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VR体験を楽しむ赤ちゃん(イメージ)
VRデバイスは子供から大人まで、コンテンツ次第で幅広い年代のユーザに楽しんでもらえる可能性を持っている。
しかし、小さな子供がVRデバイスを利用した場合、視力の成長に何らかの影響があるのではないかという不安がある。悪影響があるという証拠はないが、VRデバイス自体が新しい存在なので無害だという根拠も乏しいのが実情だ。
そうした事情もあって多くのヘッドセットは小さな子供の利用に制限を設けていたり、VRアーケードの利用には保護者の同伴が必要だったりとある程度成長した子供でないとVRデバイスの利用は勧められていない。
だが、将来はVRデバイスに子守りを任せるようになるかもしれない。ディストピア感の強いデバイスだが、家事の機械化がこのまま進めばNuturePodのような機器が登場したとしてもおかしくはない。
NuturePodは製品として開発が進められているVRデバイスではなく、ベルギーの現代美術館で9月18日まで開催されているイベントに展示されるアート作品だ。
NuturePodを使えば、789ユーロ(10万円)で赤ちゃんの世話を任せることができる。
このデバイスは赤ちゃんの睡眠サイクルを整え、年齢に合わせたパズルやゲームで創造性や社会性の発達を助け、音楽に親しませることもできるとされている。
もちろん食事の世話やおむつ交換などは人間が行わなければならないが、遊びを通して言葉や感情について教える役割はこの機械が担ってくれるかもしれない。
NuturePodの詳細
NuturePodは、本体と利用している赤ちゃんだけでなく展示された製品という形を取ったアート作品だ。
家電量販店にモックアップとパンフレットが並んでいるようなイメージで展示されており、広告やパンフレット、パッケージも実在する製品のようにデザインされている。
Wi-FiやBluetoothへの対応を示すマークなども使われ、本当にこうした広告があってもおかしくないと思わせるものに仕上がっている。
VR技術は非常に将来性のあるもので、この技術を使って子供たちがゲームやエンターテイメントコンテンツを楽しんでいる様子が伝えられることも多い。
しかし、NuturePodには違和感、あるいは嫌悪感を持つ来場者が多いようだ。
現在でも小さな子供を大人しくさせておくためにアニメを見せる・スマホゲームをさせる保護者は珍しくないし、家事や他のことのために子供の世話ができないときに短時間それらの助けを借りるのは悪いことではない。
だが、自分で動くこともできないような赤ちゃんをNuturePodに閉じ込めてしまうとなると事情が違ってくる。VRは非常にリアルな体験をもたらしてくれるが、現実ではないのだ。
どんなに優れた技術でも、使い方を誤ればその将来は暗いものになってしまう。
現代アート作品にはその意図を理解するのが難しいものも多いが、NuturePodは来場者の感情に訴えかける力の強い作品だ。
VR技術が機械に赤ちゃんを管理させるようなディストピアを作るためではなく、より良い生活や誰もが楽しめる娯楽作品を作るために利用されることを願うばかりである。
参照元サイト名:the sceptical futuryst
URL:https://futuryst.blogspot.jp/
参照元サイト名:Creators
URL:https://creators.vice.com/en_au/article/d38adx/baby-vr-headset-future-parents-stuart-candy
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