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このプロジェクトは開始直後から大きな人気を集めており、最終的にどれほどの額が集まることになるのか、注目されていた。そして先日、このプロジェクトがついに目標額の10倍にあたる200万ドルを達成したのだ。
Pimax 8Kはその名の通り、両目で8Kという高解像度を可能にしたVRヘッドセットだ。
片目の解像度が3840×2160(4K)というデュアルLCDパネルを採用している。
たとえば、コンシューマ向けハイエンドVRヘッドセットであるPSVRの片目解像度が1920×1080である、これと比較すればPimax 8Kがいかに高い解像度を備えているかは一目瞭然だ。現在、プロダクトリリースが予定されているヘッドセットの中でも、最も高い解像度を備えているヘッドセットのひとつである。
高解像度化なヘッドセットがあれば、単純にイマーシブコンテンツをより良く楽しむことができるようになる。
しかし高解像度化の恩恵はそれだけではない。Kickstarter上でPimaxは、8Kもの高解像度を実現したことで、ユーザーは「スクリーンドア効果」に煩わされずに済むようになるとコメントする。
「スクリーンドア効果」とは、ディスプレイ上のピクセル密度が低い、低解像度VR端末でしばしば生じる現象だ。映像にいくつかの格子状の線が入っているように見えてしまうため、VRの没入感を低減させる大きな要因として問題視されていた。
だがPimax 8Kはそうした問題とは無縁となったようだ。
Pimax 8Kは、十分な広さの視野角(FOV)を確保することにも成功している。
人間がもつ平均的な視野角は220°。しかし、既存のハイエンドVRヘッドセットは、いずれもその半分程度の視野角までしか確保することができていなかった。PSVRの視野角は110°となっており、ほかのHTC VIVEや、Oculus Riftといった代表的なヘッドセットもこれとほぼ同じだ。
だがPimax 8Kの視野角は200°だ。既存のVRヘッドセットと比較して、ユーザーは一度に広範囲のVR空間を見渡すことができる。このためシーンの移動に合わせて、首を回す頻度を抑えることが可能となっており、より現実空間に近い動きでVR空間を体験することが可能となっているのだ。
Pimax 8Kは2017年9月10日に目標金額を20万ドルに設定して資金募集を開始した。
しかし開始からわずか数時間で20万ドルを、さらには半日で50万ドルの調達に成功し、約1週間後には100万ドルを獲得することとなった。
そして2017年10月24日現在、あと10日の締め切りを残しつつも、総額214万7309ドルが集まっている。
集まった資金額に応じて、ストレッチゴールも次々に設定されてきた。ストレッチゴールで設定されているアイテムのほとんどが、VRヘッドセットのアタッチメントや予備品だ。
まず、50万ドルに達成した時点でアンロックされたのが「予備のVRヘッドセット用フェイスクッション」だった。
次に100万ドルを達成した際には「標準的なヘッドストラップからイヤフォン付きのヘッドストラップへのアップグレード」が特典としてサービスされ、また100万ドルではオプション品の「度付きVRバイザー+ヘッドセット冷却用ファン」の付属がそれぞ決められてきた。
いずれもVRコンテンツを楽しむ際の快適性を向上させるのに欠かせない、便利なアイテムとなっている。
そして今回、200万ドルを突破したことで「ワイヤレストランスミッション用の100ドルクーポン」が添付されることとなったようだ。
ワイヤレストランスミッションがあれば、Pimax8KをハイエンドPCと接続する際に、有線接続をする必要がなくなる。いわばスタンドアロン型ヘッドセットに近くなる、というわけだ。
より快適なVRエクスペリエンスを獲得するためには、必須のガジェットといえるだろう。
なお、今後もしも250万ドル、300万ドルに到達した場合、「ゲームやアプリケーションなど厳選された3つのVRコンテンツ」、「アイトラッキング」がそれぞれアンロックされることになっている。
残り期間の間にこれだけの資金を調達できるかは不明だが、可能性は十分残されている。
Pimax 8Kに興味はあるけれど、まだ資金提供をおこなっていないという人は、早めに出資しておくといいだろう。
残り10日間の動向に引き続き注目していきたい。
参考URL:
PIMAX, Kick Starter, VRFocus
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