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10年前ならばデバイス同士をケーブルで接続してデータをやり取りするのは当然のことだったが、最近ではほとんどのデバイスが無線通信に対応するようになっている。
携帯電話(スマートフォン)だけでなくゲーム機同士の通信もワイヤレスだ。音楽を聴くときにもBluetoothに対応したヘッドホンやイヤホンが珍しくはなくなっており、充電まで非接触で行うことが可能なデバイスもある。
VRヘッドセットはワイヤレス化の流れに取り残されていると言えるかもしれない。モバイルVRヘッドセットや独立型のVRヘッドセットならばケーブルとは縁がないが、PCベースのVRヘッドセットを使うにはパソコンとの有線接続が必要だ。
HTC Viveとパソコンを接続するケーブルは、コントローラーやユーザの足に引っかかってVR体験を妨げることがある。TPCastは、Viveをワイヤレス化してこの問題を解消するアダプタを開発した。過去に一部の国で販売されたことのあるこのワイヤレスアダプタが、北米で予約可能になっている。
TPCastはアメリカとカナダからの予約受付を開始した。TPCast公式のストアの他に、Amazon.comとNeweggでも取り扱われるようだ。
ただし、Amazonでは現在注文することができない状態となっている。TPCast以外の業者から出品されているものはあるが、公式の出品は購入できない。
また、Neweggでは予約が可能だが1人が注文できる数は2個までに制限されているようだ。こちらはTPCastではなく、Neweggが出品者となっている。
価格は公式サイトで299ドル(3.4万円)だ。Neweggは299.99ドルとなっており、Amazonでは注文できない状態のため値段が表示されていない。
発売の時期について、Neweggは11月20日としている。一方Amazonでは12月15日だ。
Road To VRは早ければ11月24日と伝えており、実際には11月の終わりから12月にかけての発売・発送になるとみられる。計画通りに進めば、クリスマスまでにワイヤレスアダプタを受け取ることができそうだ。
TPCastは9月にも、北米地域での予約受付を開始したことがある。9月25日からマイクロソフトストアにワイヤレスアダプタが掲載されて予約注文が可能となっていたのだが、何らかの理由によってすぐに予約の受付は打ち切られてしまった。
同時に予約受付を開始したヨーロッパ地域では発売に至っているので、アメリカ版の製品に限定される何らかの不具合が見つかったか、アメリカでの販売代理店とのトラブルがあったのだろうか。
前回はマイクロソフトストア以外の店舗で予約受付が行われていなかったが、今回は公式ストアやNeweggでも扱われているので販売にこぎつけることができそうだ。
TPCastのワイヤレスアダプタを使えば、HTC Viveをワイヤレス化できる。価格は3.4万円とVRアクセサリとしては高額だが、ケーブルを気にすることなくVR体験を楽しめるのは大きなメリットになるはずだ。
ワイヤレス化において気になる映像や音声の遅延についても、非常に小さい(TPCastによれば2ミリ秒以下)とされている。無線通信を行う以上は使用場所の電波状況に依存するが、1フレームを争うe-sports用途はともかくカジュアルなVRゲームや映像コンテンツを楽しむには十分だろう。
昨年末の中国、今年に入ってはヨーロッパでの発売を経て、ついにアメリカとカナダでもHTC Viveをワイヤレスで使うことが可能になる。
今回予約の受付が開始されたのはHTC Viveをワイヤレス化するためのアダプタだけだが、TPCastは同様にOculus Riftをワイヤレス化するアダプタの開発にも取り組んでいることを発表している。
こちらの発売時期も2017年の末を目指しており、Overclockers.co.ukには既に予約注文ページが存在する。しかし、北米地域での販売については計画が発表されていない。
以前にアメリカ向けにも予約が開始されたことのあるTPCastのワイヤレスアダプタだが、いつの間にかマイクロソフトストアからページが削除されてしまっていた。今回はTPCastやAmazonにも商品ページが作成されており、アメリカのViveユーザもようやくワイヤレスアダプタを入手することができそうだ。
中国発、ヨーロッパ、アメリカと販売地域を広げているTPCastのワイヤレスアダプタ。国内では、株式会社アスクが来年2月に発売を予定している。
参照元サイト:Road To VR
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