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OculusRiftやHTC ViveといったPCベースのハイエンドVRシステムを対象としたVRゲームでは、アナログスティックを使って自由にプレイヤーキャラクターを移動させることが可能な作品が多くなっている。
こうした自由な移動が可能なゲームでは、どこに移動するかがプレイヤーに任される。そのため、視点を固定したゲームに比べてマップのデザインやレベルデザイン、敵AIの開発難易度が上がってしまう。
開発コストのかかる作品が多くなった背景には、資金と時間を費やした大型タイトルが増えていること加えてテクニックの発展がある。
VR空間を移動することで起きる酔いを防ぎ、症状を軽減するための開発テクニックに関する知識が蓄積されつつある。
VRゲームをするユーザ、VRゲームを開発するデベロッパーの両者にとっての悩みのタネとなっているVR酔い。
全ての人に起きるわけではなく、体質・体調によっては長時間VRゲームを遊んでも平気ということもある。だが、場合によってはゲーム自体の評価を下げる原因にもなりかねない。
VR映像を見ていて酔ってしまう原因としては、プレイヤーの身体が感じる移動と、視覚から予測される移動のズレが挙げられる。
ゲーム内のキャラクターが走り回っていても、プレイヤーは座って(または立って)ゲームをしているだけなので、ほとんど移動することがない。
このズレが不快感を引き起こすと言われている。
そのため、ゲーム中で頻繁に向きを変えなくてはならない激しいアクションゲームや、画面が揺さぶられるような表現がある作品は酔いやすいことになる。
また、単純な目の疲れから頭痛が起きたり、気分が悪くなったりすることもある。
この場合はVR酔いというよりも、一般的な眼精疲労による頭痛である。映画を見終えた後や、長時間のパソコン作業などで体験したことがあるのではないだろうか。
目を離せないようなスピード感のあるゲームや、派手なエフェクトが明滅するようなシーンが多いゲームでは、特に目が疲れてしまいやすい。
自由な移動に比べて酔いにくいVR空間での移動方式として、テレポートが挙げられる。
キャラクターが歩いたり走ったりして移動する代わりに、目的地を指定してそこへ直接移動する方式だ。
酔いを引き起こすことが多いVR空間内での移動シーンをカットしつつ、視点を完全に固定する場合に比べてゲームの戦略性を高めることができるというメリットがある。
だが、自由に移動できるゲームに比べると没入感が低いのも事実だ。
テレポートすることで、短時間ながらゲームの体験が中断される瞬間が生まれてしまう。この点では、アナログスティックを使った自由な移動に劣っている。
『Gunheart』は、Drifter Entertainmentが開発を進めるVRシューティングゲームだ。マルチプレイ(Co-op)にも対応しており、今年の後半にOculusRiftとHTC Viveでの発売が予定されている。
先月Upload VRに掲載された記事では移動方式がテレポートのみだとされていたが、どうやら自由に歩いて移動することもできるようだ。もちろん敵から走って逃げることもできる。
移動方式がテレポートのみであることは以前のレビュー記事で指摘されていた点なので、この変更によってより良いVR体験がもたらされるかもしれない。
上の動画でもテレポートによる移動は利用されており、Gunheartでは2つの移動方式がいずれも利用できるようになるようだ。
開発者はどちらを使うプレイヤーも楽しめるように調整を行わなければならないが、プレイヤーにとっては利用できる方式が多いのはメリットである。
ゲームへの没入感を最大限に楽しみたいユーザは歩行による移動をメインにプレイすることができるし、VRで酔いやすいならばテレポートを中心にすることもできるだろう。
Gunheartのトレイラーでは、プレイヤーが扱うことのできる多様な武器が紹介されている。
VRシューティングゲームの基本となる二丁のピストルはもちろん、両手で構える弓矢やガトリングガン、片手で扱えるクロスボウ、丸鋸の刃を飛ばすような武器も存在するようだ。
この武器の選択によって、戦略も変わってくるだろう。離れた場所からでも攻撃しやすい武器を選べば、敵の移動に合わせて走り回る必要性は低くなる。
自分に合った遊び方を見つければ、酔いの心配をせずに協力プレイが楽しめる新しいVRシューティングゲームになりそうだ。
参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/gunheart-devs-show-full-locomotion-teleportation/
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