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「DMM VR」は、舞台やライブ、ホラーやグラビアなど様々なジャンルのVR動画を閲覧することができるサービス。スマートフォンをはじめOculusRift、HTC Vive、プレイステーションVR(PSVR)、Windows Mixed Reality…と、ほとんどすべてのVRデバイスに対応している。収益はダウンロード課金で、各VR動画をダウンロードする際に課金が発生する仕組みだ。
このヒットは「DMM VR」だからこそなのか、それともVR動画に需要があるのか?この記事では、VR動画プラットフォームビジネスについて紹介したい。
もともとアダルトコンテンツの配信を行っていた「DMM.com」だからこそ、「DMM VR」においてもアダルトVRコンテンツを扱っている。
アダルトコンテンツはそもそも男性の本能に訴えかける力が強い。ビデオデッキやインターネット、携帯電話に至るまで、最新デバイス普及の裏にはアダルトコンテンツの影響があった…と言われるくらいだ。
VRの臨場感によってよりリアルなアダルトコンテンツが実現するとなれば、鑑賞したいと思う男性は少なくない…それが、「DMM VR」飛躍の一因となっていることは否めないだろう。
では「DMM VR」はアダルトだけなのか…というと、そうではない。ミュージカル「刀剣乱舞」のVR映像や人気コミック「進撃の巨人」のVR映像など、人々が「観たい!」と思うVR映像が多く取り揃えられている。
つまり、人は「観たい」と思うVR動画コンテンツのためならお金を払ってくれるのであり、お客さんが「観たい!」と思ってくれるVRコンテンツを揃えることができれば、VR動画配信プラットフォームビジネスに勝機はあるのだ。
では、どんな動画ならお客さんが「観たい!」と思ってくれるのか…。その参考になるのがYoutubeの配信。Youtubeで配信されている動画の中で人気の動画は、インターネットで動画を見たいと思う人の「観たい!」がそのまま反映しているからだ。
ただ、Youtubeで人気の動画をそのままVR化しても意味はない。VR化することで通常の動画よりも価値がアップする動画をVR化するということが重要だ。
たとえば、VR化することで通常の動画よりも価値がアップするひとつが、レシピ動画。
料理レシピはレシピ投稿サイト「クックパッド」が示すように、動画コンテンツが今ほど普及する前からネットユーザーに人気のコンテンツ。ただ、料理を作るにあたってレシピ情報や説明だけでは上手く作れないというユーザーが一定数存在した。フライパンの振り方や細かい温度調節のタイミングなど、料理には、文章化しきれないコツが多数存在するからだ。
こうした「文章レシピだけではわからない」という不満点を解決したのがレシピ動画。レシピ動画は、調理者の目線から手元をしっかり映す作りになっていて、こと「自分も作る」という前提においてはテレビの料理番組よりもさらにわかりやすく構成されている。
とはいえ、通常の動画である以上視界が制限されるため、レシピ動画のわかりやすさにも制限がある。この制限を解決してくれるのが、360°見回してチェックできるVR。つまり、レシピ動画はVR化することで価値がアップするコンテンツだといえる。
レシピ動画に限らず、実際に体を動かす必要があるハウツー系の動画であれば、VRによって価値をアップすることが可能だ。Youtubeで人気動画を漁りつつ、VR動画かすることで学習効率がアップしそうなジャンルを探してみるといいだろう。
仮に配信するVR動画のネタが見つかったとしても、動画を配信するプラットフォームを用意するとなると、規模の大きさにしり込みしてしまうかもしれない。確かに、自社でVR動画配信プラットフォームを丸ごと作るのは相当な労力が必要だ。
しかし、VR動画がカンタンに作れるだけでなく、配信まで行ってくれるソリューションは、既に存在している。中には決済機能などマネタイズ手段まで提供しているものもあるため、労力や導入コストを抑えてVR動画配信プラットフォームビジネスを開始することが可能だ。
リコーのThetaなどで撮影した360°動画をアップロードするだけで、配信可能な状態にしてくれるサービスが有限会社ジャプロの「Jazy. 360 VR-Web Viewer」だ。
課金機能などのマネタイズ機能は用意されていないものの、作成したVR動画を自社のWEBサイトなどに張り付けることができるため、別途マネタイズサービスと連携したり、Adsenseのような広告サービスを使うことでマネタイズに繋げることができるだろう。
【製品データベース】
Jazy. 360 VR-Web Viewer
制作からマネタイズまで、VR動画事業をフルサポートしてくれるCMSサービスが、株式会社VRizeの「VRize Video」。
VR動画ではなく、VR動画アプリの構築を行い、マネタイズ手段としては同社が手掛けるVR特化型アドネットワーク「VRize Ad」と連携することが可能。
VR動画事業にガッツリ取り組みたいという時にうってつけなサービスだ。
【製品データベース】
VRize Video
成功するかどうかわからないから、まずは軽くVR動画配信プラットフォームを立ち上げたいという場合に有用なのが、株式会社Filmuyの「Filmuy」だ。
「Filmuy」はオンラインでカンタンに動画販売サイトが開設できるサービスで、無料で気軽にスタートできる。動画販売方法が柔軟で、月額制、個別課金、ダウンロード販売などといった形式が選べるのが魅力だ。
非VRの動画の販売プラットフォームを作るためのサイトだが、VR動画の販売にも対応している。
【製品データベース】
Filmuy
株式会社ハコスコはスマホ向け紙製VRゴーグル「ハコスコ」を手がけているため、オリジナルのスマホ向け紙製VRゴーグルとセットで、VRコンテンツの配信が可能な仕組みが用意されている。
ゴーグルのプリントが不要という場合、同社の「ハコスコCDS」を利用することで、VRコンテンツの配信のみを行うことが可能だ。
【製品データベース】
VRプロモーション
「DMM VR」が順調に利用者を増やし、VR普及が進んでいるとはいえ、まだまだVRを利用したことがないという人は多い。
つまり、VR動画は「これからのビジネス」といえる。このため、既に一般に普及しきった非VR動画市場にこれから参入することを考えれば、VR動画市場への参入の方が勝算は高いといえるだろう。
ただ、「これからのビジネス」であるために手探りの面も多く、なるべくコストを抑えてビジネスを展開したいところ。そんな時、今回のVR動画オーサリングサービスは適したサービスではないだろうか。
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