro Eyeでも利用可能だったからです。
VivePro 2に関しては消費者市場と企業市場の両方を橋渡しするため、コストを抑えることは理解できます。
さらに、実際にアイトラッキングを使用するコンテンツはほとんどありません。
他方、一体型デバイスのViveFocus 3に関しては分析とトレーニングのユースケースが存在します。
しかも、純粋に視線追跡が最も適用可能なエンタープライズ市場を対象としており、アイトラッキングの重要性は高いはずです。
そんな中、HTC China社長のAlvin Wang Graylin氏は、ViveCon2021の基調講演の場ではなく自身のTwitterで、7invensun社のDroolonF2視線追跡モジュールが拡張機能として利用できることを明らかにしました。
2021年第3四半期に299USドル(約3万2,800円)で顧客に提供されることになるとのことです。
DroolonF2視線追跡モジュールの価格が149USドルで販売されているDroolonF1の2倍であること以上に注目されたのが、DroolonF2が「ほとんどの市場」で利用可能になるという点です。
これまで7invensunの技術は主に中国市場向けであり、DroolonF1にしても全世界に展開するとされながら結局北米とヨーロッパに届けられることはありませんでした。
そうなると、今回のDroolonF2はヨーロッパと米国のViveユーザーが簡単にアイトラッキング機能を利用できる初めての機会となる可能性があります。
いずれにしてもVive Focus3とPro2の所有者は、アイトラッキング機能が追加されたのを見つけるまでに数か月待つ必要があるようです。
VRデバイスにとってアイトラッキングは、
パフォーマンスを向上させる固定中心窩レンダリング(FFR)
アバターの進化
より自然なインタラクション
詳細な眼球運動データ分析
などを実現する重要な機能です。
しかし、ViveCon2021で発表されたVivePro2とViveFocus3にはデフォルト機能としては搭載されていません。
より専門性の高いユーザーなどには拡張機能として提供されることになりました。
現状高度なアイトラッキングを必要とするVRソフトウェアがないことによる方針だと思われますが、この選択が新しいVRヘッドセットの売れ行きにどのように作用するか注目です。
今後のVRヘッドセット開発におけるアイトラッキング機能の重要性を作用するのではないでしょうか。
参考:Eye Tracking Is Coming To Vive Focus 3 &Vive Pro 2 Q3 2021[VR Focus]
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