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HTC ViveやOculus RiftといったPCベースのVRヘッドセットで利用可能な『Bigscreen』は人気のソーシャルアプリ兼バーチャルスクリーンアプリだ。PC用ゲームやコンソールゲームをVR空間に表示したバーチャルスクリーンで遊んだり、バーチャルシアターで友人と一緒に映画を見たりといった用途が考えられる。
これまでBigscreenのアプリ内で利用するコンテンツは各ユーザが持ち込んだものだったが、将来的にはバーチャルシアターで新作映画を見ることもできるようになるかもしれない。Bigscreenはパラマウント・ピクチャーズとの提携を発表しており、海外メディアUpload VRはパラマウント以外にも同社と交渉中のスタジオがあることを確認したという。
Bigscreenでは以前からVR空間に持ち込んだバーチャルスクリーンを他のVRユーザと共有する機能が利用できたが、用意されているVR空間の環境はリビングや個人用シアタールームのような小規模なものだった。そこに、今年の夏に実施された大型アップデート(Cinema Update)で追加されたのがシアターだ。
巨大なスクリーンの前に多数の座席が並んでおり、映画を視聴するには特に適した環境だ。ただ外観が映画館になっただけではなく、座席に配置された観客役のNPCや映像が表示されると落とされる照明によって本物の映画館を訪れたような感覚が楽しめる。
もちろん、この巨大スクリーンを映画ではなくゲームのために使うことも可能だ。
今回発表されたBigscreenとパラマウント・ピクチャーズとのパートナーシップにより、バーチャルシアターで『トップガン』を見られるという。パラマウント側の目的は、トップガンのブルーレイ発売をプロモーションすることだ。
ただバーチャルシアターで映画を見られるだけでなく、他のユーザとその空間を共有できることがポイントとなる。本編上映前の予告編が存在する、席に座るユーザ同士がコミュニケーションすることができるなど、実在する映画館のように使うことができそうだ。
Upload VRはパラマウントの他にもBigscreenと交渉中のスタジオがあると伝えている。リアルな映画館を必要としないバーチャルシアターでの上映は、ファンが映画を楽しむための新しい形態となっていくかもしれない。
Oculus Connect 4で発表されたOculus Venuesでは、最大1,000人ものVRユーザが同時にライブイベントに参加可能だという。2人から4人程度の少人数でのマルチプレイに留まらず、多数のユーザが参加できるVR空間でのイベントも技術的には可能になりつつある。
今回パラマウントが行うようなバーチャルシアターでの映画上映も、期待されるバーチャルイベントの一種だ。VR技術を使えば、本物の映画館と同じように大きな画面で映画を楽しむことができる。
リアルな箱を必要としないため、過去の作品やマイナーな作品を上映することが可能なのも、コアな映画ファンには嬉しいところだろう。
こうしたバーチャルシアターを利用するVRユーザが増えれば、旧作だけでなく最新作を視聴することもできるようになるかもしれない。
映画の他にも、VR空間で利用可能なエンターテインメントコンテンツはある。
アーティストのライブや、スポーツの中継などもそうだ。従来のエンターテインメントとVR技術が融合することで、新たな楽しみ方が生まれていくだろう。
最近ではイベント会場に行けない・入りきれないファンのためにライブビューイングが行われることも多い。会場までの距離が遠いファンにはありがたいライブビューイングだが、自宅からVRで視聴できればより便利になりそうだ。
映画はレンタルや購入よりも映画館へ行って見たい、という映画ファンは珍しくない。リアルな大スクリーンや重低音が目当てならば本物の映画館を訪れる他ないが、映画館の雰囲気が楽しみたいだけであればバーチャルシアターの利用も視野に入ってくるのではないだろうか。
バーチャルシアターで視聴できる作品が多くなれば、毎日のようにバーチャルシアターで別の作品を見ることも可能になるだろう。作品を見てくれる観客数を増やしたい映画業界にとっても、気軽に映画館気分を味わいたい消費者にとっても、VRという新たなチャンネルは有効に働きそうだ。
参照元サイト:Deadline
参照元サイト:Upload VR
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