2,000人規模の採用イベントをDX 「eventos」が変えた受付と企業・若手人材の接点づくり
大規模なリアルイベントでは、参加者が増えるほど運営側の負担も大きくなります。「受付に行列ができてしまう」「来場者の確認に時間がかかる」「集めた情報を出展企業との交流に生かしきれない」といった悩みは、イベントの規模を広げる際に避けて通れない課題です。スタッフを増やすだけでは対応しきれず、個人情報を適切に扱いながら、参加者が気持ちよく入場できる仕組みも求められます。
こうした課題に対し、イベントマーケティングプラットフォーム「eventos(イベントス)」を提供するbravesoft株式会社は、株式会社アサインが2026年7月25日に開催した「CAREER SUMMIT 2026 supported by ASSIGN」の運営を支援しました。約2,000名が申し込んだ会場では、QRコードによる受付や来場者情報の連携、企業によるリード取得などを導入。受付業務の効率化にとどまらず、企業と若手人材が出会う機会づくりにもデジタル技術が活用されました。
400人規模から約2,000人へ、拡大で見えた運営課題
「CAREER SUMMIT 2026 supported by ASSIGN」は、「5年後のキャリアに戦略はあるか」をテーマに開かれたキャリアイベントです。会場では、第一線で活躍するエグゼクティブによる講演をはじめ、エージェントとの個別相談会や企業ブースなど、参加者が自身の適性や将来像を考えるためのコンテンツが用意されました。
対象は転職を具体的に検討している人だけではありません。新卒入社を控えた学生や、これからのキャリアを見つめ直したい人も含め、約2,000名が申し込み、13社が出展しました。
アサインが大規模なリアルイベントを初めて開催した2025年には、約400名が来場しました。当時の受付ではGoogleスプレッドシートを使い、来場者の名前を口頭で確認しながら一人ずつチェックしていたといいます。
イベントの規模が大きくなれば、その方法では待ち時間や確認作業の負担が増えてしまいます。個人情報の取り扱いにも配慮しながら、受付を仕組み化する必要がありました。さらに、参加者をスムーズに会場へ案内するだけでなく、来場者と出展企業の双方にとって意味のある接点を生み出すことも重要な課題となっていました。
メールで届くQRコードから始まるスムーズな受付
イベント当日は、来場者が事前にメールで受け取ったQRコードを受付でかざし、その場で来場者バッジを発行する導線が設けられました。名前を口頭で伝えて確認する方法から切り替えたことで、一人ひとりの確認作業が簡略化されています。
単にシステムを導入するだけではなく、来場者が集中する時間帯を想定し、受付機材の数や配置、会場内の導線も事前に設計されました。bravesoftは、これまでのイベント運営実績をもとに、バッジの発行時間や来場時間帯を踏まえた運用方法を提案。必要以上に機材を増やさず、約2,000名の申込規模に対応できる体制を整えました。
受付方法を案内メールであらかじめ知らせたことも、当日の個別説明を減らす工夫の一つです。システムと会場運営を組み合わせることで、来場者が迷いにくく、運営スタッフにも負担が偏りにくい環境がつくられました。
バッジの色分けとQR読み取りで生まれた企業との接点
出展企業と来場者の交流には、eventosのリードスキャナーが活用されました。企業の担当者が来場者のQRコードを読み取ることで、その人の情報を確認できる仕組みです。
さらに、来場者の職種などに応じてバッジ上部を色分けする、アサイン独自の工夫も取り入れられました。出展企業は会場にいる人の属性を視覚的に把握し、自社との接点が生まれやすい相手へ声をかけられます。
こうした仕組みにより、出展企業が接点を持った来場者は1社あたり平均50〜60名となり、多い企業では約90名に達しました。イベントでは、すぐに応募や転職を促すのではなく、企業や仕事への理解を深め、参加者自身がキャリアを考えることが重視されました。その中から選考へ進み、開催後約3週間で内定に至ったケースも生まれています。
細かな作業を減らし、企画に向き合える時間へ
eventosの活用は、当日の受付やリード取得だけでなく、開催前の準備にも変化をもたらしました。管理画面から申込状況などを確認できるようになり、アサイン側でその都度データを集計し直す必要がなくなりました。可視化された情報をもとに、社内連携を進めやすくなったといいます。
受付や来場案内を仕組み化したことで、準備にかかる工数も前年より削減されました。その分、「どのようなコンテンツを提供するか」「参加者に何を持ち帰ってもらうか」といった、イベントの中心となる企画や体験設計に時間を使えるようになりました。
アサインのシニアエージェント・吉冨大輔氏は、細かな作業や、その都度考える必要のある事柄が減り、コンテンツづくりに注力できたと説明しています。また、単発になりやすいイベントではノウハウを社内に蓄積しにくいため、実例を持つ専門家へ相談できたことも安心材料になったとコメントしました。
次に見据えるキャリア情報との連携
アサインでは今後、個人が目指す姿と、そこへ至るキャリアシナリオをまとめた「キャリアプランシート」とeventosの連携も検討しています。
今回は、事前に印刷したシートを五十音順に並べ、受付で本人を確認しながら手渡していました。将来的には、来場者データやアサインの会員IDと連携し、受付時にシートを出力できる仕組みを構想しています。
イベントDXが支える「出会った後」までの体験
今回の事例で印象的なのは、デジタル化の目的が受付時間の短縮だけに置かれていない点です。QRコードや来場者データは、会場への入場を滑らかにすると同時に、企業が参加者へ声をかけるきっかけとしても使われました。運営の細かな作業が減れば、主催者はイベントで何を伝え、参加者にどのような時間を過ごしてもらうかという本来の企画に向き合えます。
一方で、システムを入れるだけですべてが整うわけではありません。来場時間を想定した機材配置や導線、事前案内、見分けやすいバッジなど、現場に合わせた準備が組み合わさってこそ使いやすい体験につながります。約2,000名の受付から、企業との交流、選考や内定に至る接点まで。イベントDXが、人と人との出会いを支える裏方として機能した事例といえそうです。