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同メディアは、今年中にリリースが予定されているOculus対応VRアクションゲーム「Lone Echo」を開発したReady At Dawn Studiosを取材し、同ゲームの特徴と開発過程を紹介した。
同ゲームがどんなものなのかは、言葉で説明するよりトレーラー動画を見た方がこのゲームの革新性を理解できるだろう。
動画を見るとわかるように、VRゲームとしては無謀とも思えるスピーディな移動を実現している。
同スタジオは、「Lone Echo」の移動システムを完成させるのに2年を費やした。
通常のVRアクションゲームでよく見られる移動システムは、ルームスケールを超える移動が発生する場合は、移動先を選択して移動先に瞬間移動する「テレポーテーション」方式だ。
対して同ゲームでは、次のように移動する。同ゲームでは、無重力状態のアリーナで円盤状のフリスビーを使った競技をプレイするのだが、移動時にはまず腕を使って移動方向を決定する。その後、アクセルボタンを押すと腕を延ばした方向に推進する。止まりたい時は、停止ボタンを押せば良い。無重力アリーナがゲームの舞台なので、リアルな重力を無視して上下方向に移動することも簡単だ。
しかし、ゲームをプレイするためには移動方法を習得するだけでは足りない。移動に加えて、フリスビーのキャッチとスロー、そして相手プレイヤーへのパンチを覚える必要がある。相手プレイヤーへのパンチは、割と簡単である。(アリーナ内のバーチャルな)相手プレイヤーに触れれば良い。触れられた相手は、数秒間動けなくなる。フリスビーのキャッチは、フリスビーにバーチャルな手を延ばしてキャッチボタンを押すことで実行できる。フリスビーを投げるには、リアルなプリスビーを投げるように腕を動かしながら最後にキャッチボタンを離すと、腕を動かした方向にフリスビーが飛んでいく。
以上の動作は、無重力アリーナで練習することができるので、すぐに習得できなくても心配することはない。
しかしながら、同ゲームをエキサイティングなものにしているのは移動システムではない。同ゲームでは、無重力アリーナ内に設置されたゴールにフリスビーを入れることを競うのだが、マルチプレイに対応したチーム戦を実現しているのだ。
チームプレイが要求される同ゲームでは、味方プレイヤーどうしのコミュニケーションが重要となる。味方とのコミュニケーションは、音声チャットで行われる。そのため、実際のゲームプレイはかなり騒々しいものとなる。
なお同スタジオによれば、理想的には音声コマンドシステムを採用したかったのだが現在の技術レベルでは困難なので実装を断念した、とのこと。
同ゲームの動画を見るとわかるように、プレイヤーが着用しているスーツは映画「トロン・レガシー」に登場したスーツを彷彿とさせる。また、無重力アリーナでのチームプレイに関しては、ゲームシステムとビジュアルの両方が映画「エンダーのゲーム」で描かれた訓練センターでのトレーニングを連想させる。
同スタジオの代表Ru Weerasuriyaは、以上のふたつの映画の影響を認めている。しかし、このふたつの映画を融合させたことで独自性を表現しているとも述べている。
同ゲームは、ゲームシステムおよびグラフィックから見て、e-Sportsの競技ゲームに非常に相応しいものとなっている。
ところで、e-Sportsの競技ゲームになるためには、リアルなスポーツに匹敵する競技性が求められる。つまり、プレイに適性や優劣が認められなければならない。
同スタジオは、同ゲームのテストプレイを続けるうちに、ふたつのことに気付いた。ひとつは、前例のない移動システムの習得には個人差があることである。すなわち、ほぼ瞬時かつ直観的に移動を習得するヒトもいれば、練習を重ねて習得するヒトもいたのだ。気付かれたもうひとつのことは、各プレイヤーには適性にあったポジションがあったことだ。同ゲームのポジションには、大きく分けてゴールを守るキーパーと、フリスビーをゴールまで運ぶオフェンスがあるのだが、キーパーが得意なプレイヤーがいる一方で、オフェンスが上手なプレイヤーもいたのだ。
以上のことは、「Lone Evho」がリアル・スポーツと遜色のない競技性と戦術性を備えていることを意味している。
まとめると、「Lone Echo」はVR業界初の本格的なマルチプレイe-Sportsゲームになる可能性が多いにあるのだ。そして、VR業界から本格的なe-Sportsゲームが現れれば、VRの社会的地位と認知度も今よりずっと上がるだろう。
マルチプレイVRアクションゲーム「Lone Echo」を紹介したVenturebeatの記事
https://venturebeat.com/2017/05/22/lone-echos-vr-multiplayer-echo-arena-is-like-playing-ultimate-frisbee-in-zero-gravity/
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