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「Tilt Brush」とはVR空間の中で自由に立体的なアートを作り上げることができるVRアプリです。
空間全体をキャンバスにするという自由度の高さとHTC ViveやOculusQuestなどほぼ全てのVRデバイスで利用できることで、アーティストからVR初心者まで幅広い層に親しまれVR初期にヒットしたアプリの一つと言われています。
もともとインディースタジオのSkillman&Hackettによって作成され、2015年に同社がGoogleに買収されて以降はGoogleが中心となって展開してきました。
米国時間1月26日、Googleは公式ブログにおいて「Tilt Brush」の積極的な開発の中止を発表しました。
今後Googleによるアップデートは行われることはありませんが、ユーザーはGitHubを介してTiltBrushコードにアクセスできるようになり、誰でも独自の機能やカスタマイズを作成できるようになります。
ライセンスの制限のために特定の機能を削除する必要がありましたが、Googleはそれらを手動で追加する方法についての指示も提供しました。
また、今後も「Tilt Brush」はVRアプリストアで入手可能であるとのことです。
「Tilt Brush」の共同作成者Patrick Hackett氏は
これはTilt Brushの終わりのように見えることがあるかもしれません。しかし、私にとっては不滅のものです。
というコメントを残しています。
Googleが提供するVRアプリでは最もユーザーに親しまれた「Tilt Brush」ですが、それでも最近では開発がかなりスローなペースとなっていました。
その傾向はGoogleがVRプラットフォームDaydreamの展開に熱心に見えた2、3年前からすでに始まっています。
Daydreamは2019年に廃止された以降、この流れは顕著になりGoogleはVRへの関心をあからさまに低下させました。
ソフトウェアエンジニアのTimAidley、およびプログラムマネージャーのJon Corralejoは
私たちは有用で没入型のAR体験を構築し続けているので、Tilt Brushを手に取ってアーティストをサポートし続けたいと思っています
と公式声明で述べていることから、今後のGoogleのXR事業がARを中心に展開していくことが考えられます。
Googleが「Tilt Brush」の開発終了とオープンソース化を発表しました。
「Tilt Brush」といえばVR初期から最も成功したVRアプリのひとつであり、日本国内でもVRアーティストのせきぐちあいみさんをはじめとしてユーザーが多いVRアプリのひとつです。
最近ではGravity Sketchも無料ソフト化されたことから、VRアートの裾野が人がっていくことも考えられます。
そのため、オープンソース化された後どのように展開していくのかが注目です。
また、GoogleのXR事業はAR分野を中心に展開していくことが示唆されています。
この点についても注目していきたいですね。
参考:Google Ends Support Of ‘Tilt Brush,’ Software Now Open Source[VR Scout]
参考:Google公式ブログ
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