学習・教育用途にも使えるARアプリ


スマートフォンアプリや特殊なサングラス型デバイスを使うことで、現実の世界にバーチャルなオブジェクトを重ねて表示することができるAR技術。


AR技術は業務の効率化、安全性の向上といった用途はもちろん教育や日常生活に至るまで、広い範囲で利用できると言われている。


しかし、まだ普及が進んでいないことも事実だ。


ARを使ったサービスで知名度の高いものと言えば、ゲームのキャラクターが現実に存在するかのように表現されるポケモンGO、フィルターによって映像を加工できるSnapchatくらいのものである。


広がりの遅れているAR技術の現状を変えるかもしれないデバイスが、AppleのiPhone 8だ。


ARをあらゆる場所へ


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ユーザ数の多いAR端末


iPhoneがARを変えると言われている最大の理由は、そのユーザ数だ。


日本は特にiPhoneユーザが多いとされているが、日本に限らず世界中でAppleのiPhoneシリーズが使用されている。AppleがiOSの最新バージョンとなるiOS 11を提供すれば、iPhone 8はそのOSに対応してAR機能を持つことになるだろう。


AR技術の普及を妨げている原因の一つとして挙げられる対応端末の少なさを解消することにiPhone 8が一役買うはずだ。


AppleはARKitが世界最大のARプラットフォームになるとアピールしており、使用者の多さはARアプリを開発するデベロッパーにとっても魅力となる。


ユーザが多ければ開発者が増え、魅力的なアプリがさらにユーザを増やすというサイクルが生まれることが期待できる。


始まっているARKit対応アプリ開発


新しいソフトウェアには、開発・検証過程で修正し切れなかったバグが付き物だ。


特にOSのアップデートでは過去に使えていたソフトウェアとの互換性が無くなるようなトラブルもあり得るため、一旦様子見というユーザも多い。ARKitがリリースされても、すぐに使えるARアプリが無ければアップデートを見送るユーザもいるのではないかと思われる。


しかし、ARKitを使ったアプリの開発は既に始められている。


一般のユーザ向けにはまだ提供されていないARKitだが、世界中のデベロッパーがARKit対応アプリの開発を進めているのだ。多くのデモ映像が発表されており、ARKitのリリース直後に公開されるアプリも多数あるとみられる。


対応アプリの存在は、既存ユーザがiOSをAR対応にアップデートする、あるいは新しいiPhoneへと乗り換える理由となるかもしれない。


本物のAR



ARデバイス


ARの世界で名前を知られたデバイスと言えば、やはりGoogle Glassだろう。


かつて一度は失敗してしまったGoogle Glassだが、6月には3年ぶりとなるアップデートが提供され、7月にはエンタープライズ版という形で再びプロジェクトが動き始めている。


現在のデバイスに比べると高価格で性能も低かったことや、相手に気づかれずに写真を取ることができてしまうためにプライバシーが不安視されたこともあって以前は広がらなかったGoogle Glass。


今回はエンタープライズ用途を想定しているので以前ほど抵抗を受けることもないと思われるが、iPhoneほど多くのユーザが利用するデバイスにはならないはずだ。


ARアプリ


スマートフォンのARアプリは、Google Glassのように専用のARデバイスを購入する必要がないので気軽に使い始めることができる。


しかし、これまでに公開されたARアプリの多くは端末のカメラに映った映像にバーチャルオブジェクトを重ねて表示するだけのシンプルなものだった。


ARアプリを説明するときに「ポケモンGOのような」と名前を挙げられることの多いポケモンGOもそうだ。


現実の景色の上にポケモンが描画されるが、地面を認識してポケモンが表示されているわけではない。そのため、端末を動かせばキャラクターが空中に浮かんだり、壁にめり込んだりしてしまう。


ARKitが可能にするARアプリ


ARKitは、ポケモンGOよりも現実感のあるAR表示を可能にしてくれる。


壁やテーブルを認識するので、室内にあるものとぶつからないようにオブジェクトをAR表示することが可能だ。物の長さを測ることさえできるようになる。


iPhoneによって、多くの人が追加コスト無しで本格的なARアプリを使えるのだ。


これまでこうした機能に対応したARアプリを使えるスマートフォンはGoogle Tangoに対応するごく一部のモデルのみだったが、一気にARの世界が広がることになる。


 


AR技術の普及を阻む障壁となっている、一般のユーザが欲しいと思うARデバイス/ARアプリの欠落。


AppleのiPhoneはARがなくても人気のスマートフォンだ。ARKit対応アプリの開発も進められているので、すぐにiPhoneで使える魅力的なARアプリも出てくるだろう。


二つの問題を解決できるiPhoneは、AR技術を広めるきっかけになる可能性がある。


 


参照元サイト名:Tech Radar

URL:http://www.techradar.com/news/iphone-8-ar-augmented-reality-feature-rumors


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 iPhone 8がARを変える端末になる理由