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どの業界でも年末が近くなると出てくるのが、「○○オブ・ザ・イヤー」「2017年最優秀○○」といった製品や企業を称える肩書が与えられるランキングだ。
VR業界はまだ若いために権威ある賞が欠けているが、AMDの後援を受けて10月9日に発表されるVR Awards 2017が今年のVRを振り返る材料となるかもしれない。
候補の選出は既に終わってしまっているので2017年の後半に出てくる企業やサービスは含まれていないが、多くの有名な企業が候補としてノミネートされている。
VR Awards 2017は12のカテゴリに分かれており、各カテゴリごとに4社から10社程度の企業・団体が候補となっている。
5月1日時点でノミネートは締め切られてしまっており、2016年に優れた成果を挙げた企業を賞賛するものと考えるのが正しいだろう。
発表は10月9日にロンドン中心部のノーサンバーランド・アベニューで18時から開催される。
授賞式を兼ねたこのイベントでは、VRの発展を振り返り、業界のVIPと繋がる機会を得ることができる。
それだけにドレスコードも存在しており、タキシードでの参加になる本格的なパーティーだ。
シャンパンとディナーコースが含まれるスタンダードチケットは120ポンド(1.7万円)、グループのために10人がけのテーブルを予約する場合は1,080ポンド(15.5万円)かかる。
5本のワインと2本のシャンパンが追加され、イベント後のVIPアフターパーティーにも参加できるVIPテーブルチケットは2,180ポンド(31.4万円)だ。
申し込み自体は一般の消費者でも可能だが、内容やその金額を考えるとVR業界で働く人や業界への投資を考える投資家がメインの参加者になるだろう。
VR Headset of the Yearは、デザイン、装着感、機能などが優れたVRヘッドセットのメーカーに与えられる。
この賞ではVRヘッドセットのみが対象となっており、AR/MRデバイス関連の企業は選ばれていない。
Vive、Rift、OSVR、PSVR、StarVRといったVRデバイスを製造した企業が並ぶ。
StarbreezのStarVRは業務用なので他に比べると名前を見かけることが少なめだが、家庭用デバイスの2倍近い視野角を持つ高性能なデバイスだ。
こちらはスマートフォンを使うモバイルVRヘッドセットのメーカーのみが対象となっているカテゴリだ。
上のVR Headset of the Yearと同じく、知名度の高い企業が並ぶ。
Merge VRは最近AR玩具Merge Cubeも発売した企業で、安価かつ頑丈で手入れも簡単なVRゴーグルを販売している。
Homidoはやや名前を聞く頻度が落ちるが、視野角の広いVR体験を低価格で楽しめる「V2」でノミネートされた。
VRヘッドセット以外のVRハードウェアを開発するメーカーに与えられるVR Hardware of the Year。
コントローラーやフィードバックデバイスなど、視覚以外の感覚を通してVRオブジェクトとやり取りできるようなデバイスを開発する企業が選ばれた。
ヘッドセットのメーカーに比べると、ややマニアックな名前が増える。
だが、製品名を聞けば知っている企業もあるのではないだろうか。
SOMNIACSは鳥になったような感覚を味わえるBirdlyを開発した企業だ。Birdlyは、シリコンバレー技術博物館のARとVRを扱った常設展でも体験できる(有料)。
Oculusは二度目の登場だが、ここではRiftではなくTouchでノミネートされている。
NullSpace VRはハプティックフィードバックを与えるHardlightスーツでノミネートされた。クラウドファンディングで多額の資金を獲得した製品だ。
Ultrahapticsは元々VR業界の企業ではないが、超音波によって触れた感覚を作り出したり、空中で動かした手を検知したりといった技術を持っている。先日VR分野への進出も発表した。
ゲーム内でVRを活用することに成功したVRゲームに贈られる。
VRゲームとして作られて成功したタイトルから、元はPC用ゲームだったものまでノミネートされている。
VRを広めるためには、革新的なリーダーが必要だ。
製品だけでなく、企業文化やポリシーの観点から革新的なVR企業が選ばれた。
このカテゴリにはやや馴染みの薄い企業が多いが、Zero LatencyのロケーションVRは日本でもお台場で体験可能だ。
また、Merge VRはモバイルVRデバイスだけでなくこの分野でもノミネートされた。安価なデバイスによってVRの普及を目指す姿勢が評価されたものと思われる。
この分野にノミネートされたのは、ゲーム以外のVR体験コンテンツを制作した企業だ。
有名なコンテンツばかりだが、特に目を引くのは名前が2度挙げられたGoogleだろう。
Tilt BrushとGoogle Earth VRで同じカテゴリ内に二度ノミネートされている。
VRを使った広告やキャンペーンを展開する企業も増えている。
ここにノミネートされたのは、特にクリエイティブな方法でマーケティングにVRを利用した企業だ。
環境の保護や難民問題など、理屈や数字よりも視聴者の感情に訴えたい分野ではVRを使ったキャンペーンが有効なのかもしれない。
映画の予告編や特典映像をVRで制作するというパターンも今後増えそうだ。
インタラクティブなVR映画やその他のVRエンターテイメントコンテンツに与えられる。
VRゲーム、VR体験として独立している他のカテゴリに比べてユーザが介入する度合いが低く、映画に近い受け身なコンテンツがこのカテゴリになるようだ。
VR技術は新しいものだが、他の分野で成功した資金力のある企業がVRに手を出していることも多い。
このカテゴリに選ばれたのは、新たに立ち上げられたスタートアップ企業だ。
子供たちの教育はもちろん、企業での研修やスポーツのトレーニングにVRを活用しようとする企業は多い。
ここで選ばれたのは、VRを教育に活かしている企業だ。
ヘルスケアにVRを利用しようと考えている企業もある。
Vivid Visionは、VR映像を用いた目のトレーニングによって視力の回復を目指す企業だ。
外が見えなくなってしまうVRヘッドセットを付けたまま外出するのは危険だが、家庭用のVRデバイスではできない体験を家庭外で提供する施設もある。
視覚と聴覚以外の経験を組み合わせることで、没入感はさらに高まるのだ。
VR業界には欠かせない有名企業から、日本では知名度の低い企業までノミネートされたVR Awards 2017。
2ヶ月後には、この中から12の受賞者が発表される。
参照元サイト名:VR Awards 2017
URL:https://awards.vrbound.com/
参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/amd-hp-foundry-partners-vr-awards-nominees/
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