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LucidVRは1年以上前、LucidCam開発のためにクラウドファンディングサイトIndiegoで資金提供を呼びかけ、結果的に10万ドル以上を集めて無事成功を収めた。
「世界で初めての、真のVRカメラ」というキャッチコピーが付けられた同社の製品は、我々のVR体験をどのように変化させる可能性を秘めているのだろうか。
LucidCamには2つのレンズが正面に取り付けられており、その外見はまさしくステレオスコープのようなデザインとなっている。動画をご覧いただければ分かるように、デジタルカメラのようなコンパクトサイズで、ユーザーは片手でも操作することが可能だ。
LucidCamを使うことで前方180°の撮影が可能となる。つまりLucidCamを通じて撮影することで、ユーザー自身が現実世界で見ていたものをベースとした3D動画を撮影することが出来るのだ。
LucidCamを通じて撮影した画像や動画は、LucidCamに内蔵されているWi-Fiネットワークを使用することで、ユーザーのスマートフォンへと転送することが可能。またこれらはLucidVRのビューワーを使用すれば、スマートフォンで視聴することもできる。
もちろん撮影したものを友達とシェアすることも、その友達がVRヘッドセットを使って画像や動画を楽しむことも、どちらも可能だ。
またLucidCamのVR180フォーマットを利用すれば、YouTubeに問題なく動画をアップロードすることも問題なくおこなえる。
ちなみに後のバージョンでは3台のLucidCamから得た動画を統合するような仕組みを実装することで、360°動画も撮影可能になる予定だという。
更にLucidCamを特徴づけるのは動画に「深度」を与えることに成功した、という点だ。
現在VR市場には多くのVRカメラが登場しており、中には十分な性能と手頃な価格設定を兼ね備えた製品も存在している。
だがそれらのVRカメラの大部分が抱えている問題点がある。撮影した画像がどうしても平面的で「深さ」を感じることができなくなってしまう……というものだ。
もちろんこれらのカメラで撮影した動画の中で、ユーザーはあらゆる方向を向くことが出来る。しかしそのようにして多方面を見渡したとしても、ユーザーは深度の感覚を得られないままなのだ。
しかしLucidCamにおいてこの深度の問題は解決されている、と、Han Jin氏は語っている。LucidCamの利用により、従来品よりもさらに質の高い動画体験を得ることが出来るようになるわけだ。
180°VRカメラは、360°VRカメラと比較すると、撮影者の見たものを「そのまま動画にできる」という点において特長がある。
また取り回しの容易さも特筆すべき点だろう。ポケットサイズのVRカメラでありながら非常に高い分解能を持つため、180°動画のライブストリーミングやコンテンツ創作もおこなうことができる。
実際、LucidVRのCEOであるHan Jin氏は、VentureBeatのインタビューで次のように語っている。
「VR産業が360°のVR動画を追いかけていた中でLucidCamを作り出すというのは、とても信じがたい旅路でした。180°のVR動画はその簡便さ、そして、より多くのユーザーが簡単にVRコンテンツを撮影できるようにする、というメリットがあるので、多くの人々へと強くアピールし続けているのです。」
Googleは昨年、VR180のフォーマットのサポートを開始するというアナウンスメントを出した。
市場環境は整いつつあり、VRカメラ購入の際の選択肢として360°VRカメラだけでなく、180°VRカメラも十分考慮されるべき時期が到来しつつあると言えるだろう。
どちらか一方だけ、というよりは、使用目的によって使い分けるのが効率的で望ましいはずだ。上記で挙げたように180°VRカメラは仲間内で楽しむ目的など、VR動画撮影をカジュアルに楽しみたい人に向いているかもしれない。
LucidVRの価格は、現在15%割引きの500ドルで予約受付中。
発売予定日は8月9日。
参照URL:
LucidCam
https://www.lucidcam.com/
Venture Beat
https://venturebeat.com/2017/06/26/lucidcam-vr-camera-lets-you-see-the-world-through-other-peoples-eyes/
VR focus
https://www.vrfocus.com/2016/08/lucid-vr-demoing-lucidcam-at-uc-berkeley-caltopia-festival/
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