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「触覚」は、柔らかさや硬さ、ザラザラやしっとりといった表面の感触といった触った時の感覚のこと。
HTC VIVE、Oculus Rift、PSVRといったVRデバイスを使用した場合、体験者はコントローラーを通してVR世界にはたらきかけることになるが、自分の手に触っている感覚はない。
また、「触覚」をより広い意味でとらえれば、敵にダメージを与えられた際に振動する…といった「衝撃を感じる」部分も含めていいだろう。
「嗅覚」は鼻で感じる匂いのことで、「味覚」とは舌で感じる味のこと…だが実はこの2つ、我々はいつも区別して感じているわけではない。
食べ物を食べた時感じる「味」の大部分は、実は「嗅覚」で感じる「風味」と「味覚」で感じる「味」とが混ざっているのだ。
「味覚」のみでものの味を感じると「甘い」「酸っぱい」といった感覚しかわからなくなる。
風邪を引いた際にものの味がわからなくなった…という時が、「嗅覚」が使えず「味覚」のみで感じている状態。
このため、何かの匂いを再現するには、人間の「嗅覚」を刺激するだけで事足りるが、何かの味を再現するには、人間の「嗅覚」と「味覚」を両方刺激する必要がある。
最後に、これらの感覚には当てはまらない要素が、「動き」の部分。
VR空間を自分の足でどうやって動き回るか?という再現だ。
それでは、さまざまなデバイスがどのように人間の感覚を再現しているか、見ていこう。
まずは現状のVRデバイスが実現している人間の感覚、「視覚」と「聴覚」から。
人間の感覚のうち、「聴覚」については早い段階からサラウンドによる3D音響という形でVR化がされていた。
このため、現在のVRが実現した画期的な部分は、「視覚」の再現だといえる。
VRヘッドセットは、頭の動きをトラッキングして、体験者の頭の動きに応じた映像を3Dで映し出すという装置だ。
さらに、右目用と左目用の映像を別々に用意することで、頭の動きに応じたい映像を立体的に感じることができる。
「視覚」と「聴覚」の再現した現在の代表的なVRデバイスは、既に紹介した通りHTC VIVE、Oculus Rift、プレイステーションVR(PSVR)だろう。
HTC社が提供するPC向けVRデバイス。
「Base Station」と呼ばれるセンサー機器を使用することで体験者の動きを感知するため、VR空間を歩いて動き回ることができるというのが特徴。
Facebookの子会社となったOculus社がPC向け提供するVRデバイス。
VR空間内での「手」の動きを再現したコントローラー「Oculus Touch」が特徴的。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが提供するVRデバイス。
プレイステーション4で動作するため、高性能なPCを購入することなく、安価で楽しめるのが特徴。
「触覚」を再現するためには大きく3つの要素が関わってくる。
ひとつは「ツルツル」や「モフモフ」といった「表面の感触」。
ふたつめはコップの形だとか、お皿の形だとかいった「形状」。
そしてみっつめは、硬くて抵抗があるだとか、柔らかくてめり込んでしまうとかいった「質量」。
これらをどう解決するかが、触感デバイス開発にとってポイントとなってくる。
マイクロソフトリサーチが開発した2つの試作コントローラー「Nomal Touch」と「Texture Touch」は、3つの要素のうち「形状」と「質量」を再現。
台座やピンといった物理的な仕組みを使って触感を再現している。
株式会社Cerevoによるシューズ&グローブ型のデバイス「Taclim」は、振動によって「表面の感触」を再現。
単に触感を味わえるだけでなく、手でつかむ、歩くといった動作入力も可能となっている。
「嗅覚」と「味覚」についてはいずれも匂いが関わる要素であるため、まとめて紹介したい。
「嗅覚」「味覚」の両方を再現するために重要な「匂い」。
この「匂い」を再現するためには、匂いを出すなんらかの物体が必要となる。
つまり、プリンターにインクやトナーが必要なように、「嗅覚」デバイスや「味覚」デバイスにも「匂い」のトナーが必要というわけだ。
2017年冬のリリース予定の「VAQSO VR」は、お菓子の「スニッカーズ」と同サイズのデバイスをVRヘッドセットの下に装着することで使う「嗅覚」デバイス。
ワイヤレスでコンテンツと連動して、匂いのカートリッジから匂いを放出する。
「Project Nourished」は、VRによる架空の食べ物映像と匂いデバイスを組み合わせ、さらに寒天やこんにゃくを使ったバーチャルフードを食べることで「食事」をまるごと再現したデバイス。
味覚のみ再現してもお腹いっぱいにはならないが、「Project Nourished」の場合、実際にバーチャルフードを食べる形になるため、しっかりと満腹感を得ることができる。
最後に紹介するのが、VR空間を自分の足で動くためのデバイス。
現在のVRデバイスの中で、HTC VIVEは「Base Station」によって自分の足でVR空間を動くことが可能なものの、その範囲は「Base Station」を設置可能な範囲に限られる。
つまり、自分の部屋に「Base Station」を設置する場合、その部屋の物理的なサイズが最大サイズになってしまうということだ。
家の事情を考えれば当然のことなのだが、バーチャル空間のサイズが自分の部屋のサイズに収まってくれるとは限らない。
そこで、リアルな空間のサイズを問わず、自由にバーチャル空間を動くためのデバイスが必要となってくる。
「Virtuix Omni」は、専用シューズを履いてプレートの上を動き回ることで、その動きをバーチャル空間に反映させるというデバイス。
ルームランナーと同様、体験者はその上で足の動きを入力することとなるため、バーチャル空間がどれだけ広くともリアルスペースのサイズに制約されることなく動き回ることが可能だ。
「3DRudder」は、円形のプレート型のデバイスで、上に足を乗せて重心を傾けることでバーチャル空間の移動を行うことができる。
移動と言っても歩いている感覚ではなく、スキーやスノーボードといったモノに近い感覚を得ることができる。
「触覚」「嗅覚」「味覚」「動き」といったデバイスは研究・試作段階のものも多いが、中には発売されたもの、年内発売予定のものなども存在している。
昨年がVR元年だった…ということは、VRの歴史はまだまだ黎明期、始まったばかりということ。
なので、これから先、様々なデバイスがリリースされ、進化していくことだろう。
いずれは、VR空間で完全に現実と同じ体験ができる日もくるかもしれない…!?
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