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…と言われているものの、「仕事に使えるか?」という観点もまた、普及のカギを握っている。
たとえば、「Word」や「Excel」という汎用的なビジネスツールの存在抜きに、マイクロソフトの「Windows」の普及を語ることはできないはずだ。
VRは現在、ゲームや動画といった娯楽コンテンツや、医療・教育・不動産など特定分野での活用が目立っている。
しかし、汎用的なビジネスツールとして利用可能なコンテンツも登場し始めたようだ。
そこでこの記事では、汎用的なビジネスツールとして利用可能なVRアプリケーションについてご紹介したい。
仮想世界を現実のように体感可能というVRの特徴が、汎用的なビジネスツールとしてどう役に立つのかといえば、「ミーティング」にあるようだ。
ここ数年、日本でも在宅ワークを推進する企業が増えている。
一方で、海外では在宅ワークを取りやめる企業が出始めているようだ。
在宅ワークにはどうしても、スタッフとの意思疎通が難しいという側面がつきまとう。
コミュニケーションには言語化可能なコミュニケーションと、言語化不可能なコミュニケーションがある。
言語化不可能なコミュニケーションとは、表情や声の抑揚、ジェスチャーといった言葉以外の要素によって表現されるコミュニケーションのこと。
音声チャットやビデオチャットなどで、言語化不可能なコミュニケーションを補うことも可能なのが、対面でのコミュニケーションと比べれば、どうしてもコミュニケーションの質が落ちてしまう。
ここを補うことができるのが、VR。
音声に加えて体の動きを表現することができ、仮想世界のことを現実のように体感可能なVRだからこそ、言語化不可能なコミュニケーションの取りこぼしを減らすことができるのだ。
「AltspaceVR」は、仮想チャットルームのコミュニケーションが取れるというVR-SNSアプリケーション。
ビジネス用途に特化したSNSというわけではなく、チャットルーム内でチェスのようなミニゲームを楽しむことも可能だ。
ただ、アバターを使って仮想世界でグループコミュニケーションが取れるため、現段階で、遠隔ミーティングのソリューションとして使用することができる。
アバターの外見はディフォルメされているため、現実世界のコミュニケーションと比較するとやはり違和感は残るものの、チャットやボイスチャットでは得られない臨場感を味わうことが可能だ。
「BigScreen」は、VR空間内で使えるバーチャルディスプレイ。
対面ミーティングでは上手く伝わるのに、チャットなどのデジタルなコミュニケーションでは伝えにくいものに、資料のプレゼンテーションがある。
相手に資料を説明する上では、お互いに資料の見ている部分を一致させ、資料を見るスピードと説明のスピードを一致させる必要がある。
これは、チャットやボイスチャットといったコミュニケーションでは実現が難しい。
この点、「BigScreen」であれば、VR空間で相手と一緒にバーチャルディスプレイを見ながらコミュニケーションが可能。
特定のポイントを指し示すことも可能なので、カンタンに「ここを見て」と相手へ指し示すことができてしまう。
複雑なビジネススキームを説明したり、新開発のシステムの概念図を説明しなければならないといった、高度なコミュニケーションが必要な場合に有用なアプリケーションといえる。
「VRcalling」は、Summer TechによるVRコミュニケーションサービス。
VRヘッドマウントディスプレイやARグラスを使って、通話などのサービスを利用することが可能。
360°ライブビデオやSMS、RCS(リッチコミュニケーションサービス)チャット、ファイルシェア…などといった機能が利用できる。
報告書などの資料類はファイルシェアしつつ、VRコミュニケーションで密に意思疎通ができる…といった利用シーンがイメージできるサービスだ。
このアプリケーションが普及すれば、一度は在宅ワークを断念した…という企業でも、改めて在宅ワークの導入を検討できるのではないだろうか?
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VRによるミーティングツールアプリケーションの普及が進めば、在宅ワークもさらに増えるだろう。
そうすれば、子育てと仕事の両立もやりやすくなるし、満員電車に悩まされるということも減る。
ただ、在宅で働く側としては、「家の中には誘惑が多いから、コワーキングスペースを利用しないと仕事ができない…」という人もいる。
これも、ヘッドマウントディスプレイによって、誘惑するものの少ない仮想空間を映し出せば改善できるのではないだろうか?
「はたらき方」を改革するカギは、VR技術かもしれない…!
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