Appleが開発・提供する空間認識が可能なARプラットフォームARKitは、ヒトとリアルなモノの関係を大きく変える可能性を秘めており、その変化の兆候はリリースされるARKitアプリに見て取れる。そうした変化は、リアルな玩具にも起きている。ブロック玩具最大手レゴは、レゴ作品にAR的視覚効果を加えるARKitアプリ「Lego AR-Studio」を公開した。このアプリを使えば、今まで想像することでしか見ることができなかったレゴの世界が現実となる。



想像していたレゴの世界が現実に



「Lego AR-Studio」とは、スマホのカメラから見たリアルに作ったレゴ作品に対して、視覚効果をAR表示するアプリである。言葉で説明するよりも、海外メディアGizmodo UKがYouTubeにアップしたデモ動画を見たほうがわかりやすい(上の動画参照)。


デモ動画にあるように、同アプリを使えば、リアルに作ったレゴロボットとAR表示された炎をはくレゴドラゴンを戦わせたりレゴシティのなかにARレゴトレインを走行させることができるのだ。


同アプリにはARのレゴ作品が表示されているスマホのディスプレイを画像あるいは動画で保存できる機能を実装しているほか、ARレゴトレインの走行スピードを操作するとうようなARレゴ作品に関する個別的な機能もある。


なお、現時点ではiOS11にアップデートしたiOSデバイスで利用できることを予定しており、Androidスマホへの対応は不明だ。またリリース日と価格も不明だが、近日中に無料でリリースされるのではないだろうか。


XRテクノロジーを吸収するレゴ



「Lego AR-Studio」に関して、レゴグループのクリエイティブ・プレイ・ラボのヴァイス・プレジデントTom Donaldson氏は、以下のようにコメントしている。


わが社は、未来の遊びを予測する最善の方法は、未来の遊びを発明することだと信じております。


Lego AR-Studioは、子供がリアルなモノとデジタルなモノに同時に関わって、想像力をかきたてるような遊びの可能性を切り拓いています。このアプリは、リアルとデジタルを結合して子供に創造的で楽しい遊びを提供する手段のひとつなのです。


同氏のコメントから分かるように、ブロックというリアルな玩具を扱うレゴ社は、デジタルという新しい遊びのフィールドを自社の主力商品に取り込もうとしているのだ。


同社の最新テクノロジーを吸収する動きは、ARに留まらなない。マレーシアにある同社のテーマパークでは、先日からVRコースター「the Great Lego Race」が稼働している。同コースターは、VRヘッドセットを装着してVR動画を視聴しながらジェットコースターに搭乗するアトラクションである(上の画像参照)。


レゴは、時代とともに進化しているのだ。


ブロックとARは相性がいいらしい



デジタル的に存在するブロック作品をリアルな世界のなかで見たいという欲望に応えるアプリは、「Lego AR-Studio」のほかにも存在する。


例えば、「Tayasui Blocks」はもともとはデジタルブロックをタブレットの画面で組み立ててブロック作品を作るアプリなのだが、デジタルブロック作品をリアルな世界を背景にしてAR表示する機能が追加された(上の動画参照)。


AirCraftによるアート作品


AirCraft」は、ドローンを使って空撮した画像に対して、ブロック状のオブジェクトをAR表示できるという珍しいアプリだ。ドローンの空撮画像の中に、まるで「マインクラフト」のようにブロックを積み重ねることができる(上の画像参照)。


ARは子供の遊びを変える?


VRを子供に勧めることが難しい理由は多々あるが、VRヘッドセットを装着してしまうと、親や保護者から見て子供が何を見ているか理解するのが難しいということがある。


対してモバイルARアプリは、そのアプリで遊んでいる子供が何を見ているか、親や保護者にすぐ分かるというVRにはない利点がある。玩具に応用するには、VRよりARのほうが相性が良いのかも知れない。


ソース:Pocket-lint


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 レゴ作品にAR的視覚効果をたすARKitアプリ「Lego AR-Studio」が登場