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Valveが運営するSteamはPCゲームやPC用ソフトウェア、動画コンテンツなどが販売される巨大なプラットフォームだ。HTC ViveやOculus RiftといったPCベースのVRヘッドセットでプレイするゲームを購入するプラットフォームとしても、多くのユーザに支持されている。
Steamを運営するValveは、SteamVRの新機能としてローカルに保存されたVR動画の再生が可能なSteamVR Media Playerを追加した。まだベータバージョンだが、SteamVRベータに参加しているユーザはダウンロードが可能となっている。
Steamはゲームを購入するストアとしても便利だ。
Steam以外のストアや各ゲームの公式サイトでゲームを購入したとしても、ダウンロード版のPCゲームではSteamキーが発行されるだけということもある。Steamキーを入力することでゲームがライブラリに登録され、Steamからダウンロードされるのだ。
デベロッパーはゲームの販売にSteamを利用することで売上の管理やダウンロードサーバの管理から解放され、ゲームの開発に集中できる。プレイヤーにとっても、Steamクライアントでゲームを一括管理できるのは大きなメリットだ。
しかし、Steamはただのゲームストアではない。Steamにアクセスするためのクライアントには複数の機能がある。
ゲームを起動するために使うだけでなく、音楽ファイルを読み込ませてメディアプレイヤーとして使ったり、オンライン対応のゲーム内でフレンド登録したユーザとチャットしたりといった用途にも対応する。
このSteamクライアントから起動できるVR用ソフトウェアSteamVRには、HTC ViveやOculus Riftを使ってPCでVRコンテンツを利用するユーザのための機能が揃っている。
Steamは今年の5月10日、ビデオストアにVRビデオのカテゴリを追加した。ゲームと同様に360度動画をストアで探して購入し、Steamライブラリに登録することが可能だ。
ここからライブラリに登録した動画を再生するために使われるのがSteam 360 Video Playerである。Valveが公式に提供するVR動画のプレイヤーであり、無料でダウンロード可能なソフトウェアだ。
VR動画の再生はこのプレイヤーで行うこともできるのだが、Steam 360 Video PlayerにはSteamライブラリに登録した動画しか再生できないという欠点がある。
全ての動画をSteamのライブラリに登録して管理しているならば問題はないが、管理を一元化できているユーザは多くないだろう。Steam以外のストアから購入したり、無料でダウンロードしたVR動画もあるはずだ。
今回のアップデートにより、マシン内に保存したVR動画をSteamVRから再生することも可能になった。
SteamVR Media Playerの操作にはキーボードとマウスまたはハンドトラッキングコントローラーを用いる。ファイル操作を行うエクスプローラ機能でマシン内のストレージやネットワークドライブに保存した動画を探し、サイズ変更も可能なウィンドウで再生することが可能だ。
VR映像の表示形式は録画に用いたデバイスや編集ソフトウェアによって様々であり、統一が進んでいない。SteamVR Media Playerは6種類のオーディオフォーマットと4種類のビデオフォーマットに対応している。
具体的には、モノラル、ステレオ(左右/右左、上下/上下)、アナグリフの音声とバーチャルスクリーン、180度映像、360度映像、魚眼映像に対応しているという。
SteamVR Media Playerはまだベータバージョンであり、SteamVRの基本機能として統合されているわけではない。動画のファイルフォーマットは非常に多いため現時点では対応していないファイル形式も存在するが、今後のアップデートでさらに対応形式が追加されていくと思われる。
SteamVRのデスクトッププレビュー機能か『Bigscreen』のような別のアプリ経由でWindowsマシンのメディアプレイヤーを操作する方法もあるが、SteamVR Media Playerが進化すればVR環境で簡単に動画を再生するためのソフトウェアになるはずだ。
SteamVRの掲示板ではこの機能に対する意見が募集されているので、バグに気づいた場合や対応フォーマットなどの要望がある場合は書き込みをしてみるとバージョンアップで対応されるかもしれない。
参照元サイト:Steam
参照元サイト:Road To VR
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