今月もHTC Viveが最大勢力を維持しているが…?


11月に入り、Steamが毎月実施しているハードウェア調査の結果が発表された。今月発表された10月の統計データによれば、先月よりもさらにSteamユーザ内でOculus Riftのシェアが増加しているという。


しかし、最も多く使用されているVRヘッドセットはHTC Viveだ。両者のシェアは非常に近い数字になっており、HTCとOculusの争いはどちらも大きなリードを得ることがないままクリスマス・年末商戦へと突入することになりそうである。


Steamのハードウェア調査


ViveとRiftの差はわずかだ


Oculusが逆転?


11月に発表された10月の統計情報によれば、HTC ViveとOculus Riftのシェアの差はわずか1.15%となっている。


HTC Viveは48.76%で最大勢力の立場を維持しているものの、先月の50.16%よりもシェアが減少して過半数を割り込む結果になった。Oculus Riftのセール期間中も過半数を保っていたが、ついにシェアが50%を切ってしまった。


対するOculus Riftは46.87%から47.61%へとシェアを伸ばしている。単独でのVive超えには至っていないが、Oculus Rift DK2(製品版が登場する前の開発者向けモデル)も3.28%のユーザに利用されている。製品版とDK2の合計は50.89%となり、HTC対Oculusの構図で見ればついにHTCを抜いたことになる。


VRヘッドセット使用率が低下


今回の調査では、Steamユーザ全体から見るとVRヘッドセットを使っているユーザの割合が低下していることも示している。


先月の調査では全体の0.38%が何らかのVRヘッドセットを接続していたが、今月は0.25%に割合が低下した。


Steamハードウェア調査への参加は任意なのでたまたまVRヘッドセットの保有者が参加していないことも考えられるが、PCゲーマーへのVRヘッドセットの普及は進んでいないのだろうか。Steamに新たに登録した非VRユーザが多かったのかもしれない。


Oculus Riftの躍進は止まる?続く?


サマーセール時の価格が通常価格になってしまった


Oculus Rift対HTC Vive


OculusのRiftとHTCのViveはいずれもパソコンに接続して使うタイプのVRヘッドセットであり、SteamでVRゲームを購入・プレイするユーザのほとんどがそのいずれかを利用している。今回のSteamハードウェア調査によれば、96.37%のVRヘッドセットオーナーがViveまたはRiftを使用しているのだ。


毎月Valveが行うこの調査では、SteamユーザがどのようなマシンでSteamを利用しているかを知ることができる。CPUのクロック数やGPUのメーカー、ディスプレイがタッチ操作に対応しているかといった情報が収集・公開の対象だ。


Oculus Riftは長くHTC Viveに次ぐ2番手という立場だった。その理由としてはRiftの発売時にOculus Touchが存在しなかったことや、Viveと並ぶ高価格デバイスだったことが挙げられる。また、Oculus独自のストアで購入できるコンテンツが充実しているためにSteamを利用していないユーザもいるだろう。


Oculusの努力


Oculusは地道にRiftのシェア拡大に努めてきた。


昨年の12月にはHTC Viveに同梱されるワンドコントローラーと同様のハンドトラッキングコントローラーOculus Touchを発売し、今年に入ると価格改定によってViveに対する優位性を獲得している。さらに、パッケージのリニューアルに伴ってTouchが別売のアクセサリから同梱のコントローラーへと格上げされた。


これまでにもOculus Riftのシェアは微増が続いていたが、今年の7月に行われた調査から状況が変化し始めた。Oculus RiftがHTC Viveの首位を脅かすようになったのだ。


サマーセールの実施


きっかけとなったのはOculusが実施したサマーセールだ。Oculus Storeで販売されるVRコンテンツの値下げに留まらず、OculusはRiftを当時の通常価格よりも200ドル安いセール価格で販売した。


このセールによって、8月には一気にOculus Riftのシェアが増加した。この勢いは9月に入っても止まっておらず、10月の統計ではHTC Viveを抜くことも考えられた。しかし、ユーザの増加ペースは緩やかになっているようだ。


DK2との合計では過半数を獲得したものの、製品版のOculus Rift単独でHTC Viveを超えるほどのシェアを獲得するには至らなかった。


サマーセールの終了


Oculus Riftのシェアの伸びが落ち着いた大きな理由は、サマーセールの終了だろう。10月に入ってセール期間が終了し、Riftの価格が引き上げられた。セール前よりは安くなっているが、夏のセールにRiftを購入しなかった消費者がホリデーシーズンの前に通常価格で購入するとは考えにくい。


10月の中盤には通常価格の引き下げが発表されたが、値下げ後の価格はサマーセール時の価格と同じだ。金額に差がないため、セール開始時に比べると購入への大きな後押しとはなっていないと考えられる。


HTCが初めてViveの値下げを行ったことで、Viveを選ぶ消費者が増えていることも影響していそうだ。


 


参照元サイト:Steam

参照元サイト:Road To VR


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 Steamハードウェア調査でRiftのシェアが微増。単独ではViveが最大勢力を維持