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「Acer OJO(読み方はO-ho) 500」は、Acerが現在発売中の「Acer Windows Mixed Reality ヘッドセット」の後継機種となるデバイスです。
8月31日(金)よりドイツ・ベルリンで開催される世界最大の家電見本市、IFA 2018に先立って行われたプレス向けのイベントにて発表されました。
「Acer OJO 500」では、デバイスのデザインが全面的に刷新されており、レンズが着脱可能である点が特徴です。これによってレンズやデバイス内部の掃除が容易になります。
ユーザーの視界に応じてレンズの位置がピッタリ合うように瞳孔間を調節することも可能で、ヘッドストラップ後部のツマミを回せば、頭部のフィット感を手軽に調節することもできます。
現在発売中のWin MRデバイスの多くがそうですが、ディスプレイ部分を上部に跳ね上げられる「フリップアップ機能」も搭載しています。これによって、デバイス装着したまま電話に出たり、人と話す時もいちいちデバイスを外す必要がありません。
また、「Acer OJO 500」では2種類のヘッドストラップが用意されています。硬いストラップと柔らかいストラップとの2つが利用可能で、柔らかいほうは洗濯機で洗えるとのことです。
「Acer OJO 500」ではオーディオ機能も大幅に改善されています。デバイスにはスピーカーが内蔵されているため、ヘッドフォンやイヤホンを装着しなくてもスピーカーから直接音が聴こえてきます。ちょうどOculus Goと同じ仕組みのようです。
硬いほうのヘッドストラップには、Oculus RiftやHTC Vive Proのようなヘッドフォンが付属しているので、より高い没入感を求めたい場合にも対応しています。
また、手持ちのヘッドフォンやイヤホンを差し込んで使用することも可能で、こちらは柔らかいほうのストラップに付け替えることで利用できます。
様々な利用シーンに応じたオーディオ機能を使用できる点が、「Acer OJO 500」の大きな特徴となっています。
「Acer OJO 500」のスペックに関しては、Acerや他のメーカーが既に発売しているWin MRデバイスのスペックと同程度です。
2.89インチのLCDディスプレイを2枚内蔵しており、2,880 x 1,440の解像度での映像表示が可能です。リフレッシュレートは最大で90Hzでの描画に対応しており、視野角は100度です。Win MRヘッドセットの視野角はほぼ共通して95度となっているため、若干広くなっています。
また、各社のWin MRデバイスに共通していることですが、デバイス内部のカメラを通してインサイド・アウトのトラッキングが可能であるため、HTC ViveやOculus Riftのように、外部にトラッキングセンサーを配置する必要がありません。
このため、デバイスをPCに接続するだけでセットアップが完了するため、持ち運びが可能で、場所を選ばずに手軽に使える点がメリットです。
「Acer OJO 500」はレンズが脱着可能であるため掃除がしやすく、またセットアップも手軽であることから、おもにアーケード施設などでの利用が想定されます。
先日、大ヒットしたVRリズムゲーム「Beat Saber」のアーケード施設向け筐体が発表されましたが、使用するヘッドセットはWin MRです。手軽に利用できる利便性と比較的低価格であることから、おもにエンタープライズ向けの普及が考えられます。
「Acer OJO 500」の発売時期に関しては、2018年11月から米国と欧州にて発売開始することが明らかになっています。
価格に関しては、米国では399ドル(約4万4,000円)、欧州では499ユーロ(約6万5,000円)と、地域によって価格差があります。
また、Win MR用のモーションコントローラーが同梱されたバージョンも発売される予定ですが、こちらに関しては現在のところ価格、発売時期ともに未公表となっています。
日本国内での発売に関しては現在明らかになっておらず、続報に注目されます。
Oculus RiftやHTC ViveなどのハイエンドVRデバイスに比べて、Win MRは性能面では若干落ちますが、セットアップが手軽で低価格であるため、ライブや公演での使用時など、様々なユースケースがあります。
「Acer OJO 500」はこうしたWin MRデバイスの長所を踏まえながら、オーディオ機能の改善や掃除のしやすさなどの改良が加えられているため、これまでのVR体験がより手軽で便利になりそうです。
現在、アーケード施設にもVRコンテンツの導入が進んでいますが、Win MRの普及によって、こうした施設においてのVRの導入がより進みそうです。
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