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VRゲームに限らず、テレビゲームの操作には手を使うのが一般的だ。指でボタンやスティックを操作したり、タッチ操作に対応する画面やタッチパネルを触ったり、あるいはモーションセンサーやジェスチャ認識機能によって直感的に操作が可能なハードウェアも存在する。
しかし、「3dRudder」を使えば足による移動操作が可能になる。3dRudderは、主にキャラクターの移動や回転といった動作での利用を想定して開発されたVR用コントローラーだ。VRゲーム用途はもちろん、VR空間で3DCGを使ったエンジニアリングを行うときなどにも活用できるデバイスである。
VR空間で足を使って歩行が可能になる他のデバイスと比べると小型で場所を取らず、価格も控えめなこの3dRudderの価格が改定され、以前の179ドルよりも40ドル安い139ドル(1.6万円)で販売される。
VRゲームのプレイ中にキャラクターを移動させる方法は、指定した場所へのワープ移動かアナログスティックを使った自由移動が一般的だ。ワープ移動の方が視点のブレが少なく酔いにくい傾向はあるものの、最近のVRゲームでは移動時の処理に関するデベロッパーの工夫によってVR酔いが起きにくくもなっており、より自由にVR空間で行動できる作品も増えている。
ハンドトラッキングコントローラーを使うゲームでは、コントローラーに搭載されたアナログスティックが移動操作に使われる。だが、手の動きについてはコントローラーの位置をトラッキングしてくれるのに、移動は一般的なテレビゲームから変化していないというのは寂しい。
この状況を変えてくれるのが3dRudderだ。プレイヤーは椅子に座り、このコントローラーに足を乗せた状態でプレイする。コントローラーを「踏み込む」「回転させる」ことでゲームを操作するのだ。
足を使って動かすという性質上、キャラクターや乗り物を移動する操作を3dRudderに割り当てると直感的にプレイできるだろう。体重をかけて傾けることでその方向に歩く、回転させると乗り物が方向転換するといった操作が可能になる。
過去のアップデートで踏み込みの強さによってアクションを変更することも可能になっているため、軽く踏めば歩いて移動し、一定以上の力で踏み込むことでダッシュするといった操作も可能になっている。スタミナに制限があって走り続けることができないゲームや、足音を立てないように歩いて移動するシーンがあるゲームでは使い分けが重要になりそうだ。
この3dRudderはフランスの同名企業3dRudderが開発し、2016年に発売した。価格は発売以来179ドル(2万円)だったが、今回の価格改定によって139ドル(1.6万円)へと値下げされた。
これはブラックフライデーに合わせた期間限定のセールなどではなく、通常販売価格の引き下げである。
購入は同社のオンラインストアから行えるのだが、日本向けのストア(日本語で利用できる)には3dRudderをRhino 3Dに対応させるためのCADプラグインしか製品が掲載されていない。このプラグインを利用するには3dRudder本体が必要なのだが、同梱されているわけではないようなので日本向けのストアは準備中なのかもしれない。
北米・ヨーロッパ向けのストアでは3dRudder本体も扱われている。価格は139ドル/139ユーロなので、日本円に換算するとアメリカ向けストアの方が少し割安になる。
プレイヤーがVR空間を自分の足で移動できるようにすることを目指すデバイスは、3dRudderだけではない。むしろ移動操作のリアルさでは「Virtuix Omni」や「Kat Walk」のようなトレッドミル型のデバイスの方が上だろう。Virtuix Omniに関しては、国内でも購入できる。
ただ、これらのデバイスを一般家庭に設置するのは難しい。サイズが大きいので広いスペースが必要になり、利用するたびに片付けるのも手間になってしまうだろう。価格も4.5万円(Kat Walkのクラウドファンディング時の価格)や問い合わせ(Virtuix Omni)などとなっており、VRアーケードのようなエンターテインメント施設向けのデバイスだ。
3dRudderは実際に足を動かして歩くことのできるデバイスではないが、手ではなく足を使って操作することができるのが特徴だ。デバイス本体が比較的小さく、価格も安めなので個人でも購入・使用しやすい。
普段からテレビゲームをするプレイヤーはコントローラーを使った操作に慣れているが、そうでない消費者はアナログスティックを使った移動に馴染みがない。VRアーケードで初めてテレビゲームを体験するようなユーザでも、こうした歩行用デバイスがあれば直感的にVR空間を移動することができそうだ。
3dRudderは比較的小さいため、ゲーム以外の用途でも使いやすそうだ。手を使わずに3DCGを操作することで作業効率を上げたいデザイナーなどへの普及も考えられる。
参照元サイト:VRFocus
参照元サイト:3dRudder
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