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東京, 2024年3月12日 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、英国北西部チェシャー州にEETハイドロジェン社(EET Hydrogen)がオーナーとして新設する低炭素水素製造プラント向けCO2回収装置のライセンス契約を、米国大手エンジニアリング会社KBR, Inc.社の英国事業会社であるKBR, Ltd.社(Kellogg Brown & Root, Ltd.)との間で締結しました。本プロジェクトは「HPP2(Hydrogen Production Plant 2)」と称される先進的な低炭素水素製造プロジェクトで、英国有数の製油所があるスタンロー・マニュファクチャリング・コンプレックス(Stanlow Manufacturing Complex)に建設される予定です。英国における低炭素水素製造プロジェクトをリードするEETハイドロジェン社が推進するもので、KBR, Ltd.社が水素製造技術の供与および基本設計(FEED:Front End Engineering Design)を手掛けます。
今回の契約において当社は、関西電力株式会社と共同開発したCO2回収技術「Advanced KM CDR Process™」のライセンスの供与ならびにCO2回収装置の基本設計パッケージ(PDP:Process Design Package)の提供を行います。HPP2の水素製造容量は年間約23万トンと、英国内における最大規模の低炭素水素製造プラントとなる見込みです。本プロジェクトは、英国北西部のHyNet CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)クラスターの重要な柱で、回収されたCO2はリバプール沖の枯渇ガス田に貯留される予定です。
英国政府は2050年までのCO2排出量ネットゼロを政策目標に掲げており、CO2の回収から輸送、貯留までを工業地帯ごとに一貫して実施する目的で、CCUSクラスターの構築をはじめとするインフラ整備を進めています。2021年10月には、HyNetとEast Coastの2つのCCUSクラスターが当時の英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS、現 英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省:DESNZ)(注)によってCCUSクラスターとして選定されました。HPP2の新設プロジェクトは、HyNet クラスターにおいてEETハイドロジェン社が手掛ける大型ブルー水素プラント建設計画の一環で建設予定の「HPP1(Hydrogen Production Plant 1)」の追設案件に当たります。
三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、エネルギー需要側・供給側の脱炭素化に戦略的に取り組んでいます。このうちエネルギー供給側の脱炭素戦略である「エナジートランジション」における柱の1つが、多種多様なCO2排出源と貯留・利活用をつなげるCO2エコシステムの構築です。引き続き、独自のCO2回収技術を活用したCCUS事業を国内外で強力に推進するとともに、ソリューションプロバイダーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていきます。
三菱重工グループのCO2回収技術について
三菱重工グループは、1990年から関西電力株式会社と共同でCO2回収技術KM CDR Process™やAdvanced KM CDR Process™の開発に取り組んでいます。2024年3月現在、KM CDR Process™を用いたプラントを16基納入しており、さらに2基を現在建設中です。またAdvanced KM CDR Process™には、これまで納入した商用のCO2回収プラント16基全てで採用されているアミン吸収液KS-1™に技術改良を加えたKS-21™が採用されています。KS-21™は、KS-1™と比べて再生効率に優れ劣化も少ないといった特長を持ち、優れた省エネルギー性能と運用コストの低減および低いアミンエミッションが確認されています。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。 長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。詳しくは: 三菱重工グループのウェブサイト: www.mhi.com/jp
URL https://www.mhi.com/jp/news/24031201.html
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