厳しい暑さが続くなか、愛犬との散歩では気温を確認して出かける時間を決めている人も多いのではないでしょうか。しかし、犬が歩く地面付近の環境は、人が感じている暑さとは大きく異なることがあります。気温が32℃の日でもアスファルトの表面温度は60℃を超え、地面から約30cmの高さでは体感気温が40℃近くになる場合もあります。


こうした「犬目線の暑さ」を見えるようにしようと開発されたのが、株式会社VRメディアの犬向けお天気アプリ「Pavvy°(パヴィー)」です。2026年9月下旬のリリースを予定しており、一般的な気象情報に加えて、アスファルトなどの路面温度や犬の体高に近い位置での体感気温を予測します。


さらに、全国200地点以上で集めた実測データや国内外の気象データ、地形などを組み合わせて路面温度を予測する独自モデルも採用。身近な「犬の散歩」をデータで支えるPavvy°とはどのようなアプリなのか、その仕組みや特徴を見ていきます。


気温だけでは分からない?犬の散歩に潜む「路面の暑さ」



暑い日の散歩で気になるのが、愛犬への暑さの影響です。天気予報で気温を確認していても、それだけでは犬が実際に歩く場所の環境までは分かりません。犬の体高は犬種によって異なりますが、およそ20~60cmと人間よりも地面に近く、熱くなった路面の影響を受けやすい位置にいます。


特に注意したいのが、日差しを受けたアスファルトです。気温が32℃の日でも路面の表面温度は60℃を超え、地面から約30cmの高さでは体感気温が40℃近くになることもあります。人にとっては散歩できそうな気温に感じられても、犬にとっては異なる環境になっている可能性があります。


こうした問題は夏の暑さだけではありません。寒冷地では冬に冷え切った路面が肉球への負担になることもあり、季節を問わず地面の状態を意識する必要があります。しかし、普段の天気予報だけで路面温度まで把握するのは簡単ではなく、「朝は何時まで」「夕方は何時から」といった散歩のタイミングは、飼い主の経験に頼る部分もありました。


そこで着目されたのが、普段目にする気温だけでなく、犬が実際に歩く路面や地面付近の環境をデータで捉えるという考え方です。こうした見えにくい「犬目線の環境」を可視化する技術が、散歩のタイミングを考える新たな手がかりになりそうです。


路面温度から「犬目線の体感気温」まで予測するPavvy°



株式会社VRメディアが開発した「Pavvy°(パヴィー)」は、一般的な気象情報に加え、アスファルトなどの路面温度や犬の体高に近い位置での体感気温を確認できるお天気アプリです。2026年9月下旬にiOS/Android向けとしてリリースが予定されています。


特徴のひとつが、アスファルト・コンクリート・草地といった地面の種類ごとに路面温度の目安を確認できることです。無料で利用できる基本機能では、アスファルト舗装の路面温度を8日先まで1時間ごとに予測。気温だけでなく、湿度や風速、日射量なども一つの画面で確認できます。


さらに、地面から約30cmという犬の体高に近い位置での「体感気温」を表示するドッグモードも用意されています。プレミアム機能では予報期間が最大16日先まで広がるほか、周辺の路面温度を地図上に色分けして表示するヒートマップにも対応。時間だけでなく、散歩する場所を考えるための情報として活用できる設計です。


人間向けの天気予報をそのまま犬にも当てはめるのではなく、犬が実際に歩く高さや路面の状態まで捉えようとしている点がPavvy°の特徴です。普段は数字として見ることが難しい地面付近の環境を可視化することで、散歩のタイミングやルートを考えるための判断材料を増やしています。


全国200地点・約4万件を実測 路面温度を予測する仕組みとは



Pavvy°の路面温度予測を支えているのが、株式会社VRメディアが独自に開発した予測モデルです。2026年7月時点で国内200地点・約4万件の実測サンプルをもとにしており、開発にあたっては20台のサーモカメラを使い、スタッフが全国200カ所以上で実際の路面温度を測定しました。


予測には、気温や湿度、日射量、風速といった国内外の気象データを活用。さらに、アスファルト・コンクリート・草地それぞれについて、地面にどれだけ水分や熱が蓄えられているか、どの程度熱が放出されるかといった条件も組み合わせ、路面温度を推定しています。


特徴的なのは、天気だけでなく地形の違いまで考慮している点です。同じ地域でも、地形によって日差しが当たりにくい場所や熱が逃げにくい場所があります。Pavvy°では、こうした違いを280mメッシュの細かなエリアごとに評価・補正することで、場所による路面環境の違いを予測に反映しています。


夏の高温条件下で行った検証では、予測した路面温度と実際に測定した温度との差は平均2.2℃だったとしています。身近な犬の散歩を支えるアプリの裏側には、全国各地で集めた実測データと複数の気象情報を組み合わせ、目に見えない路面環境を数値化する仕組みが使われています。


犬種別の「快適度」も さらに広がる犬目線の気象情報



2026年9月下旬にリリース予定のPavvy°ですが、今後は路面温度を予測するだけでなく、犬それぞれの特徴に合わせた情報提供も計画されています。2026年12月以降には、犬種別の「コンフォート(快適度)レベル」を表示する機能が追加される予定です。


さらに2027年4月以降には、ヒートマップで使用する地形を考慮した予測モデルの拡充や、紫外線の強さを示すUV指数の実装なども予定されています。路面温度や地面付近の気温に加えて、散歩時に気になるさまざまな環境情報を確認できる方向へ機能を広げていく計画です。


気象データや路面の実測データを活用しながら、さらに犬種ごとの違いにも目を向けていくPavvy°。人間向けの天気予報とは異なる「犬の目線」から身近な環境を捉える取り組みは、今後さらに広がっていきそうです。


犬との暮らしをデータで支える、新しい天気予報のかたち


天気予報で確認する気温と、地面に近い場所を歩く犬が置かれている環境は同じではありません。Pavvy°は、これまで飼い主が把握しにくかった路面温度や犬の高さでの気温を予測し、目に見える情報として届けようとするアプリです。


その背景には、全国200カ所以上で行った路面温度の実測や、気温・湿度・日射量・風速、さらに地形など複数のデータを組み合わせる予測技術があります。普段何気なく歩いている道路も、データを通して見ることで、人と犬では異なる環境として捉えられるのが興味深いところです。


猛暑や寒さへの備えが求められるなか、テクノロジーが支える対象は人間の生活だけではありません。身近な「愛犬との散歩」にもデータを活用するPavvy°のような取り組みが、ペットと暮らす日常をどのように変えていくのか注目したいところです。


情報提供元: ミライクエスト
記事名:「 気温32℃でも路面は60℃超に|犬目線の暑さを予測するお天気アプリ「Pavvy°」