VRアミューズメント筐体の販売を手がけるJPPVRは、2017年9月21日(木)より開催中の東京ゲームショウ2017(以下、TGS2017)にて、「VR×eSports アジア大会」の開催を発表する記者会見をおこなった。


近年日本国内での注目度が急速に高まっており、また、TGS2017においても大きなトピックとして取り上げらているe-Sports。これを「VR」という話題のテクノロジーと融合させることで、eSports市場はさらなる活性化を遂げる可能性がある。


以下では記者会見の内容をレポートしていこう。


登壇者について




会見登壇者は以下の通り。


(左から順に)

VRinside編集長:村山 章氏


メディアプロデューサー:コットン太郎氏


作家:すずき あきら氏


北京乐客䈻镜科技股份有限 公司代表取締役:He Wenyi氏


JPPVR株式会社取締役会長:澁木 太一氏


[ビデオメッセージ・ゲスト]

ハウステンボス株式会社代表取締役社長:澤田 秀雄氏


澁木 太一氏によるVR・eSports活性化への取り組みの説明


大会開催によりeSportsの社会的認知度向上を狙う




会見は、渋木氏による、海外におけるe-Sports関連市場の成長と、それに対する日本国内の現状説明から始まった。


渋木氏は大会に出資するスポンサーが少ないことや、「ゲーム」に対する偏見などが根強いことからe-Sportsの国内普及が進んでいないことを指摘。


この現状を打開するため、JPPVRは中国企業のLekeVR社と提携し、2018年度中の「VR×eSports アジア大会」開催を目指していると発表した。決勝開催地を日本に設定することで、eSportsの社会的認知度向上に繋げようとする狙いもあるようだ。


eSportsライブ配信用プラットフォーム開発も進行中!




続けて澁木氏はJPPVRが、同社の提供するVR筐体が50種類以上のゲームコンテンツと組み合わせ可能だとした上で、これらのVRゲームを体験する場所を今後国内に増やしていきたいと語った。


またVReSportsを国内に浸透させるために、地方でのeSports予選会開催や、日本初となるeSports大会のライブ配信用プラットフォーム開発などにむけて準備をおこなっているとも明かした。


ICO(仮想通貨)の活用も検討


またJPPVRはゲーム内で通用する独自トークンとして、ICO(仮想通貨)の導入プロジェクトも検討しているようだ。


プロジェクト進行に不可欠なスポンサーが不足している点が課題点だが、実現すればプレイヤーは発行されたゲーム内通貨を元にアイテム購入ができるようになるほか、運営側もプラットフォームを通じた資金調達が可能となるかも知れない。


登壇者によるトークセッション!




澁木氏の説明後、澤田 秀雄氏によるビデオメッセージをはさみ、出席者らによるトークセッションがおこなわれた。


セッションでは主にVRゲーム市場のもつ可能性や、e-Sportsの国内普及における課題点が話題に上り、参加者は活発に各々の見解を述べていた。



このほかにも澁木氏は、国内でのeSports用ゲーム開発にこだわりたい、また、eSports大会の中心地をは日本であるということを示していきたい、などと語るなど、eSportsへの強い思いを覗かせる場面もあった。


また出席者からは中国でのe-Sportsを取り巻く市場動向についての質問が多く飛び出した。これを受けHe氏が、中国国内のe-Sports大会では優勝賞金額が日本円換算にして1600万円にものぼる場合もある、といった実情を紹介していた。


JPPVRのブース展示紹介!


またJPPVRは国際展示場10ホール 10-W31にて、計3点のVRゲーム筐体をブース出展している。


これらの筐体が『VR×eSportsアジア大会』で採用され、正式な競技種目となったゲームコンテンツと組み合わせられて使用される予定だ。


実際に筆者も体験してきたが、いずれの筐体もユーザーに高い没入感と高揚感を与えるコンテンツを提供しており、国内での本格的な普及が待ち遠しくなる内容だった。


VR次世代バイクゲーム筐体『Photon Bike』




体験型のVRゲーム筐体で、プレイヤーはVRヘッドセットを装着した上で巨大なバイクに登場し、操作する。


近未来感のある都市をバイクで駆け抜けるレーシングゲームがプレイ可能。プレイヤーはレーザー光線など道中のトラップを避けつつ首位獲得を目指す、という内容になっている。


VRアミューズメント筐体『Free Style VR』


ハイエンド技術を組み合わせ構築されたHTC VIVEソリューションが特徴の筐体。


ゲーム大会で優勝賞金として160万円がかけられたことのあるVRFPS『Mercenary』をプレイ可能だ。


ゲーム内容はエネミーの銃弾を掻い潜りながら屋敷内のテロリストを制圧していくというものになっており、リアリティのある戦闘描写が印象的だった。


VRミュージックゲーム筐体『Musicalize』




VRに対応したリズムゲームを楽しめる筐体。


コントローラーをボクシングの要領で動かし、空間奥から迫ってくるリズムアイコンを軽くタップしてポイントを稼ぐ、という内容のゲームがプレイ可能だ。


JPPVRのブース紹介!


会見では澁木氏がプレイヤーだけでなく観客をも巻き込んだVR・e-Sports大会を開催したい、と述べていた点が印象深かった。


確かに昨今では、動画投稿サイトにアップされた実況プレイ動画が高い人気を集めるなど、ゲームを「見る」という文化が広まりつつある。海外に比較してe-Sports大会の浸透に遅れをとっている日本だが、こうした「見る文化」へ注目がすることで、e-Sports市場の活性化への糸口を掴める可能性がある。


今回の記者会見では未発表のままとなったが、大会で採用予定の競技用ゲームタイトルなど、詳細に関しては続報を待ちたい。


参考URL:

JPPVR:1200万人が集結! 「VR×eSports アジア大会」 開催発表記者会見のお知らせ(PDF)

http://www.jppvr.com/detail/001.pdf


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 【TGS2017】VR・eSports大会の開催を目指す!JPPVRの「VR×eSports アジア大会開催発表記者会見」レポート