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VRデバイスを購入する際、リアルの店舗ではなくインターネットショッピングを利用したという人も少なくないだろう。
そんなインターネットショッピングと斬っても切れない関係にあるのが物流。
形のないデジタルコンテンツならいざしらず、物理的な形状を持った品を買ったのであれば、誰かがそれを購入者の元に届けなければならない。
実はそんな物流業界でAR技術を用いたソリューションが導入され、活用されている。
この記事では、物流業界におけるAR技術について紹介したい。
ヤマト運輸が賃上げをし広く知られることになった通り、物流業界は今、人手不足に悩まされている。
物流業界に限らずさまざまな業界が人手不足といわれているものの、とりわけ物流業界の人手不足は深刻。
インターネットショッピングの普及と足並みを合わせるように年々宅配便の取り扱い件数は増加しており、ここ10年で10億個近く増加。
荷物の数も増えているが、それに加えて「翌日配送」や「当日配送」などタイトな時間指定が設定されることも負荷となっている。
さらに、取り扱う荷物の2割が再配達となっているため、見た目の件数以上に労力がかかっている状況だ。
こうした中、ヤマト運輸は今年4月よりDeNAと共同で自動運転による宅配システム「ロボネコヤマト」の試験サービスを開始。
当面のところはドライバーが搭乗して有人運転を行う形での試験を行い、2018年からは自動運転による試験に切り替えるとのこと。
自動運転が実現できれば人手不足への大きな対策となる。
…とはいえ、今すぐ導入できる状況にはないので、しばらくは人手不足の状況が継続しそうだ。
自動運転による宅配のように抜本的なソリューションではないものの、AR技術を使って物流の効率性を高めるソリューションが開発されている。
AR技術の活躍の場は、「ピッキング」。
「ピッキング」とは、オーダーに従って対応する品物を在庫から選び出すこと。
より早く、より正確にピッキングできれば、物流の効率性を高めることが可能だ。
そのためには、ピッキング作業者が的確にピッキングする品物やその格納場所を把握することが重要。
そこで、ARによって品物や品物の格納場所を表示し、的確な情報把握をサポートしようというわけだ。
「ビジョンピッキング」はスマートグラスに作業指示を表示することで「ピッキング」の効率化を図ることができるというシステム。
DHL社と、DHL社の顧客であるリコー、ウェアラブルコンピューティングを手掛けるUbimax社が提携することで実施。
スマートグラスには倉庫内の通路や製品の保管場所といった情報がAR表示され、スピーディーでミスの少ない作業を実現することができる。
出典元:ムラタシステム株式会社
「ゆびキタスソリューション」は、ムラタシステム株式会社によるピッキングシステム。
スマートグラスに音声認識技術とウェアラブルバーコードリーダーを組み合わせた構成が特徴。
音声認識技術が採用されているためキー入力が不要になっている上、ウェアラブルバーコードリーダーによって手を塞ぐことなくバーコードが読み取れるため、効率化とミスの削減が実現できる。
「ARピッキングシステム」は、ウェストユニティス社によるピッキングシステム。
ARと、RFIDを用いたピッキングシステムで、ARによって物品の内容や場所へとピッキング作業者を誘導。
AR表示にはスマートグラスタイプのウェアラブルデバイス「INFOLINKER」を使用する。
「INFOLINKER」はAR表示だけでなくマイクによる音声認識やカメラによる遠隔地への映像送信にも対応しており、ピッキングだけでなく作業者の遠隔支援など、さまざまなソリューションに対応できるデバイスになっている。
少子高齢化が進む日本においては、残念ながら今後も人手不足が継続していくことは間違いない。
このため、もし効率化が実現できなければ、今ある便利なサービスも、10年後、20年後にはさらに深刻な人手不足によってなくなっているかもしれない…。
できればそんな状況になってほしくないので、ARをはじめとした技術によって様々なソリューションが作られ、便利なサービスが今後も持続的に提供されていくことを期待したい。
個人的には自動運転自動車に期待している…!
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