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VRヘッドセットとハンドトラッキングコントローラーを使ってVR空間で3Dアートを制作できるようなアプリケーションは複数開発されている。
Googleの『Tilt Brush』では、筆やペンを使って平面の絵を描くような感覚で立体アートを描くことができる。
50ドルのSteamカードがもらえるコンテストの課題ツールとしても選ばれた『Blocks』は、また違った感覚のアプリだ。ブロックを組み合わせるように、立体を作り出すことができる。
あるいはGoogleのサマーセール対象にもなっていたDaydreamアプリ『SculptrVR』はマインクラフトのようなボクセル世界をVRで作ることのできるツールだ。
VRでアートが制作できるアプリの多くは、その特性を活かして3Dアートを作ることに適している。制作したオブジェクトを3Dプリンターで印刷すれば、そのままフィギュアにすることも可能だ。
だが、VR空間で平面の絵や図を描いてはいけないわけではない。現実と違ってVRでは道具が無くても好きな色や線の太さを使い分けられ、失敗したらやり直しも簡単だ。
『CollabHub』が提供するのは、VR空間で自由に使えるホワイトボードだ。ホワイトボードの背景を緑にすることもできるので、黒板のようなイメージにもなる。
描くものは平面に限定されているので多くのクリエイティブアプリのように3Dアートを制作することはできない。また、豪華なエフェクトが用意されているわけでもないので2Dアートの制作に向いているとも言いにくい。
だが、矩形や円といった図形を描画することも、色を変えることもできる。メモリの許す限り無制限のアンドゥが可能なのもデジタルならではの利点だ。
アーティスト向けの複雑な機能は無いが基本機能は揃っており、扱いやすさの点で優れている。
ホワイトボードのサイズ変更(4種類のサイズから選択し、縦または横に使える)や保存、画像としてのエクスポートも可能だ。自分用のメモとして使うだけでなく、VRデバイスを持っていないユーザに画像で共有することもできる。
アプリのタイトルにCollabと付いていることからも想像できるように、このアプリは複数のユーザが集まる会議などに適している。
直接会って会議をするときにはホワイトボードを使うことがある。CollabHubを使えばバーチャル会議でもホワイトボードに案を書き出したり、議題に対する意見をまとめたりといったことが可能だ。
書いたものは書きっぱなしではなく、後からファイルとして参加者や参加しなかったメンバーに配布することができるのも便利だ。
アート制作のためのクリエイションツールではなく業務効率化を目指したツールと考えれば、これまでになかったアプローチである。
CollabHubはHTC Vive専用のVRアプリとして8月15日からSteamで販売(早期アクセス)されている。
価格は698円で早期アクセスの終了後も変わらないとされているが、フルバージョンではゲーム内課金で解禁される機能を追加する計画があるようだ。
現時点でも描画や保存に関する基本機能は揃っているので、使い心地を試すことはできそうだ。
ただ、製品のウリである他のユーザとのコラボレーションについてはフルリリース時に追加予定の機能となっている。
長期に渡って早期アクセス扱いのタイトルもあれば、公開から1ヶ月ほどで正式版がリリースされることもある。CollabHubは数ヶ月で正式版になる見込みだ。
デベロッパーの計画では、早期アクセスの期間は3ヶ月から4ヶ月程度だという。
デベロッパーが実現したいものは理解でき、実現すれば有効だと思うのだが現時点ではマルチユーザ機能に対応していないのが痛いタイトルだ。
マルチユーザでスムーズにやり取りができるなら、VRデバイスを導入している国際企業で活用することもできるだろう。
HTC Viveにしか対応していない(そのおかげでViveコントローラーを使った描画が可能なのだが)という欠点もあり、正式版に向けてのバージョンアップに期待したい。
見るだけで描かない会議出席者はモバイルVR版のアプリでも参加できるなど、多くの環境で利用できるようになればさらに価値は高くなるだろう。
参照元サイト名:Steam
URL:http://store.steampowered.com/app/679160/CollabHub/
参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/collabhub-virtual-whiteboard-plenty-possibilities/
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