マイクロソフトが人気ソーシャルVRプラットフォーム「AltspaceVR」の買収を発表

ソーシャルVRプラットフォーム「AltspaceVR」がマイクロソフトによって買収されたことが発表された。

AltspaceVRは無料のソーシャルVRプラットフォームとして人気を集めていたものの、資金調達が上手くいかなかったため、2017年7月28日にはプラットフォームが一時的に閉鎖されてしまっていた。

波乱万丈なAltspaceVRの動向に注目が集まっていたが、昨日、2017年10月3日にサンフランシスコで開催されたWindows Mixed Realityのイベントにおいて、マイクロソフトの一員になるというアナウンスが出されたのである。

「AltspaceVR」の概要

「AltspaceVR」とは？

AltspaceVRは1ヶ月あたりのユーザーログイン数が数万人とされる、人気のソーシャルVRプラットフォーム。

コンシューマー向けVRヘッドセットであるHTC ViveやOculus Riftが発売されるより前である、2015年から稼働しているサービスで、現存するVRコンテンツの中では非常に早期から登場していたものの1つだ。

AltspaceVRを使うことにより、VR空間内でユーザーはアバターを介して友人らと「Holograms Against Humanity」といったゲームをプレイしたり、メンバーとの定例ミーティングに参加したり、チャットを楽しんだりできる。

この他にもジュークボックスで音楽を聴く、ペイントで落書きを楽しむといったアクティビティも用意されており、またコメディアンのDrew CareyさんやReggie Wattsさんといった有名人のゲストが招待されるイベントも定期的に開催されている。

対応するVRヘッドセットはGoogle Daydream、Samsung Gear VR、HTC Vive、Oculus Riftなど。ただしこれらのヘッドセットを所有していない場合でも、Androidでアプリをダウンロードしてモバイルビューの2Dモードでアクセスし、イベントに参加することも可能となっている。

現在ユーザーは160カ国以上から集まっており、国際的なソーシャルプラットフォームとして拡張を続けている。

閉鎖から復活発表へ

人気を集めていたAltspaceVRだったが、先述のように、資金難から2017年7月28日には一度閉鎖を余儀なくされてしまっている。しかしその数週間後、8月15日にはAltspaceVRへの資金提供がおこなわれたことが発表され、プラットフォームの復活が告知されたのである。

この時点では資金提供元を含めて復旧プランの具体的な詳細については明かされておらず、続報が待たれていた。しかし今回の発表を鑑みると、謎に包まれていた資金提供者の正体はおそらくマイクロソフトだった、ということになりそうだ。

AltspaceVR買収の理由

しかしなぜマイクロソフトはAltspaceVRを買収したのだろうか。

マイクロソフトブログには次のような文章が記載されている。

「AltspaceVRは、VR上で160を超える国々から会議、コメディーショー、ヨガ教室、ダンスパーティー、そしてNBC主催の大規模イベントに参加する人々をVR空間上で1つに結びつける、イマーシブ・コミュニケーションのパイオニアの1つといえます。AltspaceVRチームと共に、私たちは世界中でも傑出したMixed Realityコミュニティを創り上げていくことを楽しみにしています」

ここで、AltspaceVRの買収がAR・VRプラットフォームであるWindows Mixed Reality headsetsに関するイベントの中で発表されたことに注目するべきだろう。

ASUSやDellなど有力PCメーカーが次々にリリースしているWindows Mixed Reality headsetsによって、マイクロソフトはAR・VRの新たな時代を切り開こうとしている。

その過程で人々のVRコミュニティを創り上げ、盛り上げていくことの重要性をマイクロソフトが認識し、AltspaceVRはその役目を果たす最良のソーシャルアプリだと判断されたのであろう。

イベントはこれまでどおり開催される？

マイクロソフトの買収によってAltspaceVRがどの様に変化するのか、また結局復活の時期はいつになるのか、詳しいことはまだ明らかにされていない。

AltspaceVR内で特に活況を見せていたのは、なんといってもコミュニティイベントだ。コメディアンによるイベントはもちろん、LGBTをテーマとした会議やBill Nyeさんをパーソナリティに迎えた科学についての集まりなども度々開催されていた。

AltspaceVRのファンは、こうしたイベントがこれまで通り開催される予定があるのか、気になっているのではないだろうか。イベントの有無は、プラットフォーム全体の活発化を左右しかねない、重大な要素だといえるだろう。

マイクロソフト、AltspaceVRからの続報を待ちたい。

参考URL：

WindowsBlog

AltspaceVR

VRSCOUT

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情報提供元： VR Inside