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同メディアによると、スタートアップのLooking Glass Factoryは、裸眼でホログラム・オブジェクトを操作できるデバイス「HoloPlayer One」のデモ動画を公開し、同デバイスの予約受付も開始した。
ホログラム・オブジェクトを操作できるデバイスと言って真っ先に思い出すのは、Microsoftが開発しているHoloLensであろう。HoloLensは、ユーザの頭部に同デバイス本体を装着すると、レンズ越しにARオブジェクトがユーザの視線の前に現れ、そのARオブジェクトをユーザのジェスチャーで操作できるものである。このように動作するHoloLensによるAR体験は、当然ながら裸眼で実現するものではない。
HoloPlayer Oneが実現する「裸眼によるAR体験」とは、ちょうどノートPCの平面ディスプレイを見るようにして、同デバイスのディスプレイ部分を見ていると空中に浮かぶARオブジェクトが表示され、そのARオブジェクトをユーザのジェスチャーで操作できる、というものだ。言葉で説明するより、実際に同デバイスを使用しているデモ動画を見れば、一目瞭然である。
HoloPlayer Oneは、言ってみればノートPCをデスクの上で使うような感覚で、HoloLensを使ってできるようなARオブジェクトの操作を実現した「ノートPCとHoloLensのあいだ」に位置づけられるデバイスなのだ。
HoloPlayer Oneが動作する仕組みには、リ・イメージング技術とフィンガートラッキング技術というふたつのテクノロジーが関わっている(下の画像参照)。
同デバイスのオブジェクトは、実は同デバイス下部にある平面ディスプレイに表示されている。そのディスプレイ上のオブジェクトが放つ光は、透明なシートとディスプレイに対して垂直に立てられたフィルムへの反射を経由して、ちょうどディスプレイの真上の空間に焦点を結び立体的に見えるようになっている。このディスプレイからの光を、ディスプレイの真上の空間に再構成する技術がリ・イメージング技術である。
ユーザが空間上に表示されたARオブジェクトを操作する時は、ユーザの指の動きをIntelが開発したトラッキングカメラ「RealSense™ SR300」でトラッキングする。このトラッキング情報をARオブジェクトが本来表示されている平面ディスプレイに反映させることによって、ユーザが立体的にARオブジェクトを操作しているように見せているのだ。
なお、同デバイスは原則としてPCに接続して使用する。接続するPCに要求されるスペックは「ミドルクラス」以上とされており、CPUがIntelのCore i7に相当すれば問題なく動作する、とのこと。同デバイスが実行しているグラフィック処理は、結局のところ平面ディスプレイに表示しているだけなので、VR Ready PCのような高性能のGPUは必要ないようだ。
同デバイスは、開発元のLooking Glass Factoryの公式サイトから予約可能となっている。予約は、開発版またはプレミアム版のなかから選んで行う。
開発版は、HoloPlayer One本体のみが入手できるエディションで、予約価格は$750(約¥84,000)。同デバイスに接続するPCはユーザが用意する必要がある。
プレミアム版は、同デバイスを動作させることに最適化したハイスペックPCが実装されたスタンドアロン型のもので、予約価格は$3,000(約¥337,000)。
どちらのエディションも2018年4月の出荷を予定している。
ちなみに、同社CEOのShawn Frayne氏によると、製品版をリリースするまでにはあと1~2年は要する、とのこと。
同デバイスの開発版は、HoloLensに近いAR体験を実現しながら、$750という安価であることが非常に魅力となっている。同デバイスのメインユーザはクリエイターと想定されるので、そうしたユーザ層はたいていミドルクラス以上のPCを所有していると考えられる。それゆえ、導入に要するトータルコストも$750となるので、ハイスペックARデバイスの選択肢として十分通用するだろう。
反対にプレミアム版の価格が$3,000とHoloLensと同額となっているので、やや魅力に欠けるように見えてしまう。
同デバイスが市場およびユーザに受け入れられるかどうかは、価格と機能に加えて、使用できるアプリの充実度が関係してくる。今後、同デバイスの対応アプリが多数開発されれば、HoloLensのライバルとなることも十分に考えられるだろう。
ソース:UploadVR
https://uploadvr.com/holoplayer-one-interactive-lightfield-display-bringing-holograms-home/
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