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今回行われた実証実験は、中央大学国際情報学部_iTL_の斎藤ゼミ(国際情報演習Ⅰ)の授業内で実施されたもので、VR英語教育学習プラットフォーム「immerse」を利用した英語授業が、Ed Tech×英語ゼミを担当する斎藤裕紀恵准教授の指揮のもとで昨年冬~今年にかけて行われています。
「immerse」では、仮想バーチャル世界で英会話を学習することが可能で、授業前後には一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)協力のもとで、TOEIC Speaking Testにて定量的な学習効果の測定が行われたほか、授業後には評価項目を分けた定性的なアンケートも実施されています。
本実証実験ではこれらの結果を用いて、バーチャルでの語学学習がもたらす「心理的不安の軽減」が、英語スピーキングの伸びに影響がでる可能性について検証されています。
本実証実験ではまず、参加学生たちがレベル別に2グループに分かれ、それぞれのレベルに適したレッスン内容が、グループレッスンのスタイルで約1ヶ月半実施されています。
VR英語授業の前と後には、IIBC協力のもとでTOEIC Speaking Testを受験し、その結果をもって
「VRにおける英語学習のスピーキング能力上昇による影響の因果性」
を検証し、また授業実施後に受講学生を対象に実施したアンケートで、定性的かつ定量的な測定を行っています。
実験後のアンケートでは
「ジェスチャーや表情がわからない」
「酔いを感じる」
などの客観的なフィードバックが寄せられており、最新のHMD「Oculus Quest2」に対応させることで、
「指の動きなどの細かいジェスチャーへの対応」
「移動方法の改善による酔いの軽減」
などが実現されています。
今回の実証実験の結果を受け、斎藤裕紀恵准教授により、参加学生の情意フィルター(言語学習の心理的な不安感)の軽減や授業後の英語学習モチベーションへの寄与に関して、以下のようにまとめられています。
Immerse VR体験後
これまで、VR導入は情意フィルターを軽減する可能性が言われているが、VR授業実施前と実施後に行った外国語教室不安(Foreign Language Classroom Anxiety)に関するアンケート調査の結果では「外国語の授業で話しているときは、緊張して混乱する」等の項目がVR実施前と実施後では低下し、「外国語のクラスで話すときは自信がある。」
「語学の授業ではプレッシャーを感じない。」
等の項目の上昇が見られた。
またVR体験後の自由回答欄には
「メンバーそれぞれの顔がアバターになっているので、話しやすかった。」
「仮想世界だからこそ、作られた状況に没頭しやすい。そのため、自信を持って話すことができるようになる。」
「VRでのレッスンを受けることで、実際のシーンを視覚的にも聴覚的にも感じることができる。」
等、これまで先行研究の結果同様にVRでの英語授業が情意フィルターの低下、視覚的な没入体験、VR、モティベーション上昇に寄与したことが伺える。
引用:プレスリリース
またTOEIC Speaking Testを利用した定量的効果検証の結果から、テストの提供・分析に協力をしたIIBCの三木耕介氏が以下のようにまとめています。
実証実験前後のTOEIC(R) Speaking Testスコアから推察される、英語コミュニケーション能力の比較分析を行ったところ、半数の学生について、能力が上昇した可能性が高いことが確認されました。
また、その中の一部の学生に関しては、「論理的に話す」「課題を解決する」といった、ビジネスでも求められるような力を習得された可能性も見受けられました。
今後、VRをはじめとするテクノロジーを活用した学習方法が大学英語教育における一つの手段として発展することを期待しております。
引用:プレスリリース
中央大学斎藤ゼミの英語授業にて、VR英語教育プラットフォーム「immerse」を利用した実証実験が実施されました。
この実験では、VR授業による「心理的不安の軽減」が英語スピーキングの伸びに影響がでる可能性について検証されており、英語スピーキングに対する不安・恐れの軽減や学習意欲の上昇が確認されています。
言語は実際に人と話して慣れていくことで身に付くものですが、VRを利用すれば、いろいろなシーンでの英会話に慣れていくことが容易にできそうですね。
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