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ソニーは現在開催されているE3において、PSVRの将来的展望について語った。
PSVRと言えばいうまでもなくHMDの中でも特に人気が高いヘッドセット商品だ。とくに市場調査会社IDCが発表したレポートによれば、2016年度の日本国内におけるVRヘッドセット出荷台数では全体の73%を超えている。
しかしそのような高い市場実績を記録しているとしても、PSVRに機能面で全く弱点がない……ということにはならない。他のヘッドセットが抱えているのと同じように改善の余地はある。そうした課題に対して、今回ソニーはソフトとハード両側面それぞれのレベルで同社が現在もっているいくつかのアイデアについて発表した。
E3におけるソニーのプレスカンファレンスの前に公開されたのが、上記の動画だ(43分20秒頃から)。
語っているのはソニーインタラクティブエンターテイメントのR&Dにおいてシニアバイスプレジデントを務めるDominic Mallinson氏。短いビデオクリップだが、現在彼のグループが研究しているVRの分野について語っている。
以前から知られていたようにソニーはAI研究と、AIをゲームへと活用することに、つまり信頼性の高いバーチャルキャラクターを創り出すことに関心を寄せてきた。
Mallinson氏が語っているのはAIの「自然言語理解」についての話題だ。
つまりSiriやAmazon Echoのようなアプリケーション、ガジェットに搭載されている人間の言葉を認識させる技術を問題にしている。言うまでもなくこの技術を使えばプレイヤーがゲーム内のNPCキャラクターと実際に会話しているかのような状況を作り出すことが可能となるのだ。
またMallinson氏はこんなアイデアも披露している。
視線検出技術を使うことで、プレイヤーが自分自身の周囲にあるバーチャルワールドを「視る」ることで、その周囲に影響を与えることが出来るようなシステムだ。
たとえばプレイヤーがあまりにもゲーム内のキャラクターを見つめ続けていると、そのキャラクターがだんだんと不快な様子になっていく……といったシステムを構築することが可能かもしれない。
ただ実際にこうしたシステムを作り上げるには、ユーザーが見ている場所について正確な情報を伝える既存の視線追跡技術では事が済まない。PSVR本体のハードウェアをアップグレードしなければ実現させることはできないだろう。
さらにVRの課題としてMallinson氏が取り上げるのが、現実の世界では日常的に生じている、人間の眼の「焦点変化」をどのようにしてVRで再現するか、というものだ。
こうした焦点変化を私たちは普段ほとんど意識することはない。しかし人間の眼は常時この変化をおこなっているのだ。ところが今日のVRヘッドセットに用いられているVR技術では、そうした焦点変化を引き起こすことが出来ないのだ。
実際、VRゲームプレイ後にヘッドセットを頭から外してみると、視界に入るものすべてが完璧に焦点が合っているように感じられ、違和感を覚えた経験のある方はいないだろうか?もしそうした経験をお持ちならば、それこそ現段階でのVR世界が「自然な」ものに仕上がり切れていないことを示す証拠なのだ。
Mallinson氏は将来的にPSVRがこの焦点変化の問題をクリアできると信じているという。
そして焦点変化と3Dイメージ両方をユーザーに提供することが出来るようになれば、
「私たちに究極の視覚体験をもたらすことになるでしょう」
と語る。
最後にMallinson氏は「ほとんどSFの領域ですが」と前置きしてから未来的なアイデアを語った。VR体験へのBWI(Brain Wave Interface)の導入可能性についてのアイデアだ。もし実現すればプレイヤーの脳波を読み取り、VR世界にそれを反映させることができるようになる。
といってもこのアイデアをいますぐ具体化することはほぼ不可能だろう。あくまで将来における可能性の一つというだけだ。
だがBWIのアイデアに比較すると、少なくとも「嫌がるキャラクター」や「焦点変化」のアイデアを聞く限りでは、達成すべき目標が割合と明確に設定されている印象を受ける。
もちろんMallinson氏が述べる通りこれらもアイデアに過ぎない。
しかし次世代のPSVRがどのような点で変化を見せるのかという点については、朧気ながらそのヒントを提供してくれたのではないだろうか。
参照元URL:
UploadVR
https://uploadvr.com/sony-video-talks-future-psvr-upgrades-focus-variation/
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