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カードやルーレットを使う現実のカジノと異なり、オンラインカジノではソフトウェア内部の抽選結果によってゲームに参加するプレイヤーの運命が決まってしまう。カジノのソフトウェアが外部からの攻撃に対する脆弱性を抱えていれば大変な問題になってしまうので、オンラインカジノを運営する企業やカジノにゲームを提供する企業は常に最新の技術に対応していなければならない。
また、最新技術はプレイヤーを楽しませるためにも有効だ。カジノでギャンブルに参加する利用者の多くは負けることになるが、ゲームが楽しいものであればたとえ負けてもまた遊びたいと考えるだろう。もし演出がつまらないものであれば、一度損をしたら二度と利用してくれないかもしれない。
オンラインカジノのシステムやゲームに投資を行ってきたカジノが今投資している技術は、VRだ。VRInsideでも過去に登場したVRカジノを紹介したことがあるが、業界の潮流からするとさらにVRサービスを導入するカジノが増えそうだ。
オンラインカジノの歴史は、今から20年以上も前まで遡ることができる。1994年頃に始まったインターネット経由のギャンブルは、たちまち人気を獲得した。
ブラウザ経由でアクセスするオンラインカジノがリアルのカジノと同様の感覚を提供するとは言い難いが、むしろテレビゲーム感覚でプレイできることがウケた面もあるのかもしれない。ギャンブルをしているという意識を持たずに、リアルマネーを賭けたゲームをすることができるようになったのだ。
この新しい娯楽が誕生するきっかけとなったのは、カリブ海諸島のアンティグア・バーブーダがウェブ上でカジノを開きたい企業にライセンスを提供したことだ。リアルのカジノと同様に正規のライセンスを得ているオンラインカジノであれば、利用者も安心して遊ぶことができる。
「実は確率がコントロールされているのでは」「いくら勝ってもゲーム内のチップを現金に交換してもらえないかもしれない」と不安を感じる必要はない。
日本では至る所にパチンコ店があり、公営ギャンブル施設もある。だが、国と地域によっては賭博施設が近くにないか、国内に合法的な賭博施設が存在しないことすらあり得るのだ。
オンラインでゲームができるという特徴は、利用者がギャンブルのために遠く離れたカジノを訪れる必要がないことを意味する。オンラインカジノは、リアルでギャンブルをする機会が無い潜在的な利用者や、あるいは頻繁にカジノに行くことができないギャンブラーを取り込むことに成功した。
オンラインカジノが登場したばかりの頃には、インターネットに接続できるスマートフォンなど発明されていなかった。だが、今ではiPhoneやAndroidスマートフォンを使っていつでも、どこからでもオンラインカジノにアクセスできる。
スマートフォンの処理性能も高くなっているので、電波状況さえ安定した場所であればパソコンと同じか大きく劣ることのないゲームプレイが可能だ。パソコン向けのオンラインカジノで人気があるゲームアプリの多くは、スマートフォンにも移植されている。
アプリの軽量化のために多少演出が寂しくなることはあるかもしれないが、ギャンブルの本質はパソコンでもスマートフォンでも変わることがない。
インターネット回線の高速化とデバイスのモバイル化によってオンラインカジノで可能となったのが、ルーレット、ブラックジャック、バカラ、あるいはポーカーといったテーブルゲームだ。
これまでオンラインカジノでプレイできるのは一人プレイ用のスロットマシンやコンピュータが相手となるブラックジャックであり、人間のディーラーとやり取りできるゲームを作るのは難しかった。しかし、技術の発展は本物のディーラーを相手にするライブゲームを可能とした。
プレイヤーの行動に応じてディーラーが対応するライブゲームは、さらにオンラインカジノの利用者を増やすことになった。
次世代のゲーム機として注目されるVRヘッドセットに向けて世界的なゲーム会社の多くが既にVRゲームを提供しているか、ゲームの開発に取り組んでいる。VRゲームとして新たに発表されたタイトルだけでなく、『グランツーリスモ』『バイオハザード』のような有名シリーズからもPSVRに対応する作品が発売された。
販売されているVRゲームにはレースやホラー、FPSだけでなくスロットやカジノで行われるテーブルゲームをモチーフにしたものも含まれている。こうしたゲームでリアルマネーが扱えるようになれば、それは単なるゲームではなくカジノの領分だ。
オンラインカジノにゲームを提供するプロバイダのMicrogamingやNetEntはVRゲームの開発に取り組んでいる。NetEntはコミカルなキャラクターと巨大なジャックポットが人気のスロットゲームGonzo’s QuestのVRバージョンを開発しており、同タイトルを提供するオンラインカジノでは近くVRバージョンが利用できるようになるかもしれない。
Gonzo’s QuestのようなスロットゲームのファンにとってもVR化は嬉しい知らせだが、それ以上に大きな影響を受けそうなのがテーブルゲームだ。
ルーレットやバカラのテーブルがVRでリアルに再現されれば、そこでゲームをするのは本物のカジノでテーブルに着くのと似た体験になるだろう。オンラインカジノ利用者の多くはモナコやラスベガスの有名なカジノでゲームをする機会が無いので、彼らにとってはそこが本物のカジノだ。
他のプレイヤーとのコミュニケーションが可能なVRアプリケーションでは、好みに合わせて外見をカスタマイズしたアバターを使うのが一般的だ。
VRカジノアプリでも、将来はアバターが使われるようになるだろう。利用者はアバターを通して、ディーラーや他のプレイヤーとともにバーチャルなカジノで過ごすことができるようになる。
オンラインカジノでは、掛け金の総額や連続での予想的中といった条件でアンロックされる限定のプロフィールアイコンなどを提供していることがある。VRカジノでも、特定の実績やチップとの交換でアバターをカスタマイズできる衣装や小道具を提供するカジノが出て来るかもしれない。
VRカジノの分野で先行している企業としては、複数のプラットフォームに対応するポーカーアプリを提供するCasino VRやリアルマネーを賭けられるVRカジノを運営するSlotsmillionがある。
だが、この2社だけが特別なわけではない。他のゲームプロバイダやカジノ運営企業もVRへの投資やアプリの研究を行っているので、VRでサービスを提供するカジノは増加していきそうだ。
参照元サイト:Virtual Reality Reporter
参照元サイト:VR Room
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