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アップルのAR開発キット「ARKit」と、モーショントラッキングデバイス「LeapMotion」を組み合わせて、スマートフォンARでジェスチャー操作ができるデモが登場した。
ベルリンを拠点に活動する開発者、Arthur Schiller氏は、スマートフォンARでジェスチャー操作を可能にする技術を開発、デモ動画を公開した。
動画では、スマートフォンの画面内にAR表示されるオブジェクトをジェスチャーによって操作する様子を確認できる。
現行のスマートフォンARアプリは画面をタッチして操作する場合がほとんどだが、ジェスチャー操作が可能になることでオブジェクトを直接触ることができるので、より自由度の高いAR体験が可能になる。
このデモではiPhone 7と、モーショントラッキングセンサーのLeapMotionを接続したMacBookを使用している。
LeapMotionがユーザーの手の動きをトラッキングしてMacBookに送信、そこでジェスチャー操作用のデータに変換して、iPhoneへと送る仕組みだ。
デモではボックスを動かしたり、回したり等のシンプルな操作のみが可能だが、タッチスクリーンによる操作に比べると操作の自由度が上がり、スマートフォンARを用いたコンテンツをより自然に、ストレスなく操作できる。
このデモではジェスチャー操作をするためにPCやセンサーなどの外部デバイスを接続しているが、今後はモーショントラッキングセンサーを搭載したスマートフォンが登場する可能性もある。
そうすれば、デバイス単体でジェスチャー操作を用いたアプリ操作が可能になり、今後の発展が注目される技術だ。
現在、スマートフォンARやVRでジェスチャー操作を可能にする技術は複数の企業やデベロッパーが開発しており、SDKの公開も予定している。
Clay社が開発するSDK「Clay」も、スマートフォンARでのジェスチャー操作を可能にするものだ。
『Clay』はARKitにも対応する予定で、iOSデバイスでジェスチャー操作できるアプリを開発できることで、ジェスチャー操作に対応したiOSアプリが多数登場するかもしれない。
本SDKのリリース予定は今のところ明らかになっていないが、ARアプリ開発を促進するものだ。
ManoMotion社が開発するSDKは、スマートフォンARだけでなくVRでのジェスチャー操作を可能にするものだ。
iOS、Android両方に対応しており、このSDKを用いて様々なアプリにジェスチャー操作を組み込むことが可能になり、これはUnityエンジンのプラグインとして機能する。
キットはフリーミアム(あらかじめフリーで公開され、カスタマーのニーズに応じて課金して機能を追加するシステム)でリリースされ、カスタマーのニーズに応じたサービス提供を目指している。
様々な種類のジェスチャーに対応している点も特徴で、スマートフォンによるバーチャル体験がより豊富なものになる。
ジェスチャー操作できるホログラムを活用できる分野の一つが、データ共有だ。
建築や地形データや車のデザインなどを、複数の人間が同時に共有、編集することが可能で、遠隔地にいる人同士でも同じデータをすばやく共有できる。
この技術は医療にも活用できて、たとえば患者のデータや3Dのレントゲン画像をARによって共有できれば、情報共有をよりスピーディに、正確に行える。
現在、様々な企業や団体がARを取り入れる実験を行なっており、実用化が期待できる分野だ。
ジェスチャー操作の可能なARデバイスは、教育でも大きなメリットをもたらす。
米国の中高生を対象とした実験では、授業にARを取り入れることによって、生徒の理解度や課題に対する関心が向上するとの結果が報告されている。
実験ではマイクロソフトのARデバイス「HoloLens」が用いられたが、これは単体で30万円以上するデバイスなので実用化は難しい。
しかし、スマートフォンやタブレットを用いたARであれば比較的低価格で導入可能で、スマートフォンARのニーズを秘めている分野だ。
ジェスチャー操作可能なARは、新しいゲームの楽しみ方を生み出すかもしれない。
HoloLensを装着してプレイするスーパーマリオのデモでは、プレイヤー自身がマリオになってゲームをプレイする。
現実世界にレンガや土管といったマリオのゲームステージを構成するオブジェクトがAR表示され、ステージを進んでいくと、AR表示されたクリボーが近づいてくる。
プレイヤーは親指と人差し指、あるいは中指を何度か合わせると、クリボーに向かってファイヤーボールを放つことができる。
2Dゲームとはまったく異なる感覚で、ARゲームは従来にない新体験をもたらしてくれそうだ。
参照元:Next Reality
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