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今回リリースされたソフトウェアは、3月に両社がリリースした「MakeVR」の拡張版となっており、より正確にオブジェクトを整列させる事が可能なツールなどが機能追加された。
MakeVRは3Dコンテンツを製作するためのソフトウェア。
公式サイトではMakeVRを使用することで、年齢や経験にかかわらず、使用初日から誰でも専門的なCADエンジンに触れて3Dオブジェクトと3Dの世界を作り始められるようになると謳われている。
スマートフォンやタブレットを操作するのとほぼ同じ感覚で3Dモデリングを制作する事が可能となる、3Dマルチタッチを採用している点が特長。操作入力はVIVEコントローラでおこなう。
たとえばVR空間内のある一点を「掴み」、上下左右前後へと自在にドラッグすることができる。また2点を両手で掴んで近づけたり遠ざけたりすることによって、周囲の環境を拡大縮小したり、自分を中心点として回転させることも可能だ。
特にこの「拡大縮小」という機能はMakeVRの大きな強みとなっている。
なぜならば3Dマルチタッチ機能によって、どんな環境で作業を行ったとしてもいくらでも対象の作業に最適なポジションを確保することが出来るようになるからだ。
またMakeVRで制作された全てのオブジェクトは、3Dプリント用のスタンダードなデータフォーマットにして保存可能だ。
ボタンをクリックするだけでローカルに利用可能な3Dプリンターや、あるいはShapewaysのような3Dプリントサービスへとデータを送信することが出来る。
前バージョンに比較してMakeVR Proでは以下の点などが機能追加されている。
まず3Dオブジェクトに対する操作の正確性が以前よりも増している。また、グリッドや定規といったツールが追加されたほか、それらのツール同士を組み合わせたり、他にもユーザー視点における深度や角度の保持、ミラーリング等もおこなえるようになったという。
たとえば、定規をグリッドにスナップすることで、グリッド従って各方向へと正確にオブジェクトをスライドさせることが出来る。これにより正確なモデル製作が可能となるわけである。
これらの追加された機能によって、プロフェッショナルの3Dデザイナーが彼らの作品をさらにブラッシュアップする上で、また業務においても十分使えるようなソフトウェアに仕上がったようだ。
ちなみにMakeVRの定規ツールやグリッドはメートル法か、ヤード・ポンド法かを選択することが可能とのことだ。
なおこれらの追加された機能については、ソフト内でチュートリアルが用意されているので、そのパートでイントロダクションを受けることが可能だ。
Vive StudioのGMであるJoel Bretonは、前述のような精確性を組み込んだことにより、MakeVR Proが「初となる、プロフェッショナル向けの3Dオブジェクトモデリングツール」となったのだ、と述べている。
またSixenseの共同創設者にしてCEOであるAmir Rubin氏は以下のように語る。
「シンプルで直感的な解決法でありながら、私たちはMakeVR Proが正確性と精度をもってコンテンツ製作をおこなうことを誰にでも可能にすると保証いたします」
また、
「VIVE Studioとのコラボレーションによって私たちは、3Dプリントに熱心な人から業界のプロフェッショナルに至るまでの人々に、VR空間内にいながら精度の高いモデルを組み立てられるための簡単でありながら強力な手段を提供する、プロレベルの創造体験をもたらします。」
とも語る。
VR空間内で3Dオブジェクトを制作するツールは、既に幾つかリリースされている。
Googleが7月から公開している、VIVEとRiftに対応した3Dモデリングツール「Blocks」はその一例だ。
動画中では盆栽や複雑な造形をもつメカなど多数のオブジェクトを制作している様子が伺える。
VRでのモデリング作業がデザイナーたちにとってスタンダードとなる時代が、もうすぐ来るのかもしれない。
参考URL:
https://www.vrfocus.com/2017/03/makevr-launches-on-htc-vive/
MakeVR PRO
https://www.viveport.com/apps/9e94a10f-51d9-4b6f-92e4-6e4fe9383fe9
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